「英語が上手になるには」 校長 平野 善浩

9月になっても35度以上の気温が続いていましたが、やっと涼しくなってきました。涼しくなるのをこんなにも待ち遠しく思ったことはなかったような気がします。これも地球温暖化の影響でしょうか。10月1日(火)は3年生にとって進路決定に重要な指標となる「学力診断テスト」が行われます。翌日の2日(水)は前期終業式です。今年度も折り返し地点です。

毎年9月の学校通信のテーマは「英語教育」です。先日、9月21日に40名のALTを招いてEnglish Eventを開催しました。(私も下手な英語ですが、オープニングの挨拶をさせてもらいました。)このイベントは、生徒が多くの国の方々とコミュニケーションをする機会を設けることで、英語への興味・関心を高めてもらおうと始めました。今年で4回目を迎えるEnglish Eventは、英語科の遠藤先生の企画により大幅にリニューアルしました。昨年までは教室で自己紹介やクイズなどの活動をしていましたが、体育館に「ファーストフードショップ」「占い」「レストラン」「旅行会社」などの模擬店を設け、生徒がALTと会話するワークショップ形式となりました。ALTの先生方からも非常に好評で、生徒とのコミュニケーションを楽しんでいる様子が見られました。はじめは緊張していた生徒も、徐々に恥ずかしがらずに自分の英語力を駆使して会話している姿が印象的でした。とにかく、実際に英語を使うことがとても大事なのです。

昨年の学校通信9月号に、私が大学4年生の時、私自身が英語もろくに話せないままオーストラリアに渡り、農場で働いたり自転車で旅をしたりと、一年間海外で生活をしたことを書きました。中高生の頃、英語がまったく分からず、高校時代は赤点ばかりで留年の危機にも陥った私の英語力。1年間のオーストラリアでのサバイバルを経て、どうにか外国で生きていけるだけの英語力を身につけました。それは、「生きていくために必要」だったから必死になった結果だと思います。私の場合、そうしないと、日本での英語学習だけでは無理だったと思います。オーストラリアでの最初の数ヶ月、各国のバックパッカーが集まる安宿に泊まっていました。そこで、英語がろくに話せない私を気にかけてくれたイギリス出身のマークという青年がいました。彼は簡単な英語を教えてくれたり、パブに連れて行ってくれたりと、いろいろと私の相手をしてくれました。彼に「英語が上手くなる一番いい方法は何?」と聞いたところ、彼は「それは…オーストラリア人の彼女をつくることだ!」と答えました。「それが一番難しいやろ!」と思いましたが、他の人に同じ質問をしてみると、そのように答える人が多かったように感じます。また、実際に運良くそのような彼女(日本語は話せない)ができた人は、ものすごく英語が上達していました。彼女ができれば必ず何かを伝えなければならないし、黙っていてはすぐに関係が終わります。要は、英語を話さなければならない必然性が大事だということでしょう。その後、東南アジアを旅していたとき、観光名所で英語が上手な物売りの少年をよく見かけました。会話は上手でも、彼らは英語を書くことができない少年ばかりでした。なぜそんなに英語が上手なのかと少年に聞いてみると、観光に来ている人との会話の中で英語を学んでいるようでした。彼らにとっては生活がかかっていることもあるし、とにかく多くの外国人と英語を使ってコミュニケーションをした経験が、英会話力を高めたのだと思います。

そう考えると、今回のEnglish Eventは、英語を使わなければいけない状況が盛りだくさんに仕組まれたものでした。生徒を見ていると、身振り手振りで英語を話し、それが伝わったときの喜びはひとしおのようでした。このように、学校にいながらも「英語でいろんな国の人と話せることはこんなに楽しいのだ!」と、生徒たちにも実感してもらえたのではないかと思います。

本校は特に学力・体力向上だけでなく、英語教育にも力を入れています。本校の英語科授業では、年間を通して教科書を一通り学ぶのではなく、教科書を5回繰り返す「5ラウンド」という方法を取り入れています。1回目は「リスニング」、2回目は「聞いた音から単語や短文を正しい文に並べ替える」、3回目は「音読」、4回目は「穴あき音読」、5回目は「リテリング(教科書の内容を自分の言葉で伝える)」という具合で、「話す」「聞く」の活動を中心に行っています。本校では、この「5ラウンド」の原則を踏まえつつ、生徒の実態に合わせてアレンジを加えながら実施しています。「文法」の説明には極力時間を割かず、授業中に間違った英語を使っても大丈夫です。従来の英語学習では、英語の文法説明に時間をかけすぎ、実際に「話す」「聞く」の活動時間が少ないことが短所でした。また、そうなると文法を気にしすぎてしまい、次第に話さなくなってしまいます。こうした文法中心の英語学習が、生徒を英語嫌い(まさしく私がそれでした)にしてしまう傾向がありました。

これからの社会では、英語でコミュニケーションできることは大きなアドバンテージになります。へたでも構いません。とにかく英語を使いましょう!福岡には海外からの旅行者がかなり増えています。旅行者で困っている人を見たら、積極的に話しかけましょう。那北生ならできるはずです!

イングリッシュ・イベント(9/21)

9月21日(土)にEnglish Eventを実施しました。本年度で4回目となるこの取り組みですが、今回も約40名のALTの先生方にご協力いただきました。今年度は、教室ごとではなく、体育館にてワークショップ形式で行いました。生徒は『旅行代理店』『ファーストフードショップ』『スーツケースショップ』『占い』『レストラン』といった場面での疑似体験を英語で行いましたが、笑顔で楽しそうに英会話に取り組んでいました。また、本年度は小学生の参加もあり、8名の小学生が来てくれましたが、小学生もとても楽しそうに英語活動に取り組んでいました。今回の成果と課題をもとに、来年度もまたよりよいEnglish Eventにしていきたいと思います。

夏休み課題テストの結果

9月に行われた、夏休み課題テストの結果をお知らせします。

1年生(グラフ中◆)は、4月の標準学力診断テストから1ポイント上昇し、「52」でした。特に理科が4月の学力診断テストから6ポイントと大きく伸ばしています。2年生(グラフ中▲)は、「53」から「55」と2ポイントも上昇しました。2年生は各教科ともポイントを伸ばしており、特に数学は4ポイントも上昇しています。3年生(グラフ◆)は、「54」から「53」となり、1ポイント下がりました。3年生はこれから進路選択にかかわる学力診断テストを10,11月に控えています。この結果を受けて、中学校では9月24日(火)に教科部会を開き、それぞれの教科で次の学力診断テスト(3年生は10月、1,2年生は11月)へ向けて学力向上の手立てについて検討しました。ご家庭でも夏休み課題テストの結果を踏まえて、家庭学習のご指導もよろしくお願いします。

吹奏楽部 九州吹奏楽コンクール出場!!

8月3日(土)に行われました第40回福岡県吹奏楽コンクールにおいて、本校吹奏楽部が金賞を受賞し、九州吹奏楽コンクール(8月24日福岡サンパレス)に出場しました!吹奏楽部は、昨年度まで3年連続で九州アンサンブルコンテストに出場するなど、毎年すばらしい結果を残しています。文化発表会では、吹奏楽部の演奏も披露されます。ぜひ、すばらしい演奏を聴きにきてください!

 

 

 

立会演説会・生徒会役員選挙(9/20)

9月20日(金)に令和6年度生徒会役員選挙が行われました。当初は体育館で立会演説会が行われる予定でしたが、猛暑のため、急遽放送室からのオンラインでの演説会にかわりました。急遽の変更にもかかわらず、それぞれの立候補者・応援演説者の生徒達は、自分たちの目指す学校の姿や自分が推薦する仲間のアピールを、緊張しながらも堂々と演説していました。当選した皆さんおめでとうございます。残念ながら落選した皆さんもその力をぜひ、生徒会のために役立ててほしいと思います。続けて専門委員長・副委員長の選考もありました。ぜひ、新しい生徒会執行部を中心に、「互いに高めあえる学校」を目指してほしいと思います。