「新年度のスタートにあたって」 校長 佐藤 茂史

4月から本校の校長になりました佐藤 茂史です。平素より、本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。さて、私事ではございますが、昨年度までの2年間、本校にて教頭として勤務してまいりましたが、このたび自校昇任により、校長に就任いたしました。これまで同様、生徒一人ひとりの成長と、安心して学べる学校づくりに全力で取り組んでまいります。地域やご家庭との連携を大切にしながら、教職員一同、力を合わせてよりよい学校運営に努めてまいりますので、何卒、変わらぬご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

さて、4月9日に入学式を迎え、166名の新入生が入学してきました。全校生徒508名全員が揃い、新年度が本格的にスタートしました。今年度の教育目標も昨年と同様に「人間力を身に付けた、地域を担う生徒の育成」として教育活動を進めていきます。人間力とは、「学力」「体力」「自己実現力」「社会貢献力」といった人間としての総合的な力です。

その人間力を作り出すために、生徒に「やる気サイクル」をつくりだすことが本校の教育の大きな特徴です。これは脳科学に基づいたものです。人間は目標を設定し、目標達成に向けてくり返し努力し、最終的に目標を達成すると「達成感」を味わいます。すると、ドーパミンという脳内物質がでてやる気が湧き、さらに高い目標を達成しようと努力します。このように「目標→努力→達成→さらに高い目標→努力→達成・・・」といったサイクルができあがります。努力して何か成し遂げたときに「やったー」と思った経験があると思います。このサイクルを身に付けることにより学習面、体力面だけなく、社会に出ても様々な面で能力を高めることができます。

 このようにドーパミンによる作用をうまく活用して、「やる気サイクル」をつくることこそ、人間が能力アップする上で最も大切なことだと考えます。この原理を本校では「鍛える教育」と呼び、これに全ての教育活動を通して行うことで重点目標の達成を目指します。

重点目標に対する具体的な取組は、次のとおりです。

【学力の向上について】             

◆課題達成学習の実施

各教科の授業時間を45分とし、授業の中で何ができるようになればよいかを明確にし、「できた」という達成感を味わわせる課題達成学習を行います。

◆エブリディ学習の実施

45分授業でできた余剰時間の30分間を学力定着のためのエブリディ学習の時間として活用し、復習問題や週テスト、習熟度別学習を行います。

◆那北中サクセスノートの活用

生活ノートと自学ノートの両方の機能をもち、学習・運動時間等日々の努力を記入していく(努力の見える化)、本校独自のサクセスノートを活用していきます。今年度は、課題達成学習やエブリディ学習と連動させ、自律的に自ら自主学習にのぞむ意欲を高める工夫をしていきます。

◆各補充学習の充実

学力診断テスト前に課題別の選択授業を行うことで苦手分野の克服を目指したり、長期休暇中に教科の補充学習を行ったり、今年度もさまざまな形で補充学習を行うことで、生徒全員の学力保障に力を入れていきます。

【体力の向上について】             

◆晴動雨読の取組

通常朝自習を行う時間に、「晴れたら運動」「雨だったら読書」を行います。運動については、朝の適度な運動が「やる気」「集中力」「記憶力」を高め、「うつ傾向」「ストレス」等を軽減することがわかっています。また、朝読書の時間には「英語の多読」を取り入れます。他にも保健体育の時間において、HIIT(高強度インターバルトレーニング)を取り入れていきます。

【自己実現力の向上について】          

◆啓発的な体験活動

体験活動の実施を1年生で「職場体験」、2年生で「高校体験」を実施します。また、さまざまなキャリア教育講演会を実施し、生徒のキャリア形成の支援を行います。

◆系統的な進路学習

学活の時間を活用して、年に10時間程度の系統的な「進路学習」を行い、そのデータを「キャリアパスポート」という名称で蓄積していきます。また、本校独自のサクセスノートの「キャリアプランニングシート」を活用し、将来の夢や目標、目指す生き方などについて考えを深めさせていきます。

【社会貢献力の向上について】          

◆地域貢献活動の充実

地域ごとの生徒組織「部伍会」を中心に、地域貢献活動をさらに活発化し、生徒達が各区のボランティア活動に積極的に参加できるようにします。また、実働に関する話し合いを行うために、生徒代表(部伍長・副部伍長)・地域代表(各区長様)・担当教員からなる「那北中コミュニティ・スクール推進委員会」を定期開催します。

◆大人参加型授業「なきた塾」の実施

2,3年生の選択授業として、大人参加型授業「なきた塾」を実施します。地域からゲストティーチャーや受講生を募集し、地域の方々と一緒に学び、様々な活動を行っていきます。

今年度より、「自ら学ぶ力を育む教育」の実現に向けて、自律的な学びの推進に力を入れてまいります。社会の変化が激しく、将来の予測が難しい時代においては、知識を得るだけでなく、「自分で課題を見つけ、考え、学び続ける力」がこれまで以上に求められます。そのため本校では、生徒一人ひとりが自分自身の学びに責任を持ち、主体的に取り組む姿勢を育てることを目指し、職員の研修を充実させていく予定です。また、引き続き人権同和教育の推進にも力を注ぎ、差別や偏見をなくすために、身近なところから行動に移す力、そして正しい知識と勇気をもって、自分や他人の人権を守る行動ができる力を生徒に育んで参ります。

これから、1年間、生徒達のさらなる成長を目指し教育活動を展開して参ります。どうぞご協力のほどよろしくお願いします。

【令和7年度 離任並びに赴任された先生方】

春の人事異動により、本校を離任された先生、並びに本校に赴任された先生方を紹介します。新たに本校教職員として赴任された先生を加え、本年度も全教職員一丸となって子どもたちの成長に携わってまいります。

【離任された先生】

平野 善浩 先生(校長)  太宰府市教育委員会
安武 陽介 先生(英語)  那珂川南中学校 ※教頭に昇任
野々下 英二 先生(数学) 那珂川南中学校
羽廣 周平 先生(音楽)  中村学園女子高等学校
高瀬 淳一 先生(国語)  御陵中学校
森下 秀斗 先生(保健体育) 天拝中学校
熊手 健治 先生(保健体育) 福岡常葉高等学校
平嶋 瑠唯 先生(国語) 福岡市立能古島小中学校
北島 廣野 先生(理科) 筑紫野中学校
森光 貴裕 先生(英語) 大野東中学校
坂本 楓 先生(図書司書) 新宮小学校
銭盛 華世 先生(支援員) 那珂川市役所

【赴任された先生】

森本 康資 先生(教頭) 大野中学校
畠中 利加 先生(国語) 那珂川南中学校
河原 千草 先生(数学) 那珂川南中学校
馬場 裕樹 先生(社会) 筑紫野中学校
池田 安那 先生(音楽) 筑紫野中学校
花田 千聖 先生(保健体育) 天拝中学校
古屋 朋希 先生(理科) 新任
𠮷田 遥華 先生(保健体育) 新任
茨 楓香 先生(国語) 新任
竹下 幸代 先生(英語) 岩戸北小学校
安藤 紀子 先生(図書司書) 新規
岩田 みゆき先生(支援員) 新規

1年生、中学校生活のスタートをきりました!

【第22回入学式】9日(水)、真新しい制服に身を包んだ新入生166名を迎え、本校第22回入学式を挙行しました。この日は暖かな陽気に恵まれるとともに、桜の花も満開に咲き誇り、新入生の中学校入学を祝うに相応しい1日でした。

式に臨んだ新入生は、多少緊張した面持ちでしたが、姿勢良く立派な姿で式に臨むことができました。また、新入生代表として山内誠人さんが壇上で「誓いのことば」を立派に述べることができました。さらに式後には所属学級の教室に入って担任の先生と出会い、互いに紹介し合ったり学校生活について説明を受けたりして、中学校生活初日を迎えました。

現在、すでに中学校での授業や部活動も始まり、この数週間で少しずつ中学校生活にも慣れてきたようです。まもなく5月を迎え、中学校生活最初の大きな学校行事「体育会」を迎えます。この取組・経験を通して、心身ともに大きく成長できることを期待しています。

【キャリア教育講演会】

本校では毎年4月に『キャリアアップ週間』を設け、効果的な学習の仕方について学ぶ「学びナビ」、「小学校の総復習」、「高校の先生による講演会」を通して、家庭学習の方法を学んだり小学校の既習内容を復習したり、将来の生き方や進路に関するモチベーションを高めたりしています。このうち、1年生は23日(水)に私立博多高校(福岡市東区)原田美紗先生を講師にお招きし、1年生を対象とした「キャリアアップ講演会」を実施しました(右)。

 

 

 「一瞬の感動を人生の出会いに」と題して、講師・原田先生ご自身の中学・高校生時代の経験をもとに、「物事に素直に向き合おうとする姿勢をもつこと」「自分にとっての『憧れ』を見つけること」「憧れに願望を加えることで確固たる信念をもつことができること」等、これからの自己の人生を開拓するうえで大切な心構えについて学ぶことができました。これをきっかけに、1年生がより前向きに今後の生活に臨むことができるとともに、心身ともにたくましく成長できることを期待します。

 

【熱中症に注意を】

急激に気温が上昇するこの時期に懸念されることのひとつが「熱中症」―今年の夏も例年同様に暑くなりそうです。ご家庭でも「睡眠時間を確保すること」「朝食をしっかりと摂ること」に心がけていただくとともに、お子さまの健康状態の把握に努めていただければ幸いです。