「通常学級における特別支援教育について」

校長 古澤 裕二

先日行われた「北風走大会」は、晴天にも恵まれ、1・2年生が一生懸命に走る姿や応援する姿が見受けられました。また、3年生は、高校受験に向けた確定届の提出や校内推薦委員会の開催など、入試に向けた動きが慌ただしくなってきました。

さて、「特別支援教育」と言えば、発達障害の種類や程度等に応じて、きめ細かな指導や支援を行うことを指します。「特別支援学級」における指導や支援と思われがちですが、実際には通常学級にも特別支援教育を必要とする発達障害の生徒が在籍しています。文部科学省は2012年、通常学級に在籍する全国約5万3800人の小中学生を対象に、発達障害の有無を調査しました。その結果、知的発達に遅れがなくても、学習面や行動面に著しい困難を示す児童生徒は全体の6.5%、40人学級で言えば2~3人が発達障害の可能性があると言われています。

発達障害は、生まれつきの脳の障害のために言葉の発達が遅い、対人関係をうまく築くことができない、特定分野の学習が極端に苦手、落ち着きがない、集団生活が苦手、といった症状が現れる障害の総称です。症状の現れ方は発達障害のタイプによって大きく異なりますが、主な障害の種類と特性は次の通りです。

【自閉スペクトラム症】

コミュニケーションの場面で、言葉や視線、表情、身振りなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手です。また、特定のことに強い関心をもっていたり、こだわりが強かったりします。また、感覚の過敏さを持ち合わせている場合もあります。

【注意欠如・多動症(ADHD)】

発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)といった特性があります。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もあります。

【学習障害(LD)】

全般的な知的発達には問題がないのに、「話す」「聞く」「読む」「書く」「計算する」「推論する」など特定の学習のみに困難が認められる状態をいいます。

発達障害による症状は薬などである程度抑えることができるものもありますが、根本的な治療は難しいとされています。また、本来幼少期または学童期から症状が現れるため、早期発見・早期対応されることが望まれます。しかし、実際には保護者や教師等の周りの大人が見逃すケースも多く、「変わり者」「怠け者」等と誤解され、本人の自尊感情が著しく低下する「二次障害」を引き起こす場合も少なくありません。

発達障害については、マイナスイメージを持たれがちですが、多くの著名人や歴史上の人物も発達障害であることが指摘されています。例えば、トム・クルーズやスティーブ・ジョブズ等、挙げればきりがありません。トム・クルーズは「ディスレクシア(「読み」「書き」に限定した困難さをもつ障害)」で、台詞を録音してもらって覚えているというのは有名な話です。スティーブ・ジョブズは、周囲の感情に無頓着でこだわりが強い「自閉症スペクトラム」の特徴を有していました。発達障害は、困難さや不得手な部分がある反面、特出した才能を有する場合も多くあります。また、自分の困難さや不得手な部分を補っていく方法を知ることで、うまく対応できる場合も少なくありません。さらに、それ以外の一般の人々でも、程度の差こそあれ、何らかの不得意分野があったり認知の偏りがあったりするものです。そのため、発達障害を「支援を必要とする個性」ととらえてはどうでしょうか。

本校では、毎年5月に「スクリーニング」を実施しています。これは、担任や副任など複数の学年教員によって、気になる生徒をチェックリストを用いてピックアップしていくことです。また、那珂川市特別支援教育センターの専門家と連携して、定期的に授業の様子を見に来ていただいています。そこで、本校の担当者と特別支援教育センターの専門家とが協議した上で、保護者との連携が必要な場合には家庭連絡を行っています。その後、保護者の了解を得られれば、「WISC(ウイスク)検査」を実施します。「WISC検査」は、その子の「得意な部分と苦手な部分」を把握でき、「その子にとってより良い支援の手がかりを得る」ことを目的として行う検査です。その結果を、保護者と教師が共通理解し、当該生徒に対応していくことになります。場合によっては、医療機関を受診してもらうこともあります。

これらの取組は、子どもの特性を把握するためにとても重要なものです。子どもの特性が把握できなければ、教員はなぜ指導が上手くいかないのか不安を抱えながら指導に当たり、一方生徒もいつまでも困り感を抱いたまま学校生活を送ることになってしまいます。したがって、保護者や教師が発達障害に対する認識を深め、早期発見に努め、家庭と学校、専門機関と連携しながら早期対応していくことが求められるのです。本校の取組以外でも、ご家庭でお子さんについて気になることがあれば、本校や特別支援教育センター等への相談をよろしくお願いいたします。

【連絡先】

  • 本校であれば、電話953-7887まで(担当:特別支援コーディネーター 中島由起)
  • 那珂川市特別支援教育センターあれば、電話092-953-2828まで

藤井菜々子選手からサインをいただきました

12月15日(水)、東京オリンピックに出場した、本校卒業生の藤井菜々子選手のお母様が来校されました。東京オリンピックに出場するにあたり、本校の在校生から応援していただいたお礼ということで、藤井選手直筆のサインやお礼状、日本陸上競技連盟の記念絵皿(オリンピック出場選手・スタッフのサイン入り)をいただきました。ありがとうございました。

北風走!応援ありがとうございました!

12月11日(土)、校内駅伝マラソン大会「北風走大会」を開催しました。当日は、晴天にも恵まれ、絶好のマラソン日和でした。今回の北風走では、運動が得意な生徒は順位やタイムを目標に、苦手な生徒は完走することを目標にするなど、一人一人にあった目標を設定して頑張ってほしいと思いましたが、実際に生徒の皆さんの一生懸命に走る姿や応援する姿が見られて、大変意義のある大会になりました。

閉会式で、達成感を味わったかどうかを生徒に尋ねたところ、全員が達成感を味わったと挙手してくれました。近年、マラソン大会を実施する学校も少なくなり、子どもが「きついこと」「しんどいこと」を敬遠する風潮がありますが、それを乗り越えた時の達成感や充実感を味わわせることが、人の成長にとってとても大事なことだと思います。

大会の成績は以下の通りです。たくさんの保護者の応援も生徒の励みになったと思います。応援ありがとうございました。

【マラソンの部】

1年男子:1位 安藤煌記、2位 山内翔太、3位 板橋空歩

1年女子:1位 福住心菜、2位 岡林 舞、3位 小野來春

2年男子:1位 永野魁貴、2位 石原玄大、3位 村上竜太

2年女子:1位 西野柚華、2位 大嶋菜々美

3位 川村琳梨杏

【駅伝の部】

(1年):1位 5組、2位 1組(2年):1位 3組、2位 2組

区間賞

1区 甲斐心寧(女子最高記録)6分00秒

2区 天保櫻介(男子最高記録)5分06秒

3区 能登美有  4区 森心ノ丸  5区 江田ひより

6区 オミレ瑛人

【総合の部】

(1年):1位 5組、2位 1組(2年):1位 3組、2位 2組

筑前地区新人駅伝 学校代表で挑みます

1月8日(土)に博多の森陸上競技場周回コースにて筑前地区新人駅伝大会が行われます。この大会は、那珂川北中学校オールスターメンバーで挑みます。北風走のタイム上位者を招集しタイムを計り、その中から代表メンバーを決定しました。メンバーは以下のとおりです。

 

やまもも杯(タイピングコンテスト)

12月21日(火)の6時間目に、タイピングコンテスト「やまもも杯」が行われました。那珂川市の小・中学生が5分間で入力できた文字数を競うものです。

本校では、先週から晴動雨読の時間に、P検(ICTプロフィシエンシー検定試験)のタイピング練習のWEBペ-ジを使ってタイピングの訓練をしてきました。この日はその成果を発揮し、各自高得点を目指しました。5分間真剣にタブレットに向かい、無事最高得点をとることができた生徒もいました。その結果、校内の優勝者は、1年5組安藤煌記くんで、「649文字」でした。

 

学校からのお知らせ

※HPトップの「今後のスケジュール」をご覧下さい。

※ソフトボール部廃部についてのお知らせ

○現部員は3名で、那珂川中との合同チームとして試合や平日練習を実施。来年度の新入生への調査では、本校ソフト部への入部希望者はゼロ。

【那珂川市教育委員会の方針】

○現部員については、今後も合同チームによる試合出場や平日練習を認める。ただし、その後は、ソフト部入部を希望する生徒には区域外就学を認め、那珂川中へ入学させる。

那珂川市では、通学区域内の中学校に希望する部活動が「ない」場合には、区域外就学を認める方針です。

以上のことから、検討を重ねた結果、廃部を決断した次第です。現部員やOB、その保護者の皆さんにとっては、大変残念だと思いますが、ご理解の程よろしくお願いします。