4月12日(水)第20回入学式を行いました。今年の入学式では、コロナ対策を行いつつ、3年ぶりに略式でない方法で、開催することができました。入学式では、真新しい制服に身を包んだ新入生176名(男子93名、女子83名)が、保護者の方に見守られながら、立派な姿を見せてくれました。校長先生の式辞では、「成長するために大切なこと」についてお話をしてもらったところ、多くの新入生が「はい」と返事をしながら、聞いていました。
また新入生代表の挨拶では、「部活動や勉強にがんばりたい」と、中学校での抱負を力強く述べ、「これまでに学んだことを活かして自主的に取り組み、充実した中学校生活を送ることができるように、がんばっていきます」と立派な挨拶をしてくれました。
今日の気持ちを忘れずに、これらかの中学校生活を充実した日々にしていけるように過ごしていってほしいところです。
【式辞】
本日は、第二十回入学式に際しまして、ご多用の中、那珂川市教育長、木下尊雅(たかまさ)様をはじめ、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。
陽春のさわやかな風が吹く中、いよいよ新年度のスタートにふさわしい陽気となってきました。
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
約一ヶ月前、本校で卒業式が行われ、皆さんの先輩方が、それぞれの進路を決定し、卒業していきました。皆さんも、本校での3年間を通して、人として成長するとともに、希望する進路先へ進むことができるように頑張ってほしいと思います。
さて、人が成長する際に大切な事とは何でしょうか。このことを考える上で、ヒントになる話が、歴史に出てきます。皆さんは、徳川家康という人物を小学校で習ったと思います。今年の大河ドラマでも放送されています。家康は、8歳から19歳まで、今川義元という戦国大名に人質として預けられていました。今川義元は、家康がのちに自分を超えるような人物に成長して欲しくありません。家康に対して「むごい教育をせよ」と家来に命じました。家来は、「わかりました。粗末な食事や厳しい生活をさせたらいいのですね。」と言いました。それに対して今川義元は「いやいや、朝から晩まで、ごちそうを好きなだけ与えてやれ。寝たいと言ったらいつまでも寝かせてやれ。夏は暑くないように、冬は寒くないようにしてやれ。学問が嫌だというならやらせるな。何でも好き勝手にさせたらよい。そのようにすれば、たいていの人間はダメになるから。」 この話は、「何不自由なく、思い通りにしてやる」ことが、人間をダメにする、と言う話なのです。このことは、時代が変わった今でもあてはまることだと思います。
したがって、人が成長する際に大切な事とは、まさにこの話の逆で、困難なことにぶつかったり、苦手なことにもチャレンジしたり、性格や考えが違う人とも多く出会い、その中で揉まれたりすること。つまり、「思い通りにならない出来事」ことこそが、人を成長させるのです。このことを、生徒のみなさんには是非理解してほしいと思います。
さらに、本校の教育は「鍛える教育」と言います。皆さんに目標を設定させ、その目標達成に向けて、くり返しくり返し努力させ、目標達成の達成感を味わわせる教育です。人間は「達成感」を味わうと、脳の中でドーパミンという物質が分泌され、やる気が湧いてきて「やる気スイッチ」がオンになるようにできています。すると、さらに高い目標を設定し、繰り返し努力し、また達成感を味わおうとします。つまり、ドーパミンを利用して、「目標設定」→「繰り返し努力」→「達成感」というサイクル、いわゆる「やる気サイクル」をつくりあげることができるのです。この方法こそが、人を成長させる最も有効な方法なのです。WBCで活躍した大谷選手もこの方法の繰り返しで素晴らしい選手に成長しました。
新入生の皆さん、明日からの中学校生活では、なかなか思い通りにならなくて戸惑うこともあるでしょうが、しっかり目標を設定し、くり返し努力し、達成感を味わう中で、自分を大きく成長させてほしいと思います。皆さん頑張ってください。私達も全力でサポートします。
最後に、保護者の皆様に対しまして、お子様のご入学を心より、お祝い申し上げます。家庭・地域・学校の三者が、生徒にのぞむことは、「社会で生きていける力をつけてほしい」と言うことだと考えます。三者が、教育に対する価値観を共有することが大切です。これから実践します本校の教育活動に対しまして、ご理解・ご支援をいただきますようにお願い申し上げ、式辞とさせていただきます。
令和五年 四月十二日
校長 平野 善浩
【新入生誓いの言葉】
春の訪れを感じる今日、私達新入生176名は、無事に那珂川北中学校の入学式を迎えることができました。本日は、このようなすばらしい入学式を行って頂き、本当にありがとうございます。
私はこれから三年間を過ごす、この那珂川北中学校でがんばりたいことが二つあります。
一つ目は部活動です。私は小学校から続けてきた野球を、中学校の部活動に入り、続けたいと思います。そして、部活動を通して先生方や先輩方に教えて頂きながら、チームに貢献できるような選手になりたいです。
二つ目は勉強です。これからは、小学校の時よりも勉強内容が難しくなり、今まで無かった定期テストもあり、新しい環境に対して不安を感じています。しかし、何事にも一生懸命取り組んでいる先輩方の良いところをたくさん取り入れ、ここにいるたくさんの仲間と共に、協力して歩んでいきたいと思います。
小学校を卒業したばかりで、まだ右も左も分からない状況ですが、これまでに学んだことを活かして自主的に取り組み、充実した中学校生活を送ることができるように、がんばっていきます。校長先生をはじめ、先生方、先輩方、私たちのことをあたたかく、時に厳しくご指導くださいますよう、よろしくお願いします。
令和5年 4月 12日
新入生代表 浜岡 颯太