「ネット依存」

校長 古澤 裕二

福岡県にも緊急事態宣言が発令され、体育会練習も中途半端なまま途切れてしまいました。さらに、宣言延長が決定され、中体連総合体育大会も延期となってしまい、現在学校行事のスケジュール調整に大変苦慮しているところです。

さて、携帯・スマホによる問題は、これまでも保護者の皆様に何度も警鐘を鳴らしてきたところです。今日では様々な実験から、携帯・スマホが側にあるだけで、学習や記憶、睡眠に悪影響をもたらすことがわかっています。また、様々な人間関係のトラブルも引き起こします。実際に本校でも、今年度に入って、LINEでの悪口の書き込みや画像の流出等の問題が起こっています。また、携帯・スマホ以外にもゲーム機、タブレット、パソコンなど、生徒がインターネット利用(YOUTUBE、TickTok、オンラインゲーム等)の機会が増え、長時間利用が懸念されるところです。中には、オンラインゲームを無理に止めさせたところ、子どもが暴れるといった話も聞かれます。そこで、神奈川県にある久里浜医療センターが利用している「インターネット依存度テスト」を参考に、4月に全校生徒を対象にした調査を行いました。※テスト及び判定基準はHPに掲載

その結果、「問題ユーザー」に該当する生徒が、1年生25.3%(43人)、2年生40.7%(61人)、3年生39.4%(54人)という結果でした。さらに、「治療を要するユーザー」に該当する生徒は、1年生1.2%(2人)、2年生0.7%(1人)、3年生1.5%(2人)という結果で、こちらの該当生徒については担任から保護者に連絡を入れています。調査を通して、ネット利用の多様性や利用時間の長さなど、こちらが予想していた以上に問題があることがわかりました。2008年の久里浜医療センターの調査によると、20歳以上でネット依存が疑われる者は、全国で270万人にものぼるそうです。

ネット依存の原因については、スウェーデンの精神科医が書いた、世界的なベストセラー『スマホ脳』という本に詳しく掲載されています。その内容を読んでみると、脳内の伝達物質である「ドーパミン」の影響であることがわかります。この「ドーパミン」は、目標達成に向けて何度もくり返し努力し、「達成感」を味わうと脳内に分泌する「報酬物質(快く感じる物質)」と言われます。これが脳内に分泌されると、もっとできるかもしれないと「やる気」が湧いてきて、さらに高い目標に向かって努力したくなります。このように長期的なスパンで人が能力アップする際に、最も有効な方法としてうまく使うこともできるものです。この方法を利用した本校の「鍛える教育」とはまさにこの方法なのです。一方で、「ドーパミン」が短期的なスパンで何度も繰り返し脳内に分泌されると、依存に陥ってしまうというデメリットも持ち合わせています。たとえば、ゲームで敵を倒した時やスマホから新しい刺激(情報)を得た時などは、頻繁に脳内で「ドーパミン」が放出されます。すると、「もっと達成感を感じられるかもしれない」「もっと刺激を得られるかもしれない」といった期待によって、止められなくなってしまいます。さらに、ゲーム会社は、プレイヤーの心理や行動を分析・研究し、ゲームにどっぷりハマるよう綿密な戦略を立てています。フェースブックやツイッターのような企業も、人々の注意を自社のサービスに向けさせようと激しい開発競争を繰り広げています。開発者は、人間の脳内で「ドーパミン」が分泌されるメカニズムやそれを効果的に活用する方法を研究し、よく理解したうえで開発を行っています。

『スマホ脳』には、アップル社の幹部の言葉が紹介されています。「冷や汗をびっしょりかいて目を覚ますんだ。僕たちはいったい何を創ってしまったんだろうって。うちの子供たちは、僕がスクリーンを取り上げようとすると、まるで自分の一部を奪われるような顔をする。そして感情的になる。それも、激しく。そのあと数日間、放心したような状態なんだ」また、自分の子供には使用を制限していたアップル創業者スティーブ・ジョブズや、マイクロソフト創業者ビル・ゲイツのことも紹介されています。ジョブズは、「ipadをそばに置くことすらしない」と述べ、子どものスクリーンタイム(アプリやネットの利用時間)を厳しく制限していたと。一方、ゲイツも自分の子どもが14歳になるまでスマホは持たせなかったと。つまり、IT企業トップの多くは、子どもの情報機器やネット利用における恐ろしさをよく理解しており、自分の子どもには無条件に使用を許すことはなかったのです。

ネットの問題は依存の問題だけではありません。警視庁によると、令和元年のSNSを巡って犯罪行為に被害にあった児童は2082人にものぼります。学校でも生徒会と連携して様々な取組を行っていきます。ご家庭でも、情報機器やネット利用に関する対策(①利用制限、②家庭のルール、③お子さん自身によるマイルールづくり、など)を行うとともに、お子さんの「自制心」を高めるよう努めていただければ幸いです。

※お子さんのネット利用に関して気になることがありましたら、遠慮なく担任等へご相談ください。

第18回 体育会についてのお知らせ

福岡県においても緊急事態宣言が出され、5月16日に予定されていた体育会は残念ながら延期となってしまいました。さらに緊急事態宣言は6月20日まで延長された関係で、延期になっていた体育会を下記のとおり実施します。

  • 6月21日(月)1・2限  体育会練習
  • 6月22日(火)1・2限  体育会練習
  • 6月23日(水)体育祭リハーサル
  • 6月24日(木)1~4限 第18回体育会(競技種目)
  • 6月25日(金)1・2限 第18回体育会(ブロック演技・解団式)

※コロナ感染状況や天候により変更の可能性があります。

※コロナ感染症拡大防止のため無観客で実施します。

※業者による写真撮影と本校職員によるビデオ撮影を行い、販売を計画しています。販売方法については、後日連絡します。

生徒の皆さんにとっては、一度延期になったことで、体育会に対するモチべーションを再び高めることは難しいことかもしれません。しかし、体育会練習が再開したら、これまでのことを思い出して、きっと3年生を中心に立派な体育会を創り上げてくれると思います。

4月標準学力分析検査の結果が出ました

4月13日(火)に行われた、標準学力分析検査の結果をお知らせします。今回のテストは、筑紫地区23校中19校が受験しました。

1年生は(グラフ中◆)です。偏差値は「51」と福岡県の平均をかろうじて上回っていますが、筑紫地区においては、下位に位置しています。しかし、これが始まりです。今1年生は学力向上を目指して日々努力をしているところです。次のテストでは必ず成績を伸ばしてくれると期待しています。

2年生(グラフ中■)3年生(グラフ中●)は2月と比べると残念ながら成績が下がりました。これは学習時間が減少していることも原因の一つと考えられます。その場しのぎの勉強ではなく、しっかりと毎日の学習を習慣づけて、徐々に学力を伸ばしていくことが大切です。

【学力の推移】

【標準学力分析検査 本校平均点】( )内は県平均比 ※100点満点

次は、8月の課題テストです(3年生のみ6月に学力診断テスト実施)。今年度の目標「筑紫地区1番」の実現を目指し、教師、生徒ともに学力向上の取組をさらに進めていきます。

花壇の花をリニューアルしました

「良い学校かどうかは、その学校の花壇を見たらすぐに分かる。」という言葉があります。正面入り口の花は、整美委員会の生徒が、しっかりお世話していつもきれいにしてくれています。

5月28日(金)に整美委員会が、花の植え替えをくれました。植木鉢に今まで咲いていた花をぬくときに出てきたたくさんの害虫にも負けずに、委員会の生徒の手できれいな花々が植えられ、昇降口や玄関前がとても華やかになりました!整美委員の皆さん、本当にありがとうございました。

学校からのお知らせ 

【筑紫区中体連総合体育大会について】

  • 会場が緊急事態宣言解除まで使用不可となるとともに、生徒の健康・安全面を考え困難であると判断し、6月12日(土)・19日(土)・20日(日)に予定していた全種目を緊急事態宣言解除まで延期します。
  • 緊急事態宣言解除後の日程や会場については今後検討し、改めて部活動顧問から周知します。

【部活動について】

  • 部活動の対外試合については、「原則、各市内レベル(自転車移動が可能な範囲)」とします。

6月・7月の学校行事

※HPトップのスケジュールをご参照ください。