「校則について」

校長 古澤 裕二

3月11日、短時間ではありましたが大変厳粛な雰囲気の中、第18回卒業証書授与式を無事終えることができました。

さて、2日前、1・2年生は生徒総会を行いました。内容は、今後の生徒会総務や各専門委員会の取組についての審議です。「校則」の見直しについては、生徒手帳を業者へ注文する12月頃に、毎年生徒会執行部と生徒指導担当教員とで協議を行っています。

つい先日も、この「校則」見直しに関するニュースが流れていました。その内容は、新年度から多くの都立高校で、いわゆる「ブラック校則」が撤廃されるというものです。これは、東京都教育委員会が、次の6項目の必要性について生徒や保護者も含めて議論するように各高校に求めたことから見直しが行われ、撤廃に至ったものです(ただし、6は継続する高校あり)。

  1. 下着の色の指定
  2. 髪の一律黒染め
  3. ツーブロックの髪型禁止
  4. 問題を起こした生徒の自宅謹慎
  5. 「高校生らしい」という曖昧な表現での指導
  6. 地毛証明

これは、主権者教育の一環として、生徒に社会の一員として校則について考えさせることで、社会参画への意識醸成へとつなげようという考えからです。今後、この動きは全国の高校へ、また中学校へも広がっていくものと思われます。

「校則」については、これまでも何度か裁判が行われました。結論としては、「校則」自体を否定する判決はありません。その理由は、頭髪や服装等を制限することで、生徒に対して学習や運動等に注力させ、非行行動を防止するという正当な教育目的があるからだとされています。その一方で、「校則」の内容については、「社会通念に照らして合理性があるか」を考慮することが求められています。よって、「校則」の内容は、時代や社会の状況とともに変化していくものと捉える必要があります。先述のニュースは、まさにその流れに沿ったものです。

少し気になるのは、学校の「校則」すべてが悪いかのような報道がなされ、「校則軽視」の風潮を招いていないかという点です。「学校は小さな社会」と言われます。そのため、これまでの判決同様、集団生活する以上「校則」自体は必要なものだと感じます。「校則」を遵守させることを通して、生徒の規範意識を育て、ルールを守るまじめな生徒が評価される集団をつくっていかなければなりません。規範意識が低い生徒が多いと学校が荒れ、学力や部活動、進学実績といった様々な面で悪影響を及ぼします。さらに、学校という「小さな社会」が荒れると、数年後に実社会も乱れてきます。一昔前に細かすぎる「校則」が批判され、「校則」問題で学校が揺れたことがありました。その5~6年後には成人式が荒れ始めました。仙台市の成人式に出席した考古学者吉村作治氏の「これは新成人ではなく、新生児のお祝いだ。」という怒りの言葉が当時ニュースになりました(1991年)。これが荒れた成人式の始まりです。そして、今日再び「校則」の見直しが求められるようになりましたが、「校則」自体を否定するものであってはならないと思います。

先日の生徒総会では、「『校則』は必要なものであるが、その内容は変えることができる」という話をしました。それは時代や社会の状況によって変化する部分もあるでしょうが、重要なのは生徒自身が「校則」を遵守することによって変えていくことです。「そんな『校則』は不要でしょ!」と、生徒自身が実際の姿で示していくことが大切です。昨年度、生徒会執行部の要望を受け入れ、他校に先駆けて「ツーブロックの一律禁止を改めソフトツーブロックはOK」という見直しを行いました。新たな頭髪基準について、全校集会で説明したり写真を教室掲示したりしましたが、結局校則を緩めたことにより違反者が増える結果となりました。中には、極端なツーブロックを行い、髪や眉毛にそり込みラインを入れた生徒もいます。そのため、今年度は「校則」を一切見直さないということも生徒に伝えました。生徒会執行部の全校生徒アンケートによると、「本校は正義がまかり通る学校か」という質問に対して、「とても」65.1%、「だいたい」26.7%、「あまり」5.1%、「全然」0.8%という結果でした。確かに、以前に比べると、本校も随分「正義がまかり通る学校」になってきたと思いますが、さらに生徒自身が「校則」を遵守することによって、不要な「校則」をなくしていってくれることを期待しています。

エンジョイCOCOによる演劇会

3月15日(火)6時間目、エンジョイCOCOによる演劇会を行いました。エンジョイCOCOは、主として地域のボランティア活動を行っている同好会ですが、今回放課後等に遅くまで残って演劇の練習を行ってきました。演劇の内容は、ちょっとしたことからいじめられるようになった生徒とクラスメートが仲直りしていくストーリーです。エンジョイCOCOの皆さんの迫真の演技と、学校生活においても日常的に起こりえる内容だったため、見る者全員が劇に引き込まれていきました。終わったあとは、大きな拍手が送られました。

生徒総会が行われました

3月16日(水)に生徒総会が行われました。事前に全校生徒全員に行われたアンケートの結果から、学校生活での改善点を見つけ、解決していけるよう各委員会の取り組みや活動内容の提案がありました。生徒会執行部は、忙しい中、プレゼンテーションを作成し、みんなに分かりやすいよう、伝わりやすいよう、工夫がされてありました。全校生徒も、その提案内容を真剣に聞いていました。

第18回卒業式

3月11日(金)、第18回卒業証書授与式が行われました。コロナ禍のため、今年度も①卒業証書授与、②学校長式辞、③卒業生答辞、のみの簡略化した内容でした。いつもの卒業式なら、中学校3年間のよき思い出ばかりを振り返るのでしょうが、コロナ禍で様々な行事がなくなってしまった学年です。卒業生代表の山内日菜子さんの答辞には、その苦しみや辛かったこと、逆に改めて学んだことなどが述べられており、胸にグッとくるものがありました。短時間ではありましたが、感動と規律あるよい卒業式でした。

答辞<途中抜粋>卒業生代表 山内 日菜子

私たちのコロナに対する思いは様々です。「早く終息してほしい」という思いだけでなく、「なぜ自由を奪われなければならないのか」「早く友達に会いたい」。学生の私たちだからこそ感じることも多くありました。私たち三年生は、休校になってから、約二年間、「苦しかった」というのが率直な想いです。

しかし、ふと立ち止まって考えてみれば、当たり前だった日常のありがたみ、今この一瞬さえも、かけがえのない時間の一部で、一日一日を大切にすべきだと気づきました。この気持ちは、中学校で得た最も大きな学びです。

この三年間、辛いこともたくさんありました。ですが、側にはいつも仲間の存在がありました。生徒会・部活動・学校生活など、どんな場面でも支えてもらいました。もちろん、仲間とぶつかることだって何度もありました。でも、この学年だったからこそ、どんなときだって、喜びや悔しさを分かち合えたのだと思います。

私は、この学年でよかったです。充実した三年間を、この那珂川北中学校で過ごすことができました。私にとってみんなは宝物です。

私が学年のみんなに伝えたいのは、「ありがとう」という気持ちです。この「ありがとう」という五文字にはたくさんの思いが詰まっています。ここまで私が頑張れたのもみんなのおかげです。ありがとう。みんなは最高の仲間です。また同じ空の下で笑い合える日を楽しみにしています。

後期学校関係者評価について

那珂川北中学校コミュニティ協議会でいただいた後期の学校評価をまとめました。全国的にコロナ禍のために体力が低下している中、本校では晴動雨読の取組も有り、体力のスコアが伸びていたことが評価されています。以下主な意見です。

① 学力について

  • 1日の平均勉強時間が徐々に伸びて、スマホや携帯の依存率が低下している傾向は、生徒の学習意欲向上の保護者との共有・連携の結果と思います。
  • 学力については、都度行われているテストの結果から、各学年の傾向を細かく分析し、課題をあきらかにしている取組はすばらしいと感じます。また、ここ数年の那北中の筑紫地区における順位には、目を見張るものがあり、日々の取組、新たな取組の成果だと思います。

② 体力について

  • 晴動雨読の取り組みが、ずっと継続されていることがすばらしいと思います。昔から文武両道といいますが、身体と頭脳のバランスの良い成長を今後期待します。
  • 晴動雨読の「朝ランニング」の取り組みは、生徒の体力向上に確実につながっていることを感じており、学校全体のレベルアップになっているのでは思うとともに、その成果の表れが今後楽しみです。

③ 自己実現力

  • 普段聞くことのできない先輩や接遇講師の方のお話は、生徒たちには新鮮な声として捉え、将来に大きく役立つことだと思います。会話は言葉のキャッチボールとも言われ、接遇マナーの大切さを実感したのではないでしょうか。

④ 地域貢献力について

  • コロナ禍の中、地域と交流はできていないが、今できることをやっていると思います。
  • 最近校内外(特に東門周辺)の清掃が行き届いており、清々しく思っています。いつも有難うございます。

学校からのお知らせ

【今後のスケジュール】

HPのトップをご覧下さい。

【令和4年度 入学式について】

新型コロナ感染症拡大の防止のため、入学式の実施にあたっては、時間の短縮、参加者の制限等の措置をとらせていただき実施いたします。何卒ご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。

  • 参加者の数を最小限とし規模を縮小、時間短縮で実施
  • 来賓は那珂川市教育委員会、学校運営協議会、PTAから1名ずつとする。
  • 保護者の参加は、2名までとする。
  • 在校生は入学式には参加しない。

【年度当初の健康観察フォーム回答について】

令和4年度の始業式は4月6日(水)です。当日は、3月までのクラスで入力してください。7日(木)から新クラスでの入力をお願いします。