「校則について」校長 平野 善浩
12月9日に行われた「北風走大会」は絶好のマラソン日和となり、無事開催することができました。多くの生徒達は自己記録を更新して、達成感を味わうことができたと思います。たくさんの保護者からの応援もあったからこそ、生徒も全力で頑張ることができたと思います。忙しい中、応援に来ていただき本当にありがとうございました。
今回は「校則」について書きたいと思います。「校則」については、マスコミにおいてよく話題になっています。特に「ブラック校則」という言葉はよく出てきます。そのせいか、中には、あたかも「校則」があること自体が良くない、「校則」はなくしてすべて自由にしてしまった方が良い、という意見も見られます。しかし、学校教育においては、世の中に出ると何らかの秩序があるという感覚、何らかのルールが必要であるという感覚を育てていくことも必要なことだと考えます。
「荒れた学校」というのは規律がないがしろにされている傾向があります。どのような学校でも規律を回復させれば、学校が良い方向へと動き出します。自然に学力や体力が向上し、部活動でもよい結果へとつながっていきます。「規律」は学校教育においてなくてはならないものです。もちろん、「ブラック校則」と言われるように、不合理ないきすぎた校則もあります。そこは社会通念に照らして「校則」は見直していかなければいけません。そこで、本校における「校則」の基本的な考え方について、以下のポイントを押さえておきたい思います。
①「校則」を設けること自体は、必要なことであるということ。学校は小さな社会です。社会においては様々な法的な規制があるように、集団生活を行う学校においてもルール(つまり校則)は必要です。学校において「ルールは守らないといけない」という規範意識を育てることはとても重要なことです。 また裁判所の判例においても、学校が「校則」を制定する権限を有することは明示されています。
②「校則」は生徒の権利を守り、よりよい方向へ導くためのものであること。 荒れた学校、つまり規律が乱れた学校ではまじめな生徒の権利が侵害され、学習活動に一生懸命頑張ろうとする雰囲気さえ乱れてしまいます。一部の生徒がわがままをやりだし、立場の弱い子が安心して学校生活を送れない状況が生まれやすいのです。結果的に、学校全体の学力は上がらず、生徒は進路面でも大きく不利益を被るようになります。「校則」は生徒を縛るものと考えられがちですが、生徒の権利を守るためのものです(法律が我々の権利を守ると同じように)。また、裁判の判例においては、「校則」によって「華美な頭髪や服装等を制限することで、生徒に対して学習や運動等に注力させ、非行活動を防止するという目的」は正当なもので、生徒をよりよい方向へ導くためのものであることが明示されています。
③校則の内容は、生徒の実態によって決まると言うこと。 端的に言うと、多くの生徒がきまりを守ることができる学校は「校則」が少なく、決まりが守られない学校は「校則」が多く細かい、ということです。生徒の実態により、「校則」による規制の程度が決まると言うことです。裁判の判例によっても、学校の実態によって「校則」の内容に差があってよいとされています。またその具体的な基準は、「最終的には中学校長の専門的、技術的な判断にゆだねられるべき」であることが明示されています。
本校における「校則」の見直しについてお知らせします。 現在、全校生徒から、本校の校則について意見を集め、12月中に生徒会執行部と生徒指導部(教員)が協議を行い、「校則」と「生徒指導マニュアル(違反したときのペナルティ)」の内容について見直しを行っているところです。今年度4月からは、シューズの色や靴下等に関する規定が変わり、シューズの色は基本的には自由になりました。ご存じのように本校生徒は現在落ち着いており、「校則」をしっかり守れるようになっています。しっかり生徒が「校則」を守れる状況であれば、もっと規定の幅を広げても構わないと考えています(その反対に現在の「校則」をしっかり守れない状況であれば規定は厳しくせざるを得ません)。現在生徒会執行部が生徒の意見をまとめ、それをもとに教員と話し合い、来年度に向けてより学校の実態に合った「校則」の変更点を協議しているところです。その結果については、「生徒総会」で全校生徒に周知すると共に、保護者あて文書を配布してお知らせします。また「校則」と「生徒指導マニュアル(ペナルティ)」についてはHPにも掲載します。
右のグラフは、毎月全校生徒にとっている学校生活いじめアンケートの11月分をまとめたものです。この結果からも、現在の本校が、規律の良い学校になっていることが分かると思います。生徒達が「校則」をしっかりと守ってくれるからこそです。学校を建て直すのは、多くの時間と労力がかかりますが、崩れるのはあっという間です。このまま規律ある学校を維持するためにも、保護者や地域の皆様にご協力お願いいたします。
毎日カップ「体力つくり」コンテスト 全国第3位
12月9日、東京の毎日新聞本社で、毎日カップの受賞式がありました。本校から生徒代表として、前保健体育委員長の永田舜侑君、平野善浩校長、保健体育科主任の大竹野拓実教諭が受賞式に参加しました。今年度の毎日カップでは、全国4072校がエントリーしましたが、11月号でもご紹介した通り、今年度本校は『日本中学校体育連盟賞』を受賞することができました。これは、四千数百校の応募のなか全国3位にあたります。昨年度の『毎日新聞社賞(全国2位)』に引き続きの受賞となりました。会場の委員の皆さんからは、「取り組みはとても素晴らしい。文部科学大臣賞(全国1位)を受賞するためには、この取り組みを継続することが大切」とアドバイスいただいたそうです。来年度も運動を通じた体力向上だけでなく、運動の学力面や精神面での効果的活用も踏まえて、引き続き取り組んでいきたいと思います。
北風走大会 応援ありがとうございました!
12月9日(土)、第5回北風走大会(校内駅伝・マラソン大会)を開催しました。当日は晴天に恵まれ、暖かさを感じる気温の中、マラソンの部がスタート、その後各クラス代表6人で構成する駅伝の部が行われました。晴動雨読や保健体育の授業で練習してきた成果が発揮され、マラソン・駅伝それぞれの部で接戦が繰り広げられていました。多くの保護者の方々も応援に駆けつけてくださり、その声援もあって、多くの生徒が今年度のベストタイムを出せたようです。
今年度5回目を迎える北風走大会は、コロナ渦でも唯一行われてきた学校行事です。長い距離を走ることはきついことでもあり、苦手としている生徒もいますが、今までの北風走大会を振り返ると、毎年走ったあとは多くの生徒が達成感を感じていたことが印象的でした。自分に負けずに走りきった満足感や多くの声援を受けながら走った有用感が、この達成感の要因ではないかと思います。昨今、子どもたちがきついと感じることへのチャレンジを大人が故意にさけさせようとする風潮もありますが、きつい思いをしながらも壁を乗り越えることの喜びや、多くの人々に応援してもらうことで感じる自己有用感は子どもたちの成長にとって欠かせないものだと思います。これからも北風走大会を本校の伝統として続けていきたいと思います。運営にご協力いただいたPTA本部役員や地区委員の皆様、応援していただいた保護者の皆様、本当にありがとうございました。
【マラソンの部】
1年女子 優勝 濵畑友菜 第2位 黒木陽 第3位 濱本穂乃花
1年男子 優勝 吉原湊 第2位 溝上凱士 第3位 花田悠貴
2年女子 優勝 西山綾華 第2位 石橋愛華 第3位 伊藤七海
2年男子 優勝 堤湊矢 第2位 松浦蒼空 第3位 米原幸志
3年女子 優勝 北村莉乃亜 第2位 古賀美優 第3位 内野伊央莉3年男子 優勝 池田徹平 第2位 大田佳人 第3位 向井陽斗
【駅伝の部】
優勝 2年1組 34分46秒
第2位 2年4組 34分47秒
第3位 3年2組 34分52秒
区間賞
1区 原田心暖 5分54秒 2区 坂本武,山内翔太 5分07秒
3区 禅院綾奈 6分13秒 4区 寺尾壮太 5分07秒
5区 親泊陽南 5分38秒 6区 オミレ瑛人 4分43秒
【総合の部】
(1年):1位 5組、2位 3組(2年):1位 1組、2位 4組
(3年):1位 2組、2位 1組
キャリア教育講演会(卒業生講話)
9日(土)の北風走の後、キャリア教育講演会(卒業生講話)が行われました。昨年度の卒業生で、現在春日高校1年生岸川侑生さんと有明高等専門学校の桂田拓海さんが講話に来てくれました。岸川さんは本校ハンドボール部出身、桂田さんは野球部出身で中学校時代は部活動も勉強もどちらも両立して目標を達成したすばらしい先輩達です。それぞれ、高校生活の話やそれを踏まえて中学校時代に取り組んでおくべき事、大切な考え方などとても内容の濃い話をしてくれました。特にサクセスノートの活用の仕方は二人の先輩とも工夫して取り組んでいたとのことで、自由な高校生活の中で自分の責任で学習を進めることが求められる今、自分で内容などを考えながら取り組むサクセスノートの重要性に改めて気づいたと話していました。
先輩方のお話は高校生になっても受験を控えた3年生だけでなく、1,2年生もとても大きな刺激を受けたようです。