「運動の楽しさとは何か」

校長 古澤 裕二

毎年恒例お正月の箱根駅伝で、本校卒業生が活躍していました。2014年卒業の岩室天輝君です。本校卒業後、大牟田高校を経て日本体育大学駅伝部へ進学、現在大学4年生です。箱根駅伝では、第3区21.4kmを1時間4分40秒で走る「力走」を見せてくれました。まだ歴史が浅い本校ですが、プロスポーツ選手やオリンピック選手をはじめ、大学駅伝や高校インターハイなどで活躍する多くのアスリートを輩出していることに驚かされます。

さて、今年度はコロナ禍ということもあり、新体力テストの実施並びにその結果が通知される時期が随分遅れました。逆に、そのお陰で本校の「晴動雨読」の取組などの成果が現れたよい結果になったと思います。新体力テストの結果は「Tスコア(偏差値)」という数字で表され、「50」という数値が全国平均になります。本校の各学年のTスコアは、1年生男子「54.1」・女子「53.6」、2年生男子「52.7」・女子「53.3」、3年生男子「53.6」・女子「50.0」という結果で、各学年男女とも全国平均を超えていました(グラフ参照)。また、学年が上がるごとに向上していることがわかります。さらに、各個人の体力テストの結果はA~Eまでの5段階に分けられます(「A」が最上位)。全校生徒のうちAランクの生徒が昨年度96名から今年度159名へと大幅に増加し、逆にEランクの生徒は昨年度20名から今年度4名へと減少しています。

体力に関するテストは昭和39年から調査が行われており、体力が最も高かったのは昭和60年頃と言われています。長期的なスパンで見ると、やはり昔に比べ今の子どもたちの体力低下は否めません。それを物語るように、中学校の新体力テストにおいても、昔ではありえない珍しい光景をよく目にするようになりました。例えば、ハンドボール投げでは、後ろに投げてしまったり空振りしてボールが足元に落ちたり・・・。現在のような調査項目になったのは、平成11年の新体力テストからです。調査項目は、「握力」「上体起こし(腹筋)」「長座体前屈」「反復横跳び」「20mシャトルラン」「50m走」「立ち幅跳び」「ハンドボール投げ(小学校はソフトボール投げ)」の8種目です。平成20年からは毎年、スポーツ庁が小学5年生と中学2年生のデータを集計し、体力の実態等を明らかにしています。昨年度(令和元年度)の調査結果によると、小学校男女、中学校男女すべてにおいて前年度(平成30年度)のデータを下回り、特に小学校男子は平成20年以来最低の結果となりました。最近はほんの少しですが、体力が上向き傾向にあったので残念です。これら体力低下の要因は一体何なのでしょうか? 昨年度のデータも新型コロナ流行前ですので、新型コロナの影響ではありません。

現代の子どもたちの体力低下の要因は、運動時間の減少に尽きます。昨年度の調査結果によると、中学生の場合、保健体育科の授業以外で行う運動が、1日平均10分未満という中学生が男子9.3%、女子31.1%にも登ります。では、運動時間が短い分、子どもは何をやっているのでしょうか? それは、多くが「ゲームとスマホ」です。これらを使用する時間を「スクリーンタイム」と言うそうです。この「スクリーンタイム」が長く、運動時間が短い子どもほど体力が低いという結果が示されています。実は、学力でも体力でも対人関係能力でも、現代の子どもの成長を阻害する要因は「ゲームとスマホ」なのです。ついでに、運動時間の減少は、運動時間が長いはずの生徒にも起こっています。それは、部活動短縮の動きによるものです。2年前に「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」がスポーツ庁から出され、部活動短縮の動きが全国に広がりました。ここ2~3年の間に、部活動時間が1週間で平均2時間30分ほど減少しています。よって、体力の二極化と言われていますが、運動しない子はもちろん、運動する子でさえも運動時間の減少が起こっているのが現状です。

このような状況に対して、子どもが「運動が楽しい」と思えるような取組を行うことの大切さが以前から指摘されています。しかし、小中学校全般に言えることですが、子どもはどういうときに「運動が楽しい」と感じているのかという「楽しさ」の中身までは踏み込んでいません。そのため、「順位を競わせない」「目標を無理にクリアさせない」「難しいことにチャレンジさせない」等、安易な「楽しさ」へと流れていると感じています。これでは体力を向上させることはできません。スポーツ庁のデータによると、「運動を楽しい」と感じるときは、「勝ったとき」「記録が伸びたとき」「できたとき」の3つで、小中学生ともに同じ結果でした。結局、少々辛くても「勝った」「伸びた」「できた」という達成感こそが、次につながる本当の「運動の楽しさ」なのです。

本校では、早朝からの「晴動雨読」の取組を行い、晴天時には早朝ランニングや補強運動を行っています。この取組の中で、まずは全ての生徒の運動時間を確保するとともに、記録が最もよい生徒は昼休みの校内放送で発表しています。また、補強運動の内容を体力テストの種目と合わせることで、生徒自身に伸びを実感させています。その成果が今回の体力テストの結果にも表れたと感じています。

以前も申しましたが、体力向上はそれ自体を高めるだけでなく、学力向上ややる気・集中力の向上、メンタルの安定等にもよい影響を与えるものです。また、将来的には生活習慣病の予防や健康寿命の延伸などにもかかわる大切なものです。今後も、学校全体をあげて体力向上に取り組んでいきたいと思います。現在はコロナ禍のため、晴動雨読における晴天時の運動や部活動を制限していますが、時期が来れば再びそれらの充実を図っていきたいと思います。

【運動時におけるコロナ感染リスク・対策について】

○飛沫感染のリスクがあるので、「密集する運動」「近距離で組み合ったり接触したりする運動」をできるだけ避けています(特に屋内)。

○身体へのリスクを考えて運動時のマスクの着用は必要ないとされていますが(スポーツ庁通知)、マスク着用を希望する生徒や軽度な運動の場合にはマスク着用可(苦しい場合にはマスクを外させる)としています。

※尚、WHOの約7万5千件の症例報告において、屋外の運動で感染した例はありません。ベルギー・オランダの研究者による、ランニング中の飛沫が後方の人に飛散する(約10m飛散)CG画像がTV放映され話題となりました。ランニング中の感染が懸念されましたが、のちに根拠がないCG画像だったことが判明しています。

冬休み課題テストの結果が出ました !

1月13日(水)に行われた、冬休みの課題テストの結果をお知らせします。1年生は(グラフ中●)順調に学力を伸ばし、今年度の目標を超え「県偏差値58」を達成できました。筑紫地区でも上位の成績を収めることができています。

2年生は(グラフ中◆)は、昨年度後半から県偏差値55~56で推移し、筑紫地区23校の中でも上位に位置しており、着実に学力を伸ばしています。両学年とも日々のサクセスノートやエブリディ学習の充実、日頃の課題達成の学習の成果が結果として表れていると思います。

3年生(グラフ中■)については、4月から52~53で推移しています。3年生の日々の学習時間は後期に入り、大きく伸びていますが、受験を控え、他校の3年生も当然学習時間が延びていることが考えられ、結果として県偏差値や筑紫地区での順位をあげることができなかったと考えています。

※HPでは「順位」は掲載していません。

【冬休み課題テスト 本校平均点】( )内は県平均比、1・2年は100点満点、3年は60点満点

次の目標は、2月5日(金)の1,2年総まとめテストです。さらに上を目指せるように、全集中で学習に取り組みます!

1月の表彰 頑張った生徒・部活動

1/8(金)に予定されていた全校集会並びに表彰式がコロナウィルス感染拡大防止のため中止となりましたので、学校通信でも、表彰された部活動並びに生徒の皆さんを紹介したいと思います。

【1年生スケッチ大会】

  • 最優秀賞:1年5組 佐藤真陽
  • 優秀賞:1年1組 永田明花
  • 優秀賞:1年3組 眞野さとみ

【ビブリオバトル大会】

  • 最優秀賞:3年4組代表 樋江井愛陽
  • 最優秀賞:1年3組代表 松崎凌大

【令和2年度体力テスト】

  • 一年生男子総合1位 齋藤琉稀空
  • 一年生女子総合1位 西山永莉香
  • 二年生男子総合1位 藤田真碧
  • 二年生女子総合1位 德重陽和
  • 三年生男子総合1位 中田右多、石原 颯哉※三年生男子総合一位は同点
  • 三年生女子総合1位 毛利日陽

【野球部】

  • 筑紫区野球部1年生大会 準優勝

【吹奏楽部】

  • 第49回福岡アンサンブルコンテスト(金管六重奏の部) 銀賞

【ソフトボール部】

  • 第5回秋山杯中学生ソフトボール交流大会 第3位

生徒会役員出前あいさつ運動

1月14日(木)の朝、本校の生徒会執行部が片縄小学校と岩戸北小学校に行き、各小学校の代表の児童の皆さんと一緒にあいさつ運動を行いました。小学校の児童の皆さんが中学生になったら、どんなあいさつができるようになるべきなのかを、実際に見せることができ、小学校の先生方からとても褒めていただきました。

【1年副会長 原口菜々羽さん】

特に低学年の子が元気に自主的に挨拶していました。中学生も負けないように自主的に挨拶しないといけないと思いました。

【1年書記 奥 彩華さん】

低学年の子が進んで挨拶していました。立ち止まって挨拶することを学びました。

【コロナ感染症拡大防止に係るお願い】

  • 生徒本人、ご家族が濃厚接触者となった場合、もしくは検査(PCR検査・抗体検査)を受ける場合やその結果が判明した場合は必ず学校にお知らせください。(週末等で学校に連絡がつかない場合:那珂川市役所代表953-2211)
  • 生徒本人、もしくは保護者が検査を受けられる場合、「陰性」という結果がでるまで、登校は控えるようにしてください(出席停止扱い)。
  • 部活動の対外試合中止:1/16(土)~2/7(日)の期間は、部活動の対外試合を原則中止します(筑紫地区全中学校)。尚、中体連新人大会は予定どおり開催されます。本校生徒のみによる部活動練習も通常どおり行います。
※2・3月のスケジュールについては、HPトップページをご覧下さい。