校長先生の話
「数字が一人歩きするいじめ認知件数」
校長 古澤 裕二
先週23日(金)、生徒会認証式・交代式を行いました。旧生徒会執行部の皆さんにとっては、コロナ禍で例年より活躍の場が少なかったと思いますが、日常の取組で大変よく頑張ってくれました。ありがとうございました。
さて、先日新聞記事に「いじめ最多61万件、最多更新」という見出しが躍りました。これは、2019年度のいじめ認知件数のことで、2年前より20万件も増えています。校種別では小学校が約48万5千件、中学校が約10万7千件、高校が1万8千件で、小学校が全体の8割を占め増加傾向にあります。
いじめ認知件数がこんなにも多い理由は何か? それは、児童生徒本人が「いじめられた」と感じれば「いじめ」とカウントされるという、いじめの定義の曖昧さからきています。以前の定義では、「一方的に」「継続的に」攻撃され、「深刻な」苦痛を感じるものとされていました。つまり、「いじめ」に該当するものと、そうではないものとを区別していたわけです。
保護者の皆さんも、小・中・高校時代を思い出してみてください。集団生活をしていれば、お互いに多少の悪口やからかい等はあったのではないでしょうか。むしろ、そのような中で、人が成長していくという側面もあると思います。要は、「集団生活で起こりうる人間関係のトラブル」なのか、「あってはならないいじめに該当する行為」なのか、はたまた「暴力や恐喝などの犯罪行為」なのか、きちんと区別して対応していくことが大切です。また、人間関係のトラブルは長いスパンでとらえなければなりません。「いじめられた」と訴えてきた生徒が最初はいじめる側だったとか、お互いにやったりやられたりする関係だったとかいうことはよくあることです。一方的な言い分を真に受けると誤った指導に陥ってしまい、問題がこじれてしまいます。
文科省による定義の変更は、いじめが小さなうちに早期発見し、早期解決してほしいとの考えからでしょう。しかし一方で、様々な問題が起こっています。特に、いじめ認知件数の数字の大きさだけが一人歩きし、学校不信を招いてしまっている点は大きな問題だと感じています。また、大人がいじめの内容を区別していないために、児童生徒も「いじめ」とはどういうことかを理解できていません。さらに、いじめとなれば周りの大人がすぐに介入するため、子ども同士で人間関係を再構築する能力も育ちません。このいじめの定義の曖昧さは、九州各県のデータにも現れています。九州各県の児童生徒千人当たりのいじめ認知件数は、最多の宮崎県が122.4件、最少の佐賀県が13.8件と同じ九州なのに9倍近くの差になっています。
実際に記事をよく読むと、いじめの内容として最も多い「冷やかしや悪口(61.9%)」から、生命や心身に大きな被害を及ぼした「重大事態(723件、O.12%)」まで、レベルの違う内容が十把一絡げに同じいじめ認知件数としてカウントされています。しかも、いじめ認知件数を強調する割には、全認知件数のうち83・2%が解消したというのです。
ただ、記事の中で気になるのは、「インターネットやSNSでの誹謗中傷(2.9%)」という内容です。高校だけで見ると18.7%で2番目に多い内容となっています。各学校が「いじめ防止」に躍起になっても、インターネットやSNSによるものは把握しようがありません。昔に比べて、「いじめ」が表面化しにくくなったと言われる所以です。インターネットやSNSについては、是非ともご家庭でも注意喚起を怠らず、指導していただくようにお願います。
本校では、生徒会認証式・交代式等で、次のような学校を目指そうという話をくり返し生徒の皆さんに伝えています。
- 正義がまかり通る、ルールやマナーをきちんと守る生徒が評 価される学校。
- 何事にも一生懸命に頑張る、頑張る生徒が評価される学校。
- お互いに高め合う、仲間意識をもった生徒が評価される学校。
そのため、毎月行う「学校生活・いじめアンケート」の中でも、「学校生活」「家庭生活」の質問項目とともに、上記の3項目については毎回データをとっています(下グラフは9月の結果)。グラフを見ると、どの項目も「とても」「だいたい」が90%以上という比較的よい結果ですが、課題がないわけではありません。新生徒会執行部がスタートし、「TEAM SPIRIT」のスローガンのもと、今後も生徒同士のよりよい人間関係の形成やそのための能力の育成に努めていきたいと思います。
第17期生徒会執行部お疲れさまでした!
10月23日(金)、生徒会認証式・交代式が行われ、第17期生徒会から第18期生徒会へとバトンが渡されました。旧生徒会役員の皆さん、1年間学校のために尽くしてくれてありがとうございました!
【第17代生徒会 会長 佐野木菜生さんの言葉(抜粋)】
私たち第17期生徒会執行部が始動してから、約1年です。これまでの間、新型コロナウイルスの影響で約3ヵ月間の休校があったり、その後も体育祭をはじめ行事が行えなくなってしまったりと、思うように活動できないときが多くありました。ですが、だからこそ日常生活の1つ1つが大事で、あたりまえのことをあたりまえにできることの大切さを感じることができました。普段の生活を向上させるため、ここにいる執行部のみんながどんなことをしたらいいか、放課後など自分の時間を使って一生懸命に考えてくれて、それに今ここにいるたくさんの人が応えようとしてくれて、学校一丸となって良い方向に変えていこうとしてくれたことが私にとってはとてもうれしいことでした。最後に執行部のみんな、全校のみなさん、1年間本当にありがとうございました。
「晴動雨読」頑張っています!!
10月8日(木)から晴動雨読がスタートしました。朝自習の時間帯を使って、晴天時は運動(10分間のランニングや補強運動)、雨天時は読書を行う取組です(3年生は12月で終了)。朝、適度な運動を行うことは、体力向上だけではなく、脳の活性化による学力向上や精神の安定等に効果があります。3年生は部活動を引退してしばらく経っているので体力が落ちていないか心配でしたが、朝のランニングでは、受験勉強のストレスをぶつけるように一生懸命走っています。体育館では上体起こし、反復横跳び、握力強化、立ち幅跳びを行っています。
【晴動雨読 生徒の感想】
- 最初のほうは暑いし、きついし、大変と思っていました。何回か走っているうちに、自分のペースが分かってきて楽しいという気持ちがでてきました。
- 「晴動雨読」で思ったことは、「きついけど、体力がついて良い」と言うことです。朝のランニングでは走っているうちに、自分の最適なペースが分かってきました。体力がついてきたので、晴動雨読はとてもよい取組だと思います。
- 朝から走ると、スッキリ目が覚めて、1時間目の授業からしっかり集中できます。
- 遅刻する人が減ったし、朝からいい汗がかけます。着替えも速くなりました。
- 反復横跳びの記録がどんどん良くなってうれしくなります。もっと記録を伸ばしたいと思います。
- 体育館での運動で、筋肉がついて、部活でできない動きができるようになってきました。
- 立ち幅跳びのポイントを教えてもらい練習して、記録が伸びたときはとてもうれしい気持ちになれます。
筑紫地区新人体育大会の結果
- 野球部 1回戦 対春日南中3-0勝ち、2回戦 対平野中0-9負け
- ソフトボール 筑紫区3位→筑前大会出場 (決勝トーナメント)対御陵中8-1勝ち、対二日市中3-4負け、対大野中9-6勝ち
- サッカー 1回戦敗退(那北0-4太宰府東中)
- 男子テニス 筑紫区3位→筑前大会出場 (準決勝)対平野中1-2負け、(3位決定戦)対筑山中2-1勝ち
- 女子テニス 予選2位 決勝トーナメント1回戦敗退
- 陸上部(筑前大会)4名が県大会出場 川村瑠菜さん 共通女子1500m2位(5’00”91)、西野柚華 1年女子 100m4位(13’9)、森永真仁 共通男子110mH4位(17’96)、矢野虎汰朗 男子砲丸投げ5位(8m13)
- ハンドボール 11月21日(土)糟屋中学校にて筑前大会開催予定、28日(土)福岡市総合体育館にて県大会開催予定
- 男子バスケ ベスト6 (順位決定戦)対春日東中59-57勝ち、(5・6位決定戦)対学業院49-70負け
- 女子バスケ ベスト4 (決勝トーナメント)対那珂川中74-52勝ち、(準決勝)対大野東中49-107負け、(3位決定戦)対筑紫野南中58-80 負け
- 男子バレー ベスト6→筑前大会出場 (決勝リーグ)対学業院中0-2負け、敗者復活戦)対那珂川南中2-0勝ち、(5・6位決定戦)対二日市中0-2負け
- 女子バレー 予選敗退 対那珂川南中0-2負け、対太宰府東中0-2負け
- 女子卓球 予選敗退1回戦 対学業院0-3負け、2回戦 対太宰府西中0-3負け
- 男子卓球 予選敗退 1回戦 対二日市中0-3負け、2回戦 対平野中0-3負け
- 剣道【女子】対春日中 負け 対筑紫野中 負け、【男子】対那珂川南中 負け 対太宰府西中 負け
11月・12月の主な行事 学校からのお知らせ
※主な行事はトップページでご確認ください。
【通学バックの変更について】
令和3年度新入生から、本校の通学バックを変更します。変更理由は、①近隣の通学バックより値段が高いこと、②生徒の荷物が多くて危険であること、などです。変更するバッグは、大容量で両手があくリュック式です(右写真、学校名が入ります)。