「英語教育の充実」校長 平野 善浩

早いもので、前期もあと少しです。今、1・2年生は中体連新人大会へ向け、3年生は学力診断テストに向けて頑張っているところです。
今月号のテーマは「英語教育」についてです。先日9月16日(土)に40名のALTを招いて、イングリッシュイベントを開催しました。このイベントのねらいは、多くの国々の方とのコミュニケーションを通して、英語に対する興味や関心を高め、グローバル人材の育成につなげることです。授業後のアンケート結果では、生徒のほぼ全員が「とても楽しかった」と回答していました。また「授業で学んだことを活かすことができましたか?」の質問に対しては右のグラフのような結果になっています。授業で学んだ英語表現を活用し、一生懸命会話をしようとする姿がとても良かったです。とにかく生徒もALTの先生方も笑顔で交流していることが印象的でした。このイベントを通して、「もっと英語を話せるようになりたい」「外国の人とコミュニケーションすることは楽しいことだ」と生徒に思ってもらえたらこんなにうれしいことはありません。
話は変わりまして・・私の英語力はどうかというと「日常会話ができる」レベルです。(ちなみに私は社会科の教員です)英語での複雑な議論はムリですが、外国で生活する上では大丈夫です。しかし、中・高校時代の私は大の英語嫌いで、英語の点数は常に赤点で全くダメでした。そんな私にも転機が訪れます。「どうにか英語を話せるようになりたい、それには海外で生活するのが良かろう。」と思い、大学4年生時に1年間休学してオーストラリアに行くことにしました。何も考えずに飛行機チケットのみ購入、気がつけばシドニー空港に降り立っていました。リッチな留学でないので、とにかく一人でなんでも乗り越えなければなりません。「英語がわからない、お金もない、友達もいない・・」そんな状況でした。最初の頃はまったく英語がわからず、話しかけられてもちんぷんかんぷん。とにかく英語を話せないと生きていけないので必死になって勉強しました。英語学校に行くお金もなかったので、毎日近くにあった図書館に通い英会話のフレーズを覚え、ひたすら英語のラジオを聞き、安宿に戻ると世界中から来たバックパッカー(貧乏旅行している若者)をつかまえ、必死にへたな英語を話しまくりました。そんな生活を3ヶ月続けていると・・・なんと耳が変わってきました。まるで念仏だった英語がスラスラ頭に入ってくるようになったのです。そして簡単な意思疎通もできるようになってきました。「おお、気合いで英語がんばったら3ヶ月でどうにかなるものだ」と思いました(低い英語レベルですが)。それから農場で働いたり、オーストラリア大陸を自転車で3ヶ月かけて横断したりと充実した1年間を送りました(おかげで卒業は1年遅れましたが)。オーストラリアで身に付けたサバイバル英語は、後の人生で私を大いに助けてくれるとともに、自分の世界を大きく広げてくれました。その時に私が感じた「英語が話せるとこんなに便利なんだ!」「英語でいろんな国の人と話せることはこんなに楽しいんだ!」ということを、生徒にも実感してもらいたいという思いがあります。
本校は学力向上もさることながら、特に英語教育に力をいれています。本校では英語科授業においては、年間を通して教科書を一通り学習していくやり方ではなく、教科書を5回繰り返す「5ラウンド」というやり方を行います。1回目は「リスニング」、2回目は「聞いた音から単語や短文を正しい文に並べ替える」、3回目は「音読」、4回目は「穴あき音読」、5回目は「リテリング(教科書の内容を自分の言葉で伝える)」という具合で、「話す」「聞く」の活動を中心に行っていくのが特徴です。本校では、この「5ラウンド」の原則を踏まえつつも、生徒の実態に合わせてアレンジを加えながら実施しています。
「文法」説明には極力時間を割かず、授業中間違った英語を使っても大丈夫です。従来の英語学習では、英語の文法説明に時間をかけすぎ、実際に「話す」「聞く」の活動時間が少ないことが短所でした。また、そうなると文法を気にしすぎるようになり、しだいに話さなくなってしまいます。こうした文法中心の英語学習が生徒を英語嫌い(まさしく私がそれでした)にしてしまう傾向がありました。
これからの社会では英語でコミュニケーションできることがさらに求められるようになります。日本に住んで働いていても、急に上司や部下が外国人になったり、一緒に仕事をするようになったりすることが普通になってきます。確かに英語のテストで良い点を取ることも大切ですが、英語でコミュニケーションできる力をつけることが、一番大切であると考えています。今後も英語教育の充実を図り、生徒の英語力の向上に努めていきたいと思います。

イングリッシュ・イベント(9/16)

9月16日(土)に行われた「イングリッシュ・イベント」では、県内のALT40名が来校し、各クラスの授業に8名ずつ参加してもらいました。1時間目に1年生、2時間目に2年生、3時間目に3年生の授業を行い、英語のクイズやゲームを通して、英語でALTとのコミュニケーションを図っていきました。イングリッシュ・イベントに参加していただいた保護者や那北中CS協議会の委員、市教委の皆さん、ありがとうございました。

 

 

夏休み課題テストの結果

9月に行われた、夏休み課題テストの結果をお知らせします。

1年生(グラフ中◆)は、4月の標準学力診断テストでの合計偏差値と変わらず「53」でした。2年生(グラフ中▲)は、「55」から「54」と1ポイント下降しました。3年生(グラフ◆)は、「55」から「53」となり、2ポイントも下げてしまいました。近年では、1年生は4月の学力診断テストから大きく伸ばし、2,3年生もポイントを伸ばしているところですが、今年度は全ての学年でのびが見られず、3年生は特に大きく下降してしまいました。この結果を受けて、中学校では9月15日(金)に教科部会を開き、それぞれの教科で次の学力診断テスト(3年生は10月、1,2年生は11月)へ向けて学力向上の手立てについて検討しました。特に、3年生の10月,11月の学力診断テストは、その結果で、受験校を決定していく重要なテストとなります。ご家庭でも夏休み課題テストの結果を踏まえて、家庭学習のご指導もよろしくお願いします。

立会演説会・生徒会役員選挙(9/20)

9月20日(水)に令和5年度生徒会役員を決める選挙がありました。それぞれの立候補者が自分たちの目指す学校の姿を緊張しながらも自信をもって演説していました。当選した皆さんおめでとうございます。残念ながら落選した皆さんもその力をぜひ、生徒会のために役立ててほしいと思います。また、選挙運動で元気に候補者の仲間を応援する生徒の皆さんの姿に、これからの那珂川北中を任せる3年生も安心していると思います。続けて専門委員長・副委員長の選考もありました。ぜひ、新しい生徒会執行部を中心に、「互いに高めあえる学校」を目指してほしいと思います。

今回の選挙では改選される役職が、会長、2年副会長(2名)、2年書記、1年副会長、1年書記となりました。今年度から、生徒会規約が改正され、会計に代わり2年生副会長のポストが2名となりました。生徒会役員を中心によりリーダーシップをとれる体制にし、「生徒が自律して学校を動かす」体制を整えるためです。学校も落ち着き、学力・体力とも向上してきました。これからは、生徒が自律して学校行事を運営したり、自分たちで学習面や生活面の規律を整えたりするステージ(『お互いが高めあえる学校』)を目指していかなければなりません。10月10日(火)には、生徒会役員交代式が行われます。ぜひ、新しい生徒会執行部を中心に、生徒が自律して学校を動かしていってほしいと思います。