3月12日(金)、第17回卒業証書授与式を開催しました。コロナ禍で簡略化した式でしたが、来賓の皆様と多くの保護者の皆さんにご臨席いただきありがとうございました。厳粛な雰囲気の中、担任の呼名に対して卒業生の元気な返事が響きわたり、大変立派な卒業式でした。卒業式終了後、各教室では最後の学級活動が行われ、体育館では保護者の皆様に生徒の3年間の歩みをスライド上映しました。卒業生には昨日多目的ホールでスライド上映を行いましたが、笑い声や歓声に包まれていました。卒業生の皆さん、3年間お疲れさん。今後の活躍を祈っています。また会いましょう。尚、学校長式辞と答辞の内容も掲示していますのでご覧下さい。
学校長式辞
本日は、第十七回卒業証書授与式に際しまして、ご多用のところ、来賓の皆様のご臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。
雪に耐えて、梅花うるわし。梅の花が、冬の寒さを乗り越え、見事な花を咲かせる季節となりました。人もまた同様に、困難を乗り越えてこそ、人としての成長があるのではないでしょうか。
さて、卒業生の皆さん、「卒業」おめでとうございます。
ようやく高校入試が終わりましたが、全力で取り組むことができたでしょうか? 勉強の「得手不得手」に関係なく、また「合否の結果」に関係なく、目標に向かって全力で「努力する姿勢」こそが最も大切です。今年度は、コロナ禍で多くの学校行事がなくなってしまいましたが、中学校時代に大切なことは、何事にも全力で努力する「姿勢」をつくることです。その姿勢が、皆さんの将来へとつながるのです。皆さんが、高校入試に全力を出し切り、大きな達成感を味わってくれていたら幸いです。
ところで、現在の日本は、大きな転換期を迎えています。「生産年齢人口の減少」や「人工知能の発達」、「グローバル化の進展」によるものです。またそこに追い打ちをかけるように「新型コロナウイルスの感染が拡大し、今後益々「先の読めない時代」となりました。このような困難な時代を生き抜く上で大切な事は何でしょうか。
以前、ある心理学者が、多くの「成功した人物」から様々な情報を収集し、「成功するための法則」を見つけようとしました。その結果、全員に共通する事を一つだけ見つけます。それは、「成功した人物」が、成功する以前から、「自分は運がいい」「自分はできる」と強く信じていた、ということです。このことから、人の「心の持ち方」や「信念」が、その人が成功するかどうかを決定するのだ、という法則を導き出します。パナソニックの創業者である、松下幸之助さんも、採用面接で、最後に必ず「あなたは運がいいですか?」と質問していたそうです。「運が悪い」と答えた人は、どれだけ学歴や面接結果が良くても採用しなかったという話が残っています。「自分を信じる」という、根拠もなく、一見単純なことのように思えますが、「先が読めない時代」だからこそ、とても大切なことだと思います。
そこで、卒業生の皆さんに「信念の力」と題する詩を送りたいと思います。
もしあなたが負けると考えるなら、あなたは負ける。
もしあなたが失敗すると考えるなら、あなたは失敗する。
世の中を見渡してほしい。
最後まであきらめず、自分を信じ続けた人だけが、成功しているではないか。
すべては「人の心」が決めるのだ。
もしあなたが勝つと思うなら、あなたは勝つ。
もしあなたが「向上したい」「自信をもちたい」とそう願うなら、あなたはそのとおりの人間になる。
さあ、出発だ。
強い人が勝つとは限らない。
「私はできる」そう考えている人が、最後に勝つのだ。
受験を終えて、ほっとしている卒業生の皆さん、進路先で新たな生活が待っています。きっとこれまで以上の困難にぶつかることもあるでしょう。そんな中で、「あなたの心」次第で、「あなたの人生」を成功に導くことができるということを忘れないでください。
今年度は本校にとって、大きな変革の年でしたが、それを支えてくれた卒業生の皆さん、皆さんの今後の活躍を心から祈っています。
結びに、保護者の皆様に対しまして、簡略化した卒業式となってしまい、大変申し訳なく思いますが、お子様の「卒業」を心よりお祝い申し上げる次第です。また、これまで、本校の教育に対しまして、ご理解・ご協力をいただきましたことに、厚くお礼申し上げます。お子様の卒業後も、地域の一員として本校を見守っていただき、なお一層のご支援を賜りますようにお願い申し上げ、式辞とさせていただきます。
令和三年三月十二日
学校長 古澤 裕二
「答辞」
ひと雨ごとに暖かくなり、春の訪れを感じるようになりました。
今日、私たち 第一七期生 一五四名は、卒業の日を迎えました。この三年間、みんなと共に創ってきた思い出は、今も色あせることなく、私の心に刻まれています。
入学式を終え、中学生活にも少しずつ慣れてきた頃、私たちは初めての体育祭を迎えました。先輩の熱意や真剣さに圧倒され、ついていくだけで必死だった厳しい練習。しかし、それらを共に乗り越え、迎えた本番では、感動と大きな達成感を味わうことができました。
自然教室では、体育祭の経験を糧に、今度は自分たちだけで一つの行事を創り上げました。カレー作りやレクリエーションを通して学年の絆を深め、また一歩 前進することができました。
文化祭の合唱コンクールでは、クラス内での衝突もあったけれど、それらを乗り越えて、本番ではクラス一丸となり、堂々と歌声を披露することができました。
そして、二年生の二月。私たちは修学旅行に行きました。半年近くかけて準備してきたものの、当日はうまくいかないことも多く、一日目は何度も指導を受けました。ですが、二日目、三日目とみんなの行動はどんどん良くなっていき、みんなの本気を目の当たりにすると同時に、この仲間たちと共にこの修学旅行を創ることができて良かったと思いました。
この調子で最上級生として迎える体育祭を最高のものにしようと思っていました。しかし、修学旅行から帰ってきて一週間後。一斉休校となり、体育祭どころか、共に学ぶことすらできなくなりました。その後も制限された生活が続き、最後の一年は思い描いていたものとは程遠いものとなりました。私は、みんなと共に過ごせるはずだった約三ヵ月を失い、とても寂しかったです。しかし、その期間があったからこそ、学校再開後は、授業での活動や休み時間の会話など、日常の何気ない一幕や入試に向かってお互いに高め合い、励まし合う姿など、みんなと過ごした時間がより鮮明に思い出されます。今、こうしてみんなで卒業を迎えられることを改めて嬉しく思います。
そして、私たちがここまで来ることができたのは、たくさんの方々の支えがあってのことです。先生方、勉強だけでなく、様々な面で私たちを支えてくださいました。きっと悲しませたことも、何度もあったことでしょう。それでも諦めずに熱い思いをもって指導してくださったこと、心から感謝しています。先生方が教えてくださった「努力することの大切さ」や「当たり前のことを当たり前にする」ということを忘れず、これからも歩んでいきます。本当にありがとうございました。
それから家族のみんな、いつもそばで支え、応援してくれてありがとうございました。これからは、自分で決めた道をしっかりと歩んでいきたいと思います。
そして在校生のみんな、あまり良いお手本にはなれなかったかもしれないけれど、これまでついてきてくれて、様々な面で支えてくれて、本当にありがとう。今、この場で直接伝えられないのが本当に残念だけれど、みんなは、これからの那北を安心して任せられる、立派な後輩です。みんなで力を合わせて、より良い那北を創ってください。
最後に、三年生のみんな、みんなには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。迷惑をかけてしまったこともあったでしょうし、力を借りることもたくさんありました。このメンバーだったからこそ、私は生徒会長でいられたのだと思います。みんなと過ごした時間はかけがえのないもので、忘れられない思い出ばかりです。本当にありがとう。
あの日、真新しい制服に身を包み、長い坂道を登ってきた私たちは、中学校という未知の世界に大きな期待をもちつつも、不安を覚えていました。あれから、三年。今、ここにいる私たちは、様々なことを共に経験し、乗り越え、那珂川北中学校の第一七期生として、誇りをもって卒業を迎えています。これからは、それぞれが信じる道を進み、自らの未来を創っていくことでしょう。きっとその過程で、この那珂川北中学校の思い出は、私たちの糧となるはずです。他愛のない話をしたり、些細なことで喧嘩したりし、それでも励まし合い、支え合ってきた仲間との三年間。那珂川北中学校への感謝を胸に、仲間と培ってきた経験を翼に、私たちは次なる舞台へ飛び立ちます。
令和三年三月十二日
卒業生代表 佐野木 菜生