「1年間のスタートにあたって」

校長 古澤 裕二

新一年生185名を加え、全校生徒が511名となり、いよいよ1年間がスタートしました。私自身は、本校3年目になります。今年度もどうぞよろしくお願いします。

これまでの2年間を振り返ってみると、本校に赴任したときには、生活規律や学習態度に大きな課題がありました。また、生徒の登下校のマナーに対する苦情もよく地域の方から寄せられました。4月当初に授業参観の様子を見に行った時には、寝ている生徒が何人もいて、参観されている保護者の皆さんはどのように感じているだろうか、と思ったものです。学校の建て直しを図るためには、「まずは部活動から」とよく言います。4月に、各部長さんと一人一人面談をして、部活動で挨拶や時間厳守の取組等をしっかり行って、学校を変えていってほしいというお願いをしました。その面談の中で、「授業中の態度が悪いのはなぜだろう?」と部長さんに尋ねました。ある部長さんが、「先生方は生徒の学習態度が悪い場面を見て一度は注意するけど、また同じような場面になったときには注意しません。だからだと思います。」という鋭い答えが返ってきました。のちに全国大会準優勝を果たす女子剣道部の部長さんです。まさにその通りで、先生方の指導が徹底できていないことをズバリ指摘されました。その後は、まずは「規則やマナーをきちんと守る人が評価される学校をつくろう」という呼びかけで、先生方だけでなく当時の各部長さんや生徒会の皆さんの尽力のお陰で、随分規律正しい学校になってきました。規律が回復すると、自ずと成績も向上していくものです。現在の新2・3年生の成績は、筑紫地区23校中でもトップレベルです(2年は2位、3年は5位)。昨年度まで、本校学校運営協議会に学識経験者として参加していただいた福岡女学院大学の伊藤文一学長が、「学校は規律がとても大事で、学力は規律の上に上乗せされるもの」とよく言われています。

さて、現在日本における「ニート(若年無業者)」は74万人(15〜39歳)、「引きこもり」は51.4万人(40歳未満)にも登ります。子どもたちを社会的に自立させることは、日本の学校教育の大きな課題となっています。しかも、これからの世の中は、「人工知能の発達」や「グローバル化の進展」、「生産年齢人口の減少」等の大きな社会の変化が待っており、さらに追い打ちをかけるかのように「新型コロナウイルスの感染」により産 業構造が大きく変わってきています。また、感染拡大により、「解雇」や「雇い止め」で仕事を失った人は、去年1月末から今年4月までに10万人を超えました。このように、今、日本は大転換期を迎え、全く先の読めない時代になってきました。このような時代の中で、子どもたちにどのような力を身に付けさせるべきなのか、また、そのための能力アップの手段としてどのような有効な方法があるのかを考えて工夫していかねばなりません。

本校が考える「身に付けさせたい力」とは、まさに総合的な人間としての力、「人間力」です。この「人間力」の概念を砕いて、「学力」「体力」「自己実現力」「社会貢献力」の4つの力を伸ばそうと考えています。いつも生徒の皆さんには、学力や体力を伸ばして自分の将来について自己実現を果たそう、また自分のことだけでなく世のため人のために役立つ人間になろうと事ある毎に訴えています。また、本校の教育方法は、「鍛える教育」と言います。人間は「達成感」を味わうと脳内物質のドーパミンの分泌が活発になり、「やる気スイッチ」がオンになります。この「やる気」という駆動力を利用して、「目標設定→繰り返し努力→達成感→より高いレベルの目標設定→繰り返し努力→達成感・・・」といった成功体験を積み重ねる「やる気サイクル」を生み出す教育を行っていきます。この考えを学習面や運動面、学校行事、部活動、地域活動等の全教育活動を通して実践し、生徒の「人間力」を育成しています。この「鍛える教育」の最大の効果は、本校卒業後に発揮されます。将来において様々な困難にあっても、決して目標を見失わずに、繰り返し努力し続ければきっと目標を達成できると信じ、「あきらめずに困難を乗り越える生き方」を身に付けることができるのです。

今年度も、本校の教育目標や方法についてご理解いただき、教育活動に対するご協力をよろしくお願いいたします。

赴任された先生方・離任された先生方 ※省略

体育祭に向けて頑張っています

4月26日に体育祭へ向けての結団式を行いました。今年の体育会スローガンは、「一意奮闘」です。(心を一つにして闘うと言う意味)結団式の冒頭、体育会実行委員長の内野あかりさんが立派な挨拶をしてくれました。運動や集団行動が苦手な生徒の皆さんも、何事にも一生懸命に取り組む姿勢が大切です。体育会が終わった時、全生徒が感動して涙を流すような体育会にしてほしいと思います。

【体育会実行委員長 内野さんの話】(一部抜粋)

体育会練習の前に、皆さんに覚えておいてほしいことがあります。それは体育会ができることに、感謝の気持ちを持つと言うことです。昨年、体育会だけでなく、いろいろな行事ができなくなり、当たり前だと思っていたことが当たり前にできない、という悔しい思いをたくさんしたと思います。その気持ちを経験したからこそ、行事が当たり前にできることが幸せなことなのだということを常に忘れないでほしいです。私の目指す体育会は、全員の思い出に残る最高の体育会です。

この体育会にするためには、まず、自ら創り上げるということが必要になってきます。先生達に言われて、やらされるのではなく、実行委員、ブロックリーダー、3年生を中心に、自分たちで気付いて、自分たちで行動していきましょう。そうすれば、きっと全員が全力を出し、達成感が味わえて、勝っても負けても悔いのないものになり、全員の思い出に残る最高の体育会になると思います。

那北中CS協議会が行われました

23日(金)に第1回那北中CS協議会(学校運営協議会)が行われました。校内見学の後、校長より今年度の学校経営方針や重点目標など、教務主幹より4月に行われた学校行事の説明をそれぞれ行いました。その後の質疑の中では、コロナウィルス感染拡大にともなう学校行事の変更についてなど、委員の皆様から質問をお受けしました。最後に今年度より本会に参加して頂くことになりました、福岡女学院大学教授の松崎保弘先生よりまとめをしていただきました。松崎先生からは、「那北中CS協議会は、コミュニティスクールの一つの完成形」として本会を高く評価して頂きました。その上で、今後も学校と地域が一つになって子どもたちを育むことの重要性についてお話し頂きました。今年度も地域の方々と連携して子どもたちの人間力を育んでいきたいと思います。

那北中CS協議会メンバー ※省略

【那北中ホームページについて】

本校ホームページではほぼ毎日、学校の最新情報を更新しています。学校の出来事、部活動の情報、配付物のデータや、台風や大雨の時の休校情報もリアルタイムで更新しています。(なんと韓国語、中国語、スペイン言等の多言語対応です!)是非、お気に入りに登録して那北中を応援してください! ※右は那北中QRコード

【5・6月の学校行事について】

※HPのトップページでご確認下さい。

【令和3年度 第18回体育会について】

4都府県に緊急事態宣言が発令され、福岡県も新型コロナウイルスの感染者数が過去最高を更新し、体育会の開催自体が危ぶまれる状況です。3年生は修学旅行にも行くことができなかったので、現段階では体育会を何とかして実施したいと考えています。今後、感染拡大の状況によっては、体育会練習や当日のスケジュールを変更したり、保護者の皆様の参観をご遠慮いただいたりすることもあり得ます。最終的には、他市の状況も踏まえて、市教委と相談の上、那珂川市内の校長会で判断します。GW開けに、詳細をお知らせいたします。