ICT(情報通信技術)教育の充実」

校長 古澤 裕二

今年度は、休校や学級閉鎖に伴う授業時数減を補うため、今月いっぱいまで授業となり、夏休みが短くなりました。さぞや生徒の皆さんは残念がっていると思いますが、3年生は三者面談が行われ、いよいよ進路実現に向けた動きがスタートします。また、1・2年生にとっても、夏休みは既習事項を総復習する大切な時期となります。夏休み期間中は、しっかり学習に取り組んで欲しいと思います。

さて、2019年文科省は、「GIGAスクール構想」を掲げました。「GIGA」とは、「Global and Innovation Gateway for All」の頭文字をとったものです。具体的には、小・中学校の児童生徒1人につき1台のパソコン端末と高速大容量の通信ネットワークを整備するという内容です。当初は2023年度までの達成が目標となっていました。しかし、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う全国一斉の休校措置により、オンライン授業などICT活用のニーズが急速に高まり、2020年度中の達成を目指すことになりました。

そもそも、この「GIGAスクール構想」の背景には、日本の学校でのICT利用が諸外国に比べて大きく遅れをとっているという実態があります。国際的な調査の結果(2018学習到達度調査)、学校の授業におけるデジタル機器の使用時間はOECD加盟国で最下位です。また、学校のICT環境整備状況も地域間での格差が大きいという課題がありました。こうした状況の改善を図り、ICT利用により新しい「学びのスタンダード(基準)」をつくるというのが、GIGAスクール構想のねらいです。

このような国の動向を踏まえて、那珂川市もいち早く動き出しました。昨年度は本校に生徒用iPadが160台配付され、今年度は全校生徒分のChromebook(クロームブック)が整備されました。これまで市教委が実施した「wi-fi環境の調査」や「一斉オンライン授業の試行」等もこの取組の一環として行われたものです。

Chromebookの具体的な活用方法については、大きく2つが考えられます。一つ目は、「授業支援」としての活用方法です。授業において、教師が生徒のChromebookにデジタル教材を提示したり、Chromebookに生徒が手書きした内容を黒板に映写したり、あるいは生徒同志のChromebookを共有してリアルタイムに意見交換や協働作業をしたりすることが可能となります。 二つ目は、「学習支援」としての活用方法です。生徒が学習する際に、先生に質問しなくてもChromebookを利用して解説動画を見て疑問を解決したり、自分の苦手な分野の過去問題を集中的に解いたり、生徒がいつでも主体的に自分の理解度や能力、適性に合った学習を行うことが可能となります。このことを「個別最適化学習(アダプティック・ラーニング)」と呼びます。このようなICT教育の充実を通して、生徒の学び方に大きな変革をもたらすとともに、今後必要とされる「21世紀型スキル」を身に付けさせようというわけです。

ただ、ICT教育の推進に関して課題がないわけではありません。その課題の一つとして、ICT教育の充実が子どもの学力向上に直結していないということが挙げられます。たとえば、 佐賀県はICT教育先進県として有名で、デジタル教科書の整備状況(100%)、電子黒板やプロジェクターなどの授業環境の先進度(94.6%)で全国1位で、最下位は秋田県です(2019年)。ところが、同年の全国学力テストでは、県別ランキング(47都道府県)の1位は秋田県で、佐賀県は43位でした。ICT教育の充実が学力向上につながっているのか、疑問を感じさせる結果です。この原因は何でしょうか? 児童生徒は、ICT利用による学習への興味・関心をもつ反面、その操作に注力してしまい学習内容の習得がおろそかになったり、視覚的な情報量が多すぎて消化できなかったりしていることが指摘されています。また、もう一つの課題として、学校側の問題点が挙げられます。いくら環境整備されても、それを使いこなすことができなければ、すべては絵に描いた餅になってしまいます。学校教育の中にICT利用をどのように取り入れていくのか、教職員の授業におけるICT活用能力をいかに高めていくかといった課題です。本校では、教職員の研修等を通じて、学力向上に直結するようなICT教育の充実を図っていきたいと思います。

これまで、携帯・スマホをはじめゲーム機、タブレット、パソコン等の利用について、何度となく注意喚起を行ってきました。一方で、これからの社会では、これらのICT機器の利用なくしては学習や仕事もできないという現実があります。要は、これらのICT利用をいかに自分自身の学びや成長へとつなげることができるのか、が問われる時代となっているのです。実際に、先述の国際的な調査の結果で、日本の子どもの学校外でのICT利用について、「学習以外での利用はOECD平均以上であるものの、学習面での利用はOECD平均以下である」と指摘されています。明日からの夏休み期間中、全生徒にChromebookを持ち帰らせます。このChromebookをはじめ日頃から利用しているICT機器の意義のある利用方法について、お子さんと話し合ってみてはいかがでしょうか。

夏休みの家庭でのChromebook利用について
  • 学校で貸し出すタブレットは、学習活動のために使うことが目的です。学習活動以外に使わないようにすること。
  • 家庭で保管するときは、決まった場所で家の人がわかるところに置くこと。
  • 風通しの良い場所、または空調が整っている部屋で保管すること。
  • 水の近くや、湿気の多いところでは使ってはいけません。また、直射日光の当たるところや車の中など温度が高くなるところに置いてはいけません。
  • 使用する時間は家の人とよく話し合い、続けて長時間使用することは避けること。
  • 自分のタブレットを他人に貸したり使わせたりしないこと。
  • 自分や他人の個人情報(名前や住所、電話番号など)は絶対にインターネット上に書き込まないこと。
  • 相手を傷つけたり嫌な思いをさせたりすることは、絶対に書き込まないこと。
  • 家庭で壊れたり、なくしたりしたときは、担任の先生に連絡すること。
中体連大会結果のお知らせ

陸上部

(筑紫区大会)原田悠之介 共通男子砲丸投 優勝(8M87)、川村瑠菜 3年女子800m 2位(2’23”19)・3年女子1500m 2位(4’58”19)※他 筑前大会出場者9名

(筑前地区大会)川村瑠菜 3年女子1500m 4位(4’57”88)、原田悠之介 共通男子砲丸投 5位(9M47)、須藤法子・長峰夢・德重陽和・西野柚華 共通女子400mリレー 6位(52”34) ※6位以内→福岡県大会出場、

野球部

(中体連大会)→ 出場辞退

(代替大会)那珂川市大会 1試合目 対那珂川南中(4-6)負け、2試合目 対那珂川中(5-4)勝ち

ソフトボール 

(筑紫区大会) 対筑紫野中(3-10)負け、<敗者復活戦>対太宰府中(4-3)勝ち、対二日市中(2-9)負け、

(那珂川市大会)対那珂川中(10-1)勝ち

サッカー 1回戦敗退 対筑紫野中(0-4)負け

男子バレー 

(中体連大会)→ 出場辞退

(引退試合)3年生チーム VS OB教員1年生チーム ※2試合とも3年生チーム勝ち

女子バレー

(中体連大会)→ 出場辞退

男子卓球 

(中体連大会)→ 出場辞退

(引退試合)1試合目 対那珂川南中 3-2 勝ち、2試合目 対那珂川中 0-3 負け

女子卓球

(中体連大会)→ 出場辞退

(引退試合)1試合目 対平野中 0-3 負け、2試合目 対那珂川中 0-3 負け

男子バスケット

(中体連大会)→ 出場辞退

(代替大会)那珂川市バスケットボール大会 優勝 対平野中 35-33 勝ち、対春日中 33-28 勝ち

女子バスケ

(筑紫区大会) 1回戦 対春日西中 60-57 勝ち、決勝トーナメント 対春日中 41-75 負け、順位決定戦 対学業院中 56-50 勝ち、5・6位決定戦 対太宰府東中 58-80 負け ※筑前地区大会出場

(筑前地区大会)1回戦 対前原西中 46-50 負け

男子テニス

(中体連大会)個人戦 <坂口聖人・多良木優斗ペア> 筑紫区大会3位、筑前地区大会4位→県大会出場

(代替大会)筑紫区夏季交流大会 団体準優勝、対学業院 1-2 負け、対春日野 3-0 勝ち、対平野 1-2 負け、対那珂川南 2-1 勝ち、対筑山 3-0 勝ち

女子テニス

(筑紫区大会) 対春日野中 1-2 負け、対天拝中 0-3 負け

(代替大会) 対那珂川南中 2-1 勝ち、対那珂川中 1-2 負け

水泳 

(筑紫区大会)小田響 200m個人メドレー 4位(2’45”59)、貞方大舞 200m個人メドレー 6位(2’52”23)・200m自由形 4位(2’33”63)、福住心菜 200m個人メドレー 6位(3’26”86) ※以上3名が筑前地区大会出場  小田・貞方・八谷・中松 男子フリーリレー4×100m 8位(4’59”92)

ハンドボール  

【男子】

(筑前地区大会)対大利中(19-24)負け、対糟屋中(26-32)負け

(県大会)対西南学院中(11-17)負け

【女子】

(筑前地区大会)対大利中(8-12)負け、対糟屋中(16-15)勝ち

(県大会)対原北中(15-22)負け

剣道 

(筑紫区大会)【団体】男子団体 1回戦 筑陽学園 負け、女子団体 出場辞退、【個人】重松怜奈 第4位 → 筑前大会出場

(筑前地区大会)重松怜奈 ベスト8

学校からのお知らせ

【本校卒業生(梅野選手・藤井選手)の応援について】

本校卒業生2人が東京オリンピックに出場します。熱い応援をお願いします!

  • 藤井菜々子選手 20km競歩 8月6日(金)16:30~ NHK BS1で生中継
  • 梅野隆太郎選手 野球 7月31日(土)予選グループA TBS系で生中継

【制服の変更について】

来年度の新入生から、制服を変更します。PTA本部役員や生徒会執行部と協議しながら、8月中にメーカーを選定します。変更にあたっての方針は次の通りです。

  • 市内3中学校で統一はしない
  • 男女とも冬服はブレザー
  • 女子はスカートとスラックスを選択可
  • 夏は男女ともポロシャツ
  • 価格は現状維持

【体育会について】

延期した体育会については、生徒会執行部とも協議の上、9月下旬を目処に、「学年体育」として学年毎に時間を区切り、種目を精選して短時間で実施する方向で調整しています。また、今後のコロナ感染拡大の状況を踏まえて、実施の有無や内容を検討していきます。

【文化発表会の開催中止について】

本年度も、文化発表会の開催を中止します。合唱コンクールに向けての練習が難しいことからの判断です。美術などの作品展示については、できる範囲で実施する方向で検討しています。

8月・9月の予定

※トップページでご確認ください。