「家庭学習の充実に向けて」 校長:古澤裕二

先日行われた「北風走大会」は、1・2年生全員が一生懸命に走って、また一生懸命に応援して、大いに盛り上がった大会となりました。保護者の皆様には、通行整理や応援等ありがとうございました。
さて、3年生はいよいよ受験本番です。特に1月31日には、3年生の福岡地区私立前期入試が行われますが、同じ日1・2年生の学力診断テストも予定されています。生徒の皆さんには、受験やテストに向けて有意義な冬休みを是非送ってほしいと思います。
ところで、家庭学習(塾の時間も含む)の充実に向けて大切なことをいくつかお話ししたいと思います。一つ目は、まずはなんと言っても人並みに家庭学習の時間を確保することでしょう。これまで生徒会が中心となって、1・2年生は平日2時間、3年生は平日3時間という目標を呼びかけてきましたが、どの学年もまだまだ足りていません(特に2年生は)。実際、先日行った生活実態アンケートの結果を見てみると、達成できている生徒の割合は次のとおりでした。

1年生(2時間以上) 2年生(2時間以上) 3年生(3時間以上)
34.1% 13.9% 37.1% ※2時間以上だと55.7%

一方、スマホ・携帯等の長時間利用は相変わらずの状況です。2時間以上スマホ・携帯を利用している生徒の割合は次のとおりです。なんとかして、この「家庭学習の時間」と「スマホ・携帯等の利用時間」を逆転させたいものです。

1年生 2年生 3年生
56.2% 62.9% 54.8%

二つ目は、家庭学習の時間を増やすために、勉強時間帯を工夫することが大切です。生徒を成績の上位層と下位層に分けて、平日家庭における勉強時間帯について調べたベネッセの調査結果によると、次のことがわかっています。①どちらの層の生徒も、20時~22時頃の時間帯に勉強する生徒が最も多いこと。②成績上位層の生徒はそれに加えて「朝食前」や「夕食前」の時間を勉強にあてていること、です。つまり、成績上位層は、下位層と同じ時間帯に勉強していてもより集中して取り組んでいるとともに、ちょっとした「すき間」時間を有効に活用しているわけです。特に、部活動等の運動を行っている生徒は、「すき間」時間を上手く使う必要があります。また、疲れたまま集中できずに深夜まで勉強するより、早めに起きて「朝食前」に勉強した方が効率的です。深夜の勉強は、①脳が疲れる、②脳や体の成長や修復を促す「成長ホルモン」の分泌が阻害される、③睡眠不足になると睡眠中に脳の中で起こる情報整理の働きが阻害される、というデメリットがあります。
三つ目は、先ほどのベネッセの調査結果にも関連して、より集中して家庭学習するにはどうしたらよいかという点です。この点について、医学博士の築山節氏は、その著書の中で「脳が冴える勉強法」を紹介しています。それによると、キーワードは「運動」「作業興奮」「緊迫感」です。一つ目の「運動」とは、文字通り体を動かすことです。運動系の機能は脳の表面中央付近に分布しており、勉強前に運動することによって脳に血液が送り込まれ、脳が冴えてきます。二つ目の「作業興奮」とは、机上の片付け等の簡単な作業によって、小さな達成感や「快」感情が生じ、脳が軽く興奮することを指します。皆さんも、机上を片付けると気分がすっきりして、勉強へ向かいやすくなるという経験があると思います。三つ目の「緊迫感」は、勉強時間を制限することで緊張感が増し、脳が興奮することを指します。皆さんも、朝寝坊したとき、「しまった!」と脳が一瞬にして目覚め、慌てて準備し家を飛び出し間に合ったという経験があると思います。時間が制限されると脳が活性化し、思わぬ力を発揮するものです。だらだら勉強するより、勉強時間の終わりを予め設定して、時間に追われながら取り組むことが大切です。
これらのポイントを押さえ、1日のルーティンを計画通りできたら、何か一つだけ好きなことをする時間をご褒美として自分自身に与えるのです。勉強以外の興味や関心を押さえ込むのではなく、うまく利用するやり方のほうが長続きします。
今後本校では、冬休みには「ウインタースクールの開催」や「部活動における勉強会」を実施し、1月には「学力向上月間」として授業や放課後学習における学力定着の取組を行っていきます。ご家庭におかれましても、お子様の家庭学習の充実に向けて、指導やサポートをよろしくお願いします。その際、お子さんに将来のことを考えさせるのが有効なのですが、それはまた次回お話ししたいと思います。

北風走大会

12月14日(土)に北風走(1.2年生持久走・駅伝大会)を開催しました。体育の時間に目標タイムを決め毎時間走り込んだ成果を発表する場です。天候にも恵まれ、一生懸命に走る姿や応援する姿がとても印象的でした。
昼からは、昨年卒業をした陸上部の大崎みなみさん(現福岡大学附属若葉高校)に来てもらい、中学時代をどう過ごすべきかや高校での陸上部では、仲間が支え合って、本気で活動できるチームであること等を話してくれました。

持久走の部

駅伝の部1年優勝:1年2組、2年優勝:2年2組区間賞

1年男子 1位 2組 亀井 陵平 5分28秒
2位 2組 牧瀬 尊 5分34秒
3位 3組 生島 歩夢 5分35秒
1年女子 1位 2組 安藤 里緒菜 6分18秒
2位 1組 新屋敷 汐音 6分32秒
3位 1組 平田 愛梨 6分37秒
2年男子 1位 3組 石黑 功人 5分17秒
2位 2組 益田 司冴 5分17秒
3位 2組 黒木 颯人 5分24秒
2年女子 1位 3組 坪根 栞那 6分4秒
2位 1組 畑原 天聖 6分14秒
3位 2組 根井 菜摘 6分22秒

駅伝の部

大崎先輩の話を聴いて

  • 先輩はとても努力家で自分をどこまでも追い込み、県大会でも満足しないってとてもすごいと思いました。私も先輩を見習い、自分を追い込み走り込んでみようと思います。(2年)
  • 部活を本格的にしたいという想いだけで、高校を選んだと先輩が言っているのを聞き、勉強だけでなくいろいろな理由で高校を決めるという選択があることが分かりました。そして、スポーツ面も学習面でも努力を怠らないないところがすごいと思いました。(2年)
  • 中学校から陸上部に入って、高校でも部活を続けているのがすごいと思った。良い記録を残すために、食事や私生活にも気をつかって努力しているところがかっこいいと思いました。(1年)

生徒の感想

  • 僕は、北風走を通してきつかったけど楽しかったです。体育の時間の時も、だんだんタイムが速くなって、走り終わった後の達成感みたいなものがありました。(2年)
  • 僕は、陸上部だけど長い距離を走るのはあまり得意ではないです。でも得意じゃないからこそ頑張ってあきらめずに、最後まで走り抜くことが大切だということが分かりました。授業でタイムが出て、速くなったときはとてもうれしかったです。(1年)
  • 途中で、「あきらめたい」「タイムが遅くてもいい」と思ったけど、みんなが応援してくれて頑張ろうという気持ちが出てきた。目標の30位以内に入れて最後ま
    でやり通すと良い結果につながることが分かった。(1年)
  • 体育で何分切りたいという目標を立てて、毎時間目標に向かって、ベストタイムを更新できるように頑張りました。北風走大会では、自分の今できる力を出し切り、前の人について行けるように頑張りました。(2年)

授業参観

12月4日(水)に全学年授業参観を実施しました。
今年の授業は、目標意識をもたせ、主体的な活動を仕組み、生徒たちに達成感を味わわせることを行っています。また、その中で視聴覚機器を使ったり、教え合いを
工夫したりしています。

授業参観の保護者の感想

  • 廊下の掲示物が整理されていて見やすいと思います。授業中私語をする人も少なく、よく先生の話を聞いていました。
  • 先生の声がはっきり大きくとても分かりやすいので、生徒がみんな引きつけられていると感じました。
  • 一人一人に発言する機会が多く、楽しい授業だと思いました。

ご多用の中、たくさんの方に参観していただきありがとうございました。

お知らせ

那珂川市の小・中学校では、学校閉庁日として12月27日(金)から1月5日(日)まで土曜、日曜のように、学校の業務を行わない日となります。特に、29日(日)
から3日(金)までは部活動も全面中止となります。この期間の緊急な連絡は、教育委員会学校教育課になりますのでご協力・ご理解をお願いします。
(市役所代表092-953 -2211)

1月の主な行事

8日(水) 始業式
9日(木) 冬の課題テスト
11日(土) Nスぺ講座(全学年)
15日(木)~17日(金) 出前あいさつ運動
18日(土) 新入生説明会 弁当の日
19日(日) Nスぺ講座(全学年)
21日(火) 私立専願入試
26日(日) Nスぺ講座(全学年)
27日(月) 代休(新入生説明会)
31日(金) 私立前期入試・学力診断テスト

那珂川北中学校 学校だより