13日(金)第16回卒業証書授与式が行われました。
新型コロナウイルス罹患防止対策のため、卒業生、保護者、教職員のみの参加で30分に縮小して挙行しましたが、卒業生はみんな立派な姿で式に臨むことができました。
久しぶりに会った先生、クラスメイトとも短時間の最後の学活でお別れでした。
涙・笑顔に溢れた充実した時間になりました。卒業生の今後の活躍を期待します。

学校長式辞

本日は、第16回卒業証書授与式に際しまして、ご多用のところ、教育委員「高木義則」様のご臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。

雪に耐えて、梅花うるわし。梅の花が冬の寒さを耐え抜き、見事に咲きほこる春の季節となりました。

さて、卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
皆さんの中には、早めに受験が終わった人もいれば、先日の公立一般入試をようやく終え、ほっとしている人もいると思います。突然の休校措置もありましたが、受験に向けて一生懸命頑張ることができたでしょうか。
 
予備校の講師兼タレントの林修さんは、「受験までの最後の一ヶ月間で、その後の人生が決まる」と言います。それはどういう意味でしょうか? 受験の結果よりも、やるべき時にやるべきことを一生懸命頑張れたかどうかが重要だというのです。したがって、たった一ヶ月であっても全身全霊をかけて頑張れる人は、「一年間」頑張れる人である。「一年間」頑張れる人は、その後「十年間」頑張れる人である。結局、受験までの最後の一ヶ月間は、「人としての生き方」が問われる一ヶ月であり、その後の将来を暗示しているというわけです。

このことは受験に限っての話ではありません。中学校時代は、学校行事であっても、日頃の学習であっても、部活動であっても、まずは何事においても一生懸命に頑張ってみるということが重要だと思います。そして、一生懸命に頑張った人は、達成感や充実感、感動を味わいます。その達成感や充実感、感動が、また一生懸命に頑張ろうとする意欲をもたらし、人が成長していくためのよいサイクルをつくり出します。人生を知り尽くしたように、「こんなこと頑張ったって何になるのか」と、冷めていては人として成長することはできません。

確かに、今後益々先の読めない時代となり、一生懸命に頑張っても解決しない問題も出てくるかも知れません。一生懸命に頑張っても報われないことだってきっとあるでしょう。必ず報われるとわかっていたら、誰でも頑張ることができます。報われないかもしれないのに一生懸命頑張ることにこそ、人としての価値があるのです。

今年度、夏の中体連で全国準優勝という快挙を達成した本校の剣道部女子。記念として部員に贈られた手ぬぐいには、次のような詩が書かれています。

もう一息   もう一息という処でくたばっては   何事もものにならない 
もう一息  それにうちかってもう一息   それにも打ち克って  もう一息
もう一息  もうだめだ  それをもう一息  勝利は大変だ  だがもう一息

これを目にしたとき、剣道部の強さの秘密を垣間見た気がしました。それは、いつの時代であっても人として大切なこと、「あきらめずに一生懸命に頑張る」という人間教育が根底にあるということです。

受験を終えて、ほっとしている卒業生の皆さん、進学先や就職先で新たな生活が待っています。きっと中学校以上に厳しいことが待っているでしょう。そんな中でも一生懸命に頑張ってみてください。また、その一生懸命さをあきらめずに根気強く続けられる人になってください。そのことで、きっと人として成長していくことができると思います。自分自身の将来も見えてくると思います。

「ここぞ」と言うときにはいつも頑張ってくれた卒業生の皆さん。皆さんの今後の活躍を心から祈っています。

結びに、保護者の皆様に対しまして。突然の全国一斉の休校措置に加え、簡略化した卒業式となってしまい、大変申し訳なく残念な気持ちでいっぱいでありますが、お子様の卒業を心よりお祝い申し上げる次第です。また、これまで、本校の教育に対しまして、ご理解・ご支援をいただきましたことに、厚くお礼申し上げます。お子様の卒業後も、コミュニティ・スクールを推進する本校を、地域の一員として見守っていただき、なお一層のご支援を賜りますようにお願い申し上げ、式辞とさせていただきます。

令和2年3月13日 
学校長 古澤 裕二

卒業生答辞

日一日と暖かくなり、命の躍動する春の訪れを感じる季節となりました。今日、私たちは167人の仲間とともに、この那珂川北中学校を卒業します。目を閉じれば、ここにいる仲間との思い出が鮮明に頭に浮かびます。
4月、ぶかぶかの制服に腕を通し、不安と期待を胸に那珂川北中学校の門をくぐりました。入学してまもなく、体育祭の準備期間に入り、先輩の体育祭の動画を見ました。流れる汗、閉会式での涙、一人一人ひたむきに努力するその姿に、何か胸にこみ上げてくるものがありました。人が何かに真剣に取り組む姿は、あんなにも格好良いものなのだと知りました。そして、迎えた中学校初めての体育祭は、とても感動的で、みんなが一丸となって創り上げたという達成感でいっぱいでした。そして、この経験を糧に、自然教室や修学旅行を成功させていきました。
いよいよ3年生。最上級生としての実感もわかないまま、実行委員、ブロックリーダーを募り結団式を迎え、練習が始まりました。「飛翔魂焼」のテーマのもと、487の魂を熱く燃やすために日々奮闘しました。お互いが熱くなり、仲間と何度も何度も衝突し、涙を流している仲間を見て、胸が痛かったのを覚えています。私自身もうまくいかず、涙を流す日が何度もありました。でも、そんなとき、一緒に泣いてくれた仲間、「一緒に頑張ろう」と手を差し伸べてくれる仲間がいました。だから、私は、最後まで頑張り抜くことができました。この体育祭を通じて、仲間と信頼し合うことの大切さを学びました。閉会式、最後の校歌で、涙が出るほどの感動を味わいました。そして、この仲間とともに、体育祭をこえる感動を味わいたいという気持ちを、残りの合唱コンクールと受験に全てをぶつけ、今まで以上に真剣に取り組みました。東日本大震災の被害者の方々の想いをつづった「群青」をミリカローデンで歌ったとき、鳥肌が立ちました。この歌を通して、クラス、そして学年がつながれたように思います。全ての行事を終え、入試というものが見えてきたときから、先生方はよく「受験は団体戦だ」とおっしゃっていました。今ならこの言葉の意味が身にしみてわかります。休み時間も問題を出し合って過ごしたり、前日には応援する言葉をかけ合ったり、仲間という存在のありがたさに改めて気づくことができました。
そんな私たちも、今日でお別れです。失敗したこと、成功したこと、学んだこと、感じたこと、全てバトンとして在校生に渡すときがきました。今、ここに居ないのが本当に残念ですが、後輩としていつも応援してくれたこと、支えてくれたことにとても感謝しています。ありがとう。
そして、いつも私たちのことを考え、そばに居てくださった先生。厳しく指導してくださったこともありました。一緒に大笑いしたこともありました。大切なことを教えていただき、また気づかせてくださいました。出渕先生、先生の力強い言葉は、いつも私たちを導いてくださいました。黒川先生、いつも優しく、親身になってご指導してくださいました。松﨑先生、先生のお陰で、自ら気づき考えることの大切さを学ぶことができました。田村先生、先生と過ごした1年はとても密なもので、先生のお陰で社会に興味を持つことができました。三浦先生、先生との何気ない会話もとても楽しく、もうできなくなると思うと寂しいです。徳田先生、わからないところも可愛い笑顔で丁寧に教えてくださいました。山下先生、独特な世界観が魅力的で美術の授業、とても楽しかったです。髙井先生、先生の授業はいつも笑いが絶えず、とても楽しかったです。校長先生、校長先生のお陰で、最後の1年、大きく成長することができました。本当にありがとうございました。
また、一番近くで支えてくれたお父さん、お母さん。進路のことでぶつかることも、生意気な態度をとったことも何度もありました。そんな私たちをいつも一番に考え、見守ってくれてありがとう。私たちは、多くの人に支えられて、成長することができました。今度は、私たちが多くの人を支えられるように成長していきたいです。
最後に、第16期生のみんな、本当に本当にいろんなことがあったね。コロナウイルスの影響で、今日までみんなと会えないと知ったとき、とても寂しくて、やっぱりみんなのことが大好きなんだなと実感しました。これからは、別々の道を歩んでいくけれど、私たちはずっと仲間です。3年間、かけがえのない日々をありがとう。みんなと出会えて本当に良かった。
私たちは今、卒業という門をくぐり抜け、自分で切り拓いた新しい道へ一歩踏み出そうとしています。家族や先生方からもらった愛情、3年間で培ってきた自信を胸に、まっすぐ進んでいきます。
ありがとう那珂川北中学校。

令和2年3月13日
卒業生代表 原田 彩花

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