「運動することは脳にとって効果大」 校長 平野 善浩

先日の第21回体育会の開催時には、多数の保護者の皆様のご参観ありがとうございました。コロナが明けても体育会の開催が午前中のみという学校が多い中、本校は1日開催で生徒も大変だったと思いますが、一生懸命頑張ってくれました。体育会当日は、結果がどうであれ、一生懸命に頑張る生徒の姿が見られたことだと思います。生徒はきつい思いもしたと思いますが、体育会を通して成長できたことは大きな成果だと思います。体育会で得たことを、中間考査や中体連大会へと活かしてほしいと思います。

さて、体育会が終わり、「晴動雨読」の取組が5月27日から始まりました。「晴動雨読」とは「晴耕雨読」という言葉をもじったもので、朝晴天時には10分間の運動、雨天時には20分間の朝読書(英語の多読も)を行う取組です。本校では5年前から実施しています。この「晴動雨読」が、本校の体力づくりの要になっており、一昨年度、昨年度の「全国体力つくりコンテスト」全国上位入賞の大きな要因になったと考えています。特に初めて体験する1年生は「なんで朝に毎日運動するの??」と思うかもしれません。しかし、朝運動することは、体力がつくだけでなく、学力、そしてメンタルヘルス(精神的な安定)にもつながるのです!

「晴動雨読」はハーバード大学レイティ教授の著書「脳を鍛えるには運動しかない」に記述されている理論にもとづいて行っています。アメリカのある地域では不思議なほど高得点をとっている地域があり、この原因を明らかにしようとしたアメリカの教育関係者たちは、他地域と何が違うのかすぐに調査に乗り出しました。違いはたった1つだけ、授業前に運動(早朝ランニング)を行っていたことだったのです。現在では、適度な運動を行うことが、脳によい作用を及ぼすことが解明されています。また、「スマホ脳」等ベストセラーの著書で有名な、スウェーデンの精神科医のアンデシュ・ハンセン氏は著書「メンタル脳」の中で、次のようなことを書いています。スウェーデンのある中学校は、全教科落第せずに卒業する生徒は、全体の3分の1しかいない状況でした。その問題を解決するために、校長は新しい対策を試しました。それは、週2回の体育の授業以外にも生徒が毎日体を動かせるようにすることでした。具体的には「毎日30分の運動の時間を組み込むこと」でした。その30分間は最大心拍数の65%~70%(一般の中学生ならば約130拍/分)、競わなくてもよく結果を出さなければいけないというプレッシャーは与えませんでした。その取組を2年間続けた結果、1教科も落第せずに卒業する生徒が倍近くに増加したという結果が得られました。

学力が上昇したことも大きな成果でしたが、もう一つ大きく変わったことがありました。それは「生徒達の精神状態」でした。以前ほど、ストレスや不安を感じなくなり、自信がついた生徒が増加したそうです。他の実験でも、心拍数の上がる運動は子どもでも大人でも不安を抑えるのに効果があるという結果が出ています。他にも「どんな種類であれ、運動がその人を不安から守る」と言うことも分かっています。他にも運動すると、食欲も湧いて、睡眠の質も上がります。つまり「運動をしない理由はない」のです。・・・・・・とこのようにアンデシュ・ハンセン氏は著書で述べています。(この「メンタル脳」という本は中学生でも読める内容になっています。興味のある生徒は是非読んで見てください)

本校でも、晴動雨読が始まってからこの5年間で「学力」が向上して、筑紫地区でも上位に位置するようになりました。もちろん運動ばかりがその要因ではないと思いますが、日常的に運動する環境は学力が伸びた大きな要因の一つだと考えています。(ちなみに、朝運動をするためか、本校の給食残食率は他校と比べて圧倒的に少ない)走りたくないな・・と思っている生徒もいると思いますが、自分のペースでも良いので頑張ってみてください。(とにかく自分なりに心拍数を上げましょう!)私も一緒に走るので、ついて来られる生徒は頑張ってみてください(私は1km5分のペースで走ります)。運動は、体も健康になり(美容にも良い)、学習への集中力も高まり、また精神的な不安も改善してくれます。運動を生活に取り入れるのは良いことだらけなのです。

6月10日(月)には昨年から来ていただいているスポーツインストラクターの指導により、学年毎に体育館でエクササイズ教室が行われます。1年生はベーシックな内容、2,3年生はレベルアップして、コンバット系のエクササイズがあります。本校で運動する楽しさを感じて、運動を習慣にする生徒が増えてくれればうれしいです。

4月学力診断テストの結果 

4月12日(金)に行われた、学力診断テストの結果をお知らせします。1年生の偏差値は「51」と福岡県の平均を少し上回りました。2,3年生の偏差値はともに「53」です。2月の成績では、3年生が57、2年生が55でしたので、それぞれの学年が下がってしまいました。本校の特徴として、長期休暇明けのテストは全体の結果が下がる傾向があります。家庭学習を中心とする長期休暇中の自主的な学習が不十分であることが原因の一つだと考えます。長期休暇は既習事項を復習できる絶好のチャンスです。長期休暇中にも学力を伸ばせるように、日頃の家庭学習の時間を確保すること(1,2年生は2時間、3年生は3時間)で、長期休暇中にしっかり自主的に学習できる力をつけてほしいと思います。

 

 

 

第21回 体育会の開催

5月19日(日)に、第21回体育会を開催しました。体育会スローガンは、「OVER THE TOP~唯一無二の感動を~」。今までの那珂川北中学校の体育会の歴史の中て゛最高の体育会を創り上げるという思いが込められたこのスローガンのもとに、ブロックリーダーや実行委員会、パフォーマンスリーダー、バックボードリーダーや種目責任者は体育会練習の始まる4月から準備してきました。教員もなるべくリーダーたちのサポートに徹し、生徒たちが体育会を自主運営できるようにしました。各リーダーたちもその期待に応えて、主体的に集団を動かし、仲間や後輩達を励ましながら12日間の練習に取り組んできました。

体育会当日は、それぞれの種目に精一杯取り組む姿や仲間を応援する声援、素晴らしい笑顔が見られました。午後にはバックボードのお披露目が行われ、各ブロックのバックボードリーダーが作品への思いを表現してくれました。そして、メインの種目となる男女の集団演技では、男子はHIITの要素を組み入れた集団演技を、女子は創作ダンスを披露しました。特に、男女の集団演技は昨年度から2,3年生が自分たちで創り上げてきた演技を、1年生に教えながら一つの演技を創り上げました。笑顔あふれ全員の息のあった女子のダンス、力強さと動きのそろった男子の集団演技。生徒たちの力ですばらしい体育会を作ってくれました。多くの生徒が大きな達成感や感動を味わっている姿が見られました。ご参観いただいた保護者の皆様、練習期間中の子どもたちへのサポート、並びに当日の熱い応援ありがとうございました。

大人参加型授業「なきた塾」オリエンテーション

23日(木)に大人参加型授業「なきた塾」オリエンテーションが行われました。「なきた塾」は、学校・家庭・地域が共に学び合う大人参加型授業を通して、地域の方々や保護者とのつながりを深めるとともに、目的を共有して活動を進める中で、それぞれのよさや頑張りを認め合い、高め合って目的を実現した時の達成感を味わうことを目的とするコミュニティ・スクールの取組です。「なきた塾」は、次のような3つの特徴をもった学習です。①18講座を開設し、2・3年生が興味・関心がある講座を選択し、異学年集団で学びます。②地域の方や保護者が、ゲストティーチャーや生徒とともに学ぶ受講生として本校の教育活動に参加できます。③通常授業は45分ですが、「なきた塾」は1時間で行います。

27日(月)に保護者向けの参加募集のプリントを配布しています。受講生としてだけでなく、それぞれの講座でゲストティーチャーとして参加していただける保護者の方々も募集しております。ぜひ、ご参加ください!

第1回部伍会

5月30日(木)に第1回部伍会を行いました。本校では、コミュニティ・スクールの取組として、社会貢献力の向上のために、生徒が地域行事に参加し、地域貢献活動を実施していきます。そのための地域ごとの生徒の集まりを部伍会と呼びます。その第1回目が行われました。地域担当主幹の奥田先生から部伍会の目的について説明が行われたあと、各部伍長(3年生)の紹介が行われました。その後、各部伍に分かれ顔合わせと1,2年生の代表決めを行いました。

7月に各区長さん達をお迎えし「那北中コミュニティ・スクール推進委員会(CS推進委員会)」を開催、各地区の夏祭りでのボランティア活動の具体的な打ち合わせを行います。今年度も、生徒たちが地域のボランティア活動に参加していきます。ぜひ、地域での子どもたちの活躍を応援してください。