「校則についての基本的考え方」 校長 平野 善浩
12月7日に行われた「北風走大会」は天候にも恵まれ、無事開催することができました。開会式で私が生徒に話したことは、「自分の目標を達成しよう!(他の人と比べない、とにかく自分に勝つこと)」それと「応援しよう!(応援は人にエネルギーをあたえる)」の二つのことでした。多くの生徒は自分の目標をクリアーし、大きな充実感を味わうことができたと思います。たとえ、目標を達成できなくてもそれに向けて全力で走ったことが大切です。私も6分以内という目標を全校生徒の前で宣言しましたが、記録は6分13秒と及ばず悔しい思いをしました。しかし、全力でがんばれたことで大きな充実感を得ることができました。生徒達の応援の声も良く聞こえていて、お互いが応援し合うという良い雰囲気の北風走大会だったと思います。また、たくさんの保護者からの応援もあったからこそ、生徒も全力で頑張ることができたと思います。沿道からの応援、本当にありがとうございました。
現在来年度へ向けて、校則の見直しを行っているところです。ということで、今回は「校則」について書きたいと思います。「校則」については、教育関係の記事でもよく話題になっています。特に「ブラック校則」という言葉はよく出てきます。そのため、中には、あたかも「校則」はいらない、なくしてすべて自由にしてしまった方が良い、という意見も見られます。しかし、生徒達が将来生きていく社会は、法律や様々なルールが存在していきます。そのため、学校教育においては、世の中に出ると何らかの秩序があるという感覚、何らかのルールが必要であるという感覚を育てていくことは大事なことだと考えます。(そうでないと平気で法律を破る社会人になってしまいます)
「荒れた学校」というのは規律がないがしろにされている傾向があります。どのような学校でも規律を回復させれば、学校が良い方向へと動き出します。自然に学力や体力が向上し、部活動でもよい結果へとつながっていきます。「規律」は学校教育においてなくてはならないものです。(生徒がしっかり前も向けず、人の話も聞けないような状態では、落ち着いた学校生活を送ることは難しい)もちろん、今の時代にそぐわない「ブラック校則」と言われるように、不合理ないきすぎた校則もあります。そこは社会通念に照らして「校則」は見直していかなければいけません。そこで、本校における「校則」の基本的な考え方について、以下のポイントを押さえておきたい思います。
①「校則」を設けること自体は、必要なことであるということ。学校は小さな社会です。社会においては様々な法的な規制があるように、集団生活を行う学校においてもルール(つまり校則)は必要です。学校において「ルールは守らないといけない」という規範意識を育てることはとても重要なことです。 また裁判所の判例においても、学校が「校則」を制定する権限を有することは明示されています。
②「校則」は生徒の権利を守り、よりよい方向へ導くためのものであること。「荒れた学校」つまり規律が乱れた学校ではまじめな生徒の権利が侵害され、学習活動に一生懸命頑張ろうとする雰囲気さえ乱れてしまいます。一部の生徒がわがままをやりだし、立場の弱い子が安心して学校生活を送れない状況が生まれやすいのです。結果的に、学校全体の学力は上がらず、生徒は進路面でも大きく不利益を被るようになります。「校則」は生徒を縛るものと考えられがちですが、生徒の権利を守るためのものです(法律が我々の権利を守ると同じように)。また、裁判の判例においては、「校則」によって「華美な頭髪や服装等を制限することで、生徒に対して学習や運動等に注力させ、非行活動を防止するという目的」は正当なもので、生徒をよりよい方向へ導くためのものであることが明示されています。
③校則の内容は、生徒の実態によって決まると言うこと。
端的に言うと、多くの生徒がきまりを守ることができる学校は「校則」が少なく、決まりが守られない学校は「校則」が多く細かい、ということです。生徒の実態により、「校則」による規制の程度が決まると言うことです。裁判の判例によっても、学校の実態によって「校則」の内容に差があってよいとされています。またその具体的な基準は、「最終的には中学校長の専門的、技術的な判断にゆだねられるべき」であることが明示されています。つまり学校を取り巻く環境や生徒の実態に応じた「校則」ということです。
本校における「校則」の見直しについては 現在、全校生徒から、本校の校則について意見を集め、12月中に生徒会執行部と生徒指導部(教員)が協議を行い、「校則」の内容について見直しを行っているところです。一昨年度はシューズの色や靴下等に関する規定が変わり、シューズの色は基本的には自由になりました。また、今年度から、女子の髪型の規定をゆるやかにしました。ご存じのように本校生徒は現在落ち着いており、「校則」をしっかり守れるようになっています。しっかり生徒が「校則」を守れる状況であれば、もっと規定の幅を広げても構わないと考えています(その反対に現在の「校則」をしっかり守れない状況であれば規定は厳しくせざるを得ません)。校則の見直しの結果については、「生徒総会」で全校生徒に周知すると共に、保護者あて文書を配布してお知らせします。また「校則」と「生徒指導マニュアル(ペナルティ)」についてはHPにも掲載します。現在の本校が、規律の良い学校となっているのは、生徒達が「校則」をしっかりと守ってくれるからこそです。学校を建て直すのは、多くの時間と労力がかかりますが、崩れるのはあっという間です。このまま規律ある学校を維持するためにも、保護者や地域の皆様にご協力お願いいたします。
毎日カップ「体力つくり」コンテスト 全国第7位
12月7日(土)東京の毎日新聞本社で行われた第38回 毎日カップ「中学校体力つくり」コンテスト 表彰式に、前保体委員長の宮田杏奈さん・髙井先生が出席しました。今年度は、『優秀賞』(参加校3827校中7位に相当)をいただきました。記念講演では、オリンピアンの谷本歩実さんが大切な5つの視点(①アスリートの覚悟②心の矢印③感謝を力に変える④チームづくりの壁⑤夢を叶える思考力)についての講話がありました。また、式後は、出席していた学校間での交流会があり、それぞれの学校での取り組みの詳細を知ることができました。毎日カップは、今回で終了になりますが、今後も那北で晴動雨読を中心に、体力向上の取り組みを継続していきたいと思います。
北風走大会(校内駅伝マラソン大会)
12月7日(土)に第5回北風走(校内駅伝・マラソン大会)が開催されました。天気にも恵まれ
、全校生徒が限界に挑みました。各学年ごとに男女マラソンの部がスタートし、その後各クラス代表6人で構成する駅伝の部が行われました。速さだけでなく最後まで諦めずに走る姿や、仲間同士で励まし合う姿が多く見られ、感動的な一日となりました。晴動雨読や保健体育の授業で練習してきた成果が発揮され、多くの保護者の方々の応援もあり、多くの生徒が自己ベストを更新していました。練習期間を通して「努力することの大切さ」を知り、本番では「達成感」を味わえたのではな いでしょうか。昨今、子どもたちがきついと感じることへのチャレンジを大人が故意にさけさせようとする風潮もありますが、きつい思いをしながらも壁を乗り越えることの喜びや、多くの人々に応援してもらうことで感じる自己有用感は子どもたちの成長にとって欠かせないものだと思います。
来年もさらなる挑戦を楽しみにしています!また、寒い中ご声援を送ってくださった保護者の皆様、地域の方々の応援が生徒たちの大きな力となりました。運営にご協力いただいたPTA本部役員や地区委員の皆様、応援していただいた保護者の皆様、本当にありがとうございました。
キャリア教育講演会(卒業生講話)
12月7日(土)に本年度第2回目の卒業生講話を行いました。今回は、全校生徒を対象に、今年3月に本校を卒業した九州産業高校の高山真生さん、西南学院高校の金子優翔さんを講師としてお招きし、中学校生活で頑張っていてよかったことや、中学校と高校の違いなど、高校一年生という中学生と最も近い立場から話をしてもらいました。冬休みの時間の使い方や、スマホとの関わり方など、中学生にとって大変ためになる経験談を聞くことができました。受験前の勉強時間についての質問に対して、「受験へ向けて休日も10時間ほど勉強していた」と答えてくれたときは、中学生も驚いているようでした。先輩方に共通していたのは「自由に任されている部分が多い高校生活の中ですが、授業の進度も中学校と比べものにならないくらい速いため、自分の責任で学習を進めることが求められます」と答えていたことでした。受験を控えた3年生だけでなく、1,2年生にも大いに刺激となる講話でした。