令和2年9月8日
保護者の皆様へ
コミュニティ・スクール那珂川市立那珂川北中学校
校長 古澤 裕二
オンラインゲームに関する注意喚起のお願い
残暑の候、皆様におかれましては益々ご健勝のことと拝察いたします。
さて、先日、SNSの件で注意喚起をお願いしたばかりで恐縮ですが、現在市内小・中学校をはじめ全国的に「フォートナイト(対象15歳以上)」「荒野行動(対象17歳以上)」などのオンラインゲームが問題となっています(スマホで利用可能)。本校で調査したところ、全校生徒のうち約3分の1の生徒(延べ人数174名)がこれらのゲームを行っています。これらのゲームは、プレイヤーが生き残るために武器や仲間を見つけて戦う戦闘ゲームですが、具体的には次のような点が全国的に問題となっています。
①親に内緒で「課金」する点
課金することで他のプレイヤーとは違ったアイテムを手に入れることができます。そのため、アイテムが欲しくて、親に内緒で10万円以上の課金をしたという小学生の例もあります。
②攻撃的な言動で「いじめ」を誘発する点
敵を倒していくゲームの特性上攻撃的になり、暴力的な言葉や差別的な言葉を使う傾向が強くなります。また、そういった言動を学校生活に持ち込み、対戦相手のクラスメート等に対していじめを行うといった例もあります。
③不特定多数の人と知り合いになる点
チャット機能が使えるため、不特定多数の人ともコミュニケーションを取ることができます。そのため、個人情報を漏らしたり交友関係が広がったりして、トラブルに巻き込まれた例があります。
※先日9月5日、奈良市で男が未成年者誘拐で現行犯逮捕されています。オンラインゲームで知り合った小学校4年生の女児と会う約束をして、車で連れ去ったためです。
※昨年12月中旬、福岡県の中学生に大麻の購入を呼びかけるメッセージが届く事件が起こっています。のちに、メッセージの送り主が中学生と接触するために、人気ゲーム「荒野行動」を悪用したものと判明しました。
④中毒性があって止められなくなる点
最後まで勝ち残ることを目指すゲームであるとともに、プレイヤーの脳が興奮状態になるように作られていて、快楽物質であるドーパミンを大量に分泌するため、子ども自身では止められません。寝る間も惜しんでゲームを行い、生活習慣が乱れたり授業中の集中力がなくなったりして、不登校やひきこもりの要因にもなっています。さらに毎日長時間行えば、子どもの脳は機能低下を起こし、感情や理性をコントロールすることができなくなります。親がゲームを取り上げると、子どもが親に殴りかかるなど暴力的な行動を取る例も起こっています。
※2018年、世界保健機関(WHO)は新たな疾病として「ゲーム障害」を盛り込み、①ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない、②ゲームを最優先する、③問題が起きているのに続ける、などといった状態が12カ月以上続き(子どもはもっと短期間でも)、社会生活に重大な支障が出る場合を「ゲーム障害」と定義しています。
本校では、今回の件について、全校生徒に校内放送で注意喚起を行っています。是非、ご家庭でも、お子さんのゲーム状況を確認していただき、万一これらのゲームをやっている場合や問題がある場合には注意喚起をしていただくようお願いします。もしお子さんに注意しにくい状況がありましたら、担任までご相談下さい。保護者の皆様と協力して指導していきたいと思います。
【本件についてのお問い合わせ】
電 話:092-953-7887
FAX:092-953-7880
教 頭:平野 善浩 まで