英語科における『話す力』の向上

校長 古澤 裕二

前期期末考査を終え、1・2年生は中体連新人大会に向けて、3年生は10月学力診断テストに向けて、一生懸命頑張っているところです。

さて、9月17日(土)、2年ぶりにALTを大勢招いて、イングリッシュ・イベントを開催しました。イベントのねらいは、外国の方とのコミュニケーションを通して、生徒の英語に関する興味や関心を高め、グローバル人材の育成につなげることです。イベント当日は、県内のALT45名が来校し(うち授業に参加したALT40名)、各クラスの授業に8名ずつ参加してもらいました。1時間目に1年生、2時間目に2年生、3時間目に3年生の授業を行い、英語のクイズやゲームを通して、英語でALTとのコミュニケーションを図っていきました。どの学年の生徒も、日頃見せないような笑顔を見せ、授業後のアンケート結果でも生徒のほぼ全員が「とても楽しかった」と回答していました。生徒にとっては、とても貴重な体験になったと思います。

本校は、このほかにも「英語科授業の工夫」や「朝読書の英語多読」、「英検取得の推進」等、特に英語教育には力を入れています。英語科授業の工夫とは、「5ラウンド」を取り入れている点です。これは、年間を通して教科書を5回通り繰り返す学習法です。1回目は「リスニング」、2回目は「聞いた音から単語や文を並べ替える」、3回目は「音読」、4回目は「穴あき音読」、5回目は「リテリング(教科書の内容を自分の言葉で伝える)」という具合に学習内容を1つに焦点化し、「話す」「聞く」の活動を中心に授業を進めていくのが特徴です。そのため、基本的には、「文法」説明には極力時間を割きません。従来の英語学習では、文法説明に時間をかけ、その分「話す」「聞く」の活動がおろそかになりがちでした。また、文法を重視すればするほど、生徒は「話す」ことをためらうようになってしまいます。こうした従来の文法中心の英語学習が、生徒の英語嫌いの要因となっていると考えます。本校では、この「5ラウンド」の原則を踏まえつつ、生徒の実態に合わせたアレンジを加えて授業を進めています。

一昔前まで、高校・大学の英語科入試では主に「読む力」「書く力」のみが問われ、のちに「聞く力」も付け加えられました。今では、国も地方も「話す力」の習得に力を入れ始めています。ただ、「話す力」をどうやって評価するのかといった大きな課題にぶち当たっています。たとえば、数年前、文科省は大学入試改革で、民間試験を用いて英語の4技能(読む、書く、聞く、話す)を評価し、その結果を大学の合否判定に用いるという方針を出しましたが、その不公平さが大きな問題となりました。最終的には、ご存じの通り、当時の文科大臣の「自分の身の丈に合わせて・・・」という発言で、導入延期となっています。また、今年度から、東京都では都立高校入試にタブレットを使ったスピーキングテストを導入します。タブレットに向かって英語を話すという試験方法です。しかし、このテストが公立中学校の生徒にのみ義務づけられたことや点数化の方法を巡って現在もいまだに紛糾しています。国や地方としては、英語科入試のあり方を変革して、英語教育を「話す力」の習得へと大きく舵を切りたいところですが、なかなかうまくいっていないのが現状です。ただ、今後「話す力」が益々重視されることは間違いないと思われます。

では、本校生徒の英語の実力はどうでしょう? 今回の夏課題テストにおける英語科の偏差値を見ると、1年「58」、2年「56」、3年「56」という結果でした。2・3年生は、これまでも筑紫地区1・2位の成績でトップレベルをキープしています。意外だったのが1年生です。入学時の学力診断テストでは偏差値「49」と全く振るわずに心配していたのですが、今回「58」という結果で9ポイントも向上していました。また、英検テストの簡略化版である「IBAテスト(3年生のみ実施)」においても、年々「英検準2相当」「3級相当」の生徒の割合が増え、確実にレベルアップしています(グラフ参照)。しかし、これらのテストには「話す力」に関する評価は含まれていません。本校の生徒の実態においても、課題はやはり「話す力」だと感じています。特に発音については、小学校と連携して早いうちから「フォニックス(発音と文字との関係を学ぶ音声学習)」による指導を徹底する必要性を感じています。

今後はさらに、ALTと連携した取組の機会を増やして、英語教育の充実を図り、生徒の「話す力」の向上に努めたいと思います。イングリッシュ・イベントに参加していただいた保護者や那北中CS協議会の委員、市教委の皆さん、ありがとうございました。

立ち会い演説会・生徒会役員選挙

9月21日(水)に令和4年度生徒会役員を決める選挙がありました。今回改選される役職は、会長、2年副会長、2年書記、会計、1年副会長、1年書記です。1、2年生それぞれ7名の14名が立候補しました。3年振りに行われた立ち会い演説会(過去2年はリモート)でしたが、実際に目の前で行われる立会演説では緊張感やそれぞれの思いがとても伝わる演説会でした。選挙の結果、新生徒会役員は以下のとおりです。

10月11日(火)に生徒会役員交代式が行われます。新生徒会役員に決まった役員の生徒たちとともに、これからの生徒会活動を盛り上げていきましょう!

夏休み課題テストの結果

9月に行われた、夏休み課題テストの結果をお知らせします。

1年生(グラフ中■)は、4月の標準学力診断テストでの合計偏差値は「51」。今回のテストでは「55」と4ポイントも上昇し、大きく成績を伸ばすことができました。特に、英語は「49」から「58」へとなんと9ポイントもアップしました。中学生になり、サクセスノートの取組やエブリディ学習、そしてたくさんの宿題を頑張ってきた成果だと思います。

2年生(グラフ中●)は、「54」から「55」と1ポイント上昇しました。

3年生(グラフ◆)は、「56」から「57」となり、1ポイント伸ばし、筑紫地区上位を維持しています。高校受験が迫り、他校の生徒も本気になって勉強しています。その中でさらに良い結果を収めるためには、日々の努力しかありません。3年生にとっては今が頑張りどころです。10月3日と11月1日の学力診断テストに向けて努力あるのみです。

イングリッシュ・イベントの感想

イベントにおける生徒の様子と感想をお伝えします。

【生徒の感想】

  • 外国の方々と話せる機会はあまりありません。今日の授業のやりとりはとても楽しかったです。少しは聞き取れていたので良かったです。もっと英語を話せたり読んだり書いたりできるようになりたいです。
  • いろんなALTの先生と話すことができてとても楽しかったです。最初は外国の人とたくさん会話ができると思っていなくて、少し不安だったけど、ALTの先生やグループの人がすごく笑顔だったので、いつもの授業よりも思い切って話すことができました。
  • 普段はこんなに英語で会話することはあまりないので、今回はとても良い経験になりました。またイングリッシュイベントをやりたいです。
  • いつもの英語の授業と比べて話しやすい雰囲気でした。ALTの先生に質問したり、答えたりすることができるようになったので、少し成長したと思いました。

【参観した保護者の感想】

  • とても工夫された授業で良かったです。いつもの授業でこのように英語に接することができたら、これからの人生において、とても役立つと思いました。素晴らしい授業ありがとうございました。
  • 生の英語にふれあえるとてもいい機会だと思います。今後もこのような活動を増やして生きた英語を使えるようになってほしいと思います。生徒の笑顔がたくさんみられたので皆楽しかったのだと思います。
  • とても楽しい授業で見ている方も笑顔になりました。ネイティブの英語にはなかなか触れる機会もすくないので、大変素晴らしい授業だと思います。これからも継続してもらいたいです。

※保護者の皆さまの感想はHPにてすべて掲載しています。そちらの方もご覧ください。

10・11月の主な行事、学校からのお知らせ

※今後のスケジュールについては、HPトップページでご確認下さい。

※お知らせ

<中体連新人大会の保護者観戦について>

  • 保護者観戦については、競技ごとで観戦ルールが異なります(観戦可・不可も含めて)。観戦ルールは顧問を通して連絡があります。そのルールに従い、観戦されるようにお願いいたします。また、マスクの着用や大声で叫ばない等の感染防止対策もよろしくお願いします。

<秋休み中の学校閉庁日について>

  • 10月6日(木)から10月10日(月)は学校閉庁日となります。このため学校閉庁期間中は学校への電話はつながらなくなります。何か連絡が必要な場合は那珂川市教育委員会(市役所代表092-953-2211)まで連絡をお願いいたします。