「校則について」
校長 古澤 裕二
3月10日、短時間でしたが実に感動する立派な卒業式が挙行され、169名が本校を巣立っていきました。今年度で退職を迎える私にとっても、立派な卒業式で最後を締めくくることができて大変うれしく思います。
さて、本校に4年前に赴任したときに、私に与えられた使命は学校の立て直しです。具体的には、学校の規律を回復させ、低迷している学力を向上させることでした。卒業生をはじめ先輩達や1・2年生の皆さんのおかげで、もう十分すぎるくらいに使命を果たすことができたと思います。
本校に限らず規律が乱れた学校では、学力や体力、部活動など様々な面で成果を出すことが難しくなります。逆に、規律さえ回復させれば、自ずと様々な面でよい成果を出すようになってきます。そういう意味では、「規律」とは、学校教育の根幹をなすものと言えます。ところが、現在マスコミ等で「ブラック校則」といった批判がなされ、学校の規律のあり方が揺らいでいます。結論からいうと、当然「ブラック校則」と批判されないように、社会通念に照らして「校則」の内容を見なしていかなければならないと思います。その一方で、「校則」に対する基本的な考え方について、誤解がないように押さえておかなければならない部分もあると感じています。具体的には、次のようなことです。
①「校則」を設けること自体は、当然必要なことであるということ。
学校は小さな社会です。社会において様々な法的な規制があるように、集団生活を行う学校においても「校則」があってしかるべきです。「校則」がないという学校では、生徒の問題と思われる行動が全くないのでしょうか、どこで社会に出るための規範意識を育んでいくのでしょうか、疑問に感じます。裁判の判例においても、学校が「校則」を制定する権限を有していることが明示されています。
②「校則」は生徒の権利を守り、よりよい方向へ導くためのものであること。
規律が乱れた学校では、まじめな生徒の権利が侵害され、何事にも一生懸命に頑張ろうとする雰囲気さえもない状態です。結果的に、多くの生徒が学力面や進路面で不利益を被っています。「校則」は生徒を縛るものととらえられがちですが、そのようなことにならないように、生徒の権利を守るためのものなのです。また、裁判の判例においては、「校則」によって「華美な頭髪や服装等を制限することで生徒に対して学習や運動等に注力させ、非行行動を防止するという目的」は正当なもので、生徒をよりよい方向に導くためのものであることが明示されています。
③「校則」の内容は、生徒の実態によって決まるということ。
これは端的に言うと、多くの生徒が決まりを守ることができる学校は「校則」が少なく、決まりが守れない学校は「校則」が多くて細かい、ということです。つまり、生徒の実態によって、「校則」による規制の程度が決まるわけです。裁判の判例においても、各学校によって「校則」の内容に差があることを容認しています。また、その具体的な基準は、「最終的には中学校校長の専門的、技術的な判断に委ねられるべき」であることが明示されています。
以上のような「校則」に対する基本的な考え方を押さえた上で、「校則」の見直しに関する本校の取組についても言及したいと思います。本校では毎年12月に生徒会執行部と生徒指導部(教員)が協議を行い、「校則」と「生徒指導マニュアル(違反したときのペナルティ)」の内容について見直しを行っています。その結果、来年度から「校則」をいくつか変更します。多くは生徒の要望に添って緩める方向ですが、なかには元の規定に戻して禁止するものもあります。再び禁止するものは、頭髪の「ツーブロック」です。2年前生徒会から「ソフトツーブロック」を認めてほしいという要望があり、基準を生徒全員で守るという約束で認めました。しかし、度々違反者が出ていることや逆に基準が曖昧で分かりづらいという意見が今回生徒会からでされましたので、元通り「ツーブロック禁止」としました。「校則」の変更点については、先日の「生徒総会」で全校生徒に周知するとともに、本日別紙で保護者宛文書を配付していますのでご確認ください(新入生には新入生説明会にて資料配付済み)。また、「校則」と「生徒指導マニュアル(ペナルティ)」については、今後HPにも掲載します。
最後に、下のグラフは、毎月全校生徒対象に調査している「学校生活・いじめアンケート」の質問項目に対する回答をデータ化したものです(12月分)。この結果からも、現在本校が規律のよい学校であることがわかると思います。学校を建て直すのは多くの時間と労力を費やしますが、崩れるのはあっという間です。退職するに当たって、今後もこの規律ある学校が維持・発展しますように、保護者や地域の皆様に協力をお願いいたします。4年間、ありがとうございました。今後とも那珂川北中学校をよろしくお願いします。
祝! ポスター 国土交通省事務次官賞受賞
令和4年度「土砂災害防止に関する絵画」において、全国から3,994点の作品が寄せられる中、見事2年生小野來春さんが優秀賞に入賞(国土交通省事務次官賞)を受賞しました。
【小野さんのコメント】
壊れたもの、土砂、それと光の当たり方など、災害がリアルに見えるように工夫して書いたので、受賞できてとてもうれしかったです。この受賞を自信に、来年もまた挑戦したいと思います。
第19回 卒業式
3月10日(金)、第19回卒業証書授与式が行われました。今年度も簡略化した内容で行われた卒業式でした。卒業生代表の答辞では、前生徒会長の奥彩華さんが、この3年間の思い出を振り返るとともに、同級生、先生、保護者への感謝の思いを述べてくれました。昨年と違うのは、最後に、3年生全員で式歌を斉唱したことです。これまで、音楽科の羽廣先生にも何度も指導していただき、練習してきた式歌を、気持ちを込めて歌っていました。3年生がすがすがしい表情で卒業できたのは、これまで、保護者の皆様、地域の方々の支えがあったからだと思います。本校の教育活動にご理解と多大なご支援をいただき、ありがとうございました。
答辞<途中抜粋>卒業生代表 奥 彩華
思い返してみると、この3年間はあっという間に過ぎてしまいましたが、私達にとって、とても充実した、かけがいのない3年間でした。2年前の4月、新型コロナウイルスの影響により、私達の学年は入学式がなく、分散登校から始まりました。そして、初めて皆に出会えたのは5月の中旬。初めて中学校に登校してきた日、期待と不安に胸を弾ませ、恐る恐る正門をくぐったことが、昨日のように思い出されます。(中略)
今思い返すとこの3年間、仲間と多くのことに挑戦し続け、たくさんの経験を積みました。「笑い合ったこと」、「泣いたこと」、「苦しかったこと」、どんな時も側にいてくれたのは、ここにいる169名の「仲間達」です。この学年だったからこそ、壁にぶつかった時も互いに励まし合い、助け合いながら最後まで駆け抜けることができたのだと思います。私にとって、皆は最高の仲間です。私がここまで頑張れたのも、かけがいのない日々を過ごせたのも、全て皆のおかげです。本当にありがとう。(中略)
この3年間を通して、最高の仲間やたくさんの人に出会い、充実した中学校生活を送ることができました。この那珂川北中学校で共に過ごした3年間は一生の宝物です。そして、中学校で培った「どんな事にも挑戦し、最後までやり抜く心」をもち、これから自分の夢や目標に向かって一歩一歩「前進」していきます。
後期学校関係者評価について
那珂川北中学校コミュニティ協議会でいただいた後期の学校評価をまとめました。学力以外の項目では、前期よりポイントを伸ばしています。毎日カップ全国2位を受賞したこと、立志式、出張授業、職業講話、接遇マナー講座などの取り組みが実施できたことが評価されました。
【学校評価における自由記述(抜粋)】
1、学力について(3.45点)
・今年度の学力向上は工夫された授業の結果ではないでしょうか。特に1年生は小学校で経験しないユニークな授業に刺激され、2年生はこれらの成果をふまえて本気でやる気を起こした成果だと思います。
・学習に対する心構えもよく、集中して取り組む姿が大変良かったです。どの学年も偏差値が下がらずにキープしていることは、生徒の自ら学ぶ力も身に付いてきている結果だと思います。
2、体力について(3.78点)
・相対的に体力向上は、すごいと思います。これは晴動雨読や北風走の成果だと思いますが、授業前の運動は思考力、記憶力の向上に効果があると言われており、これが学力向上にも成果として表れたのではないでしょうか。
3、自己実現力(3.27点)
・生徒と話す中では、夢や目標をしっかりと持っていると思うことはよくあります。目標達成には様々な方向性があることを、大人の私たち自身が知っておきたいです。自己評価能力の「学力」「体力」は何をするにおいても重要な心構えだと思います。その意識をもって、地域やその他のボランティアに臨んでほしい。
4、地域貢献力について(3.67点)
・地域貢献に対する意識は、中学生にとってとても大事なことだと思います。今回11月のクリーン作戦は中学生のみの実施でしたが、地域の方の参加協力も多く、特に通学路の清掃作業は道行く地域の皆さんともふれあい、とても好評でした。
4月~5月の主な予定
※当面のスケジュールについては、HPトップでご確認ください。
学校からの連絡
【年度当初の健康観察フォーム回答について】
令和4年度の始業式は4月7日(金)です。当日は、3月までのクラスで入力してください。10日(月)から新クラスでの入力をお願いします。
【令和5年度入学式について(変更点)】
来賓は那珂川市教育委員会、学校運営協議会、PTAから1名、市長及び県、市議会員若干名参加することとなりました。
【4月1日以降の学校におけるマスク着用について】
生徒のマスク着用については、原則として本人または保護者の判断となります。また、教室の換気、健康観察の徹底など、一定の感染対策を講じた上で、教職員についてもマスクの着用を義務付けないこととなります。