いじめについて

校長 古澤 裕二

現在、1・2年生は北風走に向けて、保健体育科における持久走や晴動雨読における早朝ランニング・補強運動などに頑張っているところです。また、3年生は進路選択・決定に向けての三者面談がいよいよ始まります。

さて、先月、令和2年度「いじめの認知件数」についての報道がなされました。それによると、令和2年度「いじめの認知件数」は約51万件で、前年度に比べたら「15.6%減少」となっています。減少理由は、コロナによる休校等で子ども同志の接触機会が減少したためだと考えられます。「いじめの認知件数」の学校別内訳は、「小学校66.5%(約42万件)」「中学校24.9%(約8万件)」で、残りは高等学校や特別支援学校です。

減少したとは言え、この「いじめの認知件数約51万件」という数字には、さぞや驚かれるのではないかと思います。「いじめ認知件数」がこんなにも多い理由は何か? それは、児童生徒本人が「いじめられた」と感じれば「いじめ」とカウントされるという「いじめの定義」自体に原因があります。「いじめの定義」は、これまで何度か変更されましたが、いじめを小さなうちに早期発見し、早期解決してほしいとの願いから現在の定義になったと思われます。しかし、そういった文科省の意図とは別に、報道を通して「いじめの認知件数」の数字の大きさだけが一人歩きし、学校不信へとつながっているように感じます。

保護者の皆さんも、小・中学校時代を思い出してみてください。集団生活をしていれば、お互いに多少の冷やかしやからかい、悪口の言い合い等はあったのではないでしょうか。むしろ、そのような中で、人が成長していくという側面もあると思います。要は、「集団生活で起こりうる人間関係のトラブル」なのか、「あってはならないいじめに該当する行為」なのか、はたまた「暴力や恐喝などの犯罪行為」なのか、きちんと区別して把握し、対応していくことが大切です。しかし、報道される「いじめ認知件数」には、「冷やかしやからかい」といった人間関係のトラブルから、生命や心身に大きな被害を及ぼす「重大事態」と呼ばれる内容まで含まれています。また、人間関係のトラブルは長いスパンでとらえなければなりません。「いじめられた」と訴えてきた生徒が最初はいじめる側だったとか、お互いにやったりやられたりする関係だったとかいうことはよくあります。いじめ被害を訴えた生徒がいつも正しいとは限らないので、指導に当たっては注意を要する必要があります。

「いじめの定義」の捉え方については、都道府県によっても違いがあると思います。「都道府県別のデータ」によると、「児童生徒1000人当たりのいじめ認知件数」は、最多の山形県は114.0件、最少の富山県・愛媛県は11.6件と、その差は約10倍もあります。また、「いじめの定義」の曖昧さによって、子ども自身も「いじめ」とはどういうことかを本当には理解できていないと感じますし、いじめとなればすぐに周りの大人が介入するため、単純な人間関係のトラブルでさえ子どもたち自身で解決できなくなっているとも感じています。

逆に、「いじめ認知件数」のうちで、とても気になるデータがあります。インターネットやSNSによるいじめです。コロナ禍でネット上での接触が相対的に増加しています。昨年度「パソコンや携帯電話などで、誹謗・中傷や嫌なことをされた」件数は約2万件です。6年前と比較すると徐々に増加していき2.4倍になっています。「いじめの認知件数」の減少は、コロナの影響だけでなく、いじめが見えにくいネットの世界へと移行している可能性も否定できません。

本校では、「いじめ」の早期発見・早期対応のために、ほぼ毎月「学校生活・いじめアンケート」を実施しています(文科省の定義に従って、生徒本人が「いじめられた」と感じたものは「いじめ」として処理しています)。今年度のアンケート結果を見ると、生徒が「いじめあり」と記入していた生徒数は【表1】のとおりです。その内容は、「冷やかし・からかい・悪口」「LINEやネット上のトラブル」等の人間関係のトラブルで、深刻ないじめにはつながっていません。「いじめあり」の生徒による記述があった場合には、担任がすぐに事実確認を行い、関係生徒への指導や保護者への連絡も行い、早期解決に努めています。

また、アンケートの中には、「学校生活は楽しいか?」という質問もあり、学校生活が上手くいっているかどうかを窺い知ることができます。この質問に対する先月の結果は、「1年生92.9%」「2年生98.2%」「3年生97.5%」が「とても」「だいたい」と答えており、「あまり」「全然」と答えた生徒は「1年生7.1%」「2年生1.8%」「3年生2.5%」でした。具体的な人数は【表2】のとおりです。この場合も、「あまり」「全然」と記述した生徒には担任が理由を確認して対応しています。その理由としては、「友人関係の悩み」や「進路や勉強に関する悩み」など様々ですが、1年生が2・3年生に比べて多い理由は「勉強についていけない」という内容がほとんどです(この実態を踏まえて、12月には1年生を対象とした、小学校の学習内容を復習する放課後学習「CSS」を実施する予定です)。

すでにご存じと思いますが、つい先日愛知県内の中学校で同級生を刺殺する事件が起こっています。当事者間におけるいじめの有無や人間関係、加害者の精神状態など、今後原因究明がなされると思いますが、ほんの些細な事案と思っていたことが大事件に発展することも十分考えられます。本校においても、教師自身がこれまで以上にアンテナを高く張って、「いじめ」の早期発見に努めるとともに、生徒の「いじめあり」の訴えがあれば、事実確認をもとに早期解決に努めていきたいと思います。保護者の皆様には、学校との連携を密にしていただき、お子さんについて気になることがあれば是非担任や学年主任へご連絡ください。また、特にお子さんのネット利用については十分気をつけていただくようにお願いいたします。

尚、危険物(カッター、刃物類等)や不要品(スマホ、ゲーム機等)の学校内への持ち込みを固く禁止しています。家庭でも、合わせてご指導をお願いいたします。

11月 学力診断テストの結果

11月1日(月)に行われた、学力診断テストの結果をお知らせします。

1年生は(グラフ中▲)です。9月の夏休み課題テストでは「54」でしたが、今回のテストでは「55」となり、1ポイント上昇しました。上昇傾向が続いています。この調子で頑張ってほしいと思います。2年生(グラフ中◆)は「58」となり、1ポイント上昇しています。筑紫地区内でも上位を維持しています。3年生(グラフ中●)は前回と同じく「54」と現状維持です。受験を目前に控え、他校の3年生も全力で勉強している中で順位を上げるのは難しいですが、他校に負けない努力をして、これからの受験に臨んでほしいと思います。1・2年生は、1月12日(水)の冬休み課題テスト、2月4日(金)に学年の集大成となる学力診断テストが控えています。学習は日々の積み重ねが大事です。筑紫地区一番を目指して頑張っていきましょう!きっとできます!

授業参観に来ていただきありがとうございます

11月9日(火)から12月16日(木)まで、授業参観を分散して実施しています(参観スケジュールはHPを確認ください)。約半分の授業参観が終わりました。参観に来ていただいた保護者の皆様、ありがとうございました。授業参観の感想を一部ご紹介します。

【授業参観の感想】

  • 先生の発言に対し、挙手するとき、しっかりと腕を伸ばしてあげている姿勢に、日頃のご指導をきちんとしていただいているのだと思いました。(1-4国語)
  • 気持ちのよい挨拶を何人もしてくれて、うれしかったです。授業中も落ち着いた雰囲気で集中していました。(3-3技術)
  • すごくわかりやすいと思いました。手厚いです。(3-1理科)
  • 校内はいつもきれいですがすがしく思っております。授業中の態度も集中している様子が伝わりました。タブレットを使った授業を観られてうれしかったです。(2-4数学)
  • クロムブックの活用により、皆の理解度がよく分かると思います。はっきりとした声でわかりやすい授業でした。(2-4数学)
  • 清掃も行き届いてとても気持ちが良いです。昇降口の貼り紙など、至る所にやる気を引き出してもらえるような言葉がたくさん掲示してあって、目標が定まりやすく、とてもすばらしいと思いました。(1-5理科)
  • 体育の参観は初めてだったので、見られて良かったです。みんな落ち着いていて、先生もできない子達に優しく教えていて良かったです。(2-2保健体育)
  • とても静かで真面目な学習態度でした。これからも先生の話を良く聴いて、授業に取り組んでほしいと願います。(2-3国語)
  • 真面目な生徒達が多いという印象で、真剣に授業を聞いて、自分の言葉で考えて発表する姿がすばらしいです。(2-3国語)

学校からのお知らせ

【今後のスケジュール】

○TOPページをご参照ください。

【お知らせ】

○「自作弁当の日」について

今年度も食育推進の試みとしまして、12月11日の土曜授業(北風走)の日に、生徒による「自作弁当の日」を計画しております。自分で弁当をつくることを通して、食に関心をもち、家族を大切にする心情や自立した生活態度を育てることが目的です。「自作弁当の日」の事前学習として、12月6日(月)に精華女子短期大学の阪田直美先生を講師として招き、①中学生期の適切な食について②自分で弁当を作ることの意義③弁当作りに関して、適量・つめ方・工夫等について、ご講演いただきます。生徒が自分で弁当をつくる貴重な機会となります。保護者の皆様におかれましては、できるだけお子様一人の力で弁当をつくるよう、配慮をお願いいたします。

○北風走大会について

当日保護者による応援は、生徒の待機場所やウォーミングアップ場所となるグランド以外であれば可能です。車の駐車スペースはありませんのでご了承ください。詳細については、12月1日に案内状を配付します。