「学力向上に向けて」

校長 古澤 裕二

先週の4連休中に開催された大会等で、3年生は部活動引退となりました。最後の大会で、少しでも達成感や充実感、感動などを味わってくれていたらと思います。また、今後3年生は、部活動から勉強への切り替えがとても大切になってきます。
さて、本来、夏休み期間中は生徒自身が家庭で基礎学力を定着させる時期です。夏休みはほぼなくなりましたが、8月末までを本校では「学力向上月間」と名付け、生徒の基礎学力の定着に努めていきます。それに関連して、本校の学力向上の取組や考え方について、5つの視点からお伝えします。
① 授業規律の徹底
集団生活を行う学校では規律はとても重要なもので、規律がなければ学力向上は不可能です。ルールやマナーを守らせる中で、何事にも一生懸命に頑張ることやお互いを高め合うことの大切さを理解させていかなければなりません。昨年度当初は、授業中の居眠り、不規則発言、勉強道具や宿題忘れ等が多く見受けられ、朝の始業前の黙想すらままならない学級もありました。今年度は、生徒会や先生方の取組のお陰で、随分改善することができています。
② 各教科・各学年における工夫
よく授業改善と言われますが、授業改善とは2つのことを意味します。それは、「わかりやすい授業を行うこと」と「わからせたことを定着させること」です。わかりやすい授業については、タブレットを活用したICT教育の充実を図っていきます。また、わかりやすい授業を行っても、学習内容を定着させる取組をしないなら、一時的な理解で終わってしまいます。そもそも学習内容の70%は、翌日になれば忘れているというデータがあります(「エビングハウスの忘却曲線」と言う)。そのため、定期的に思い出させる学習を仕組むことが大切です。忘れた頃にくり返し学習すると、脳が「これは大切な事だ」と判断し、長期記憶として保存されるような仕組みになっているのです。本校では、帰りの会で各学年で工夫して実施する「エブリデイ学習(30分間)」等がその役目を担っています。
③ 補充学習・自主学習のサポート
学習が遅れがちな生徒については、授業中だけではなかなか行き届いたサポートを行うことができません。本校では、「CSS」と称して、職員室前に机・椅子を並べた学習スペースを活用して、放課後の補充学習を行っています。また、自主学習を行う生徒や宿題を忘れた生徒も利用しています。昨年度の受験前には、平日放課後や休日に学習スペースを利用する3年生が常時5~6名いました。因みに、「CSS」とはコミュニティ・スクール・スタディの略で、担当教師3名以外にも、地域の方や大学生がサポート役として来校していただくことを期待して付けた名称です。さらに、那珂川市教委と連携して、「Nスペ」と言う土曜学習会の参加者の充実も図っています。
※因みに、今年度の「Nスペ」申し込みは締め切りましたが、 1年生30名、2年生50名、3年生65名が参加予定です。
④家庭学習充実のための工夫
これまで何度も、本校生徒の家庭学習の不足やスマホ・携帯の長時間利用について警鐘を鳴らしてきました。6月の家庭学習時間の集計結果では、保護者の皆さんのご協力のお陰様で、随分家庭学習時間が増えていました。「1・2年生は2時間、3年生は3時間」というのが、一般的な中学生の1日の家庭学習時間だと思います(塾も含む)。家庭学習を充実させるために、本校では独自の「サクセスノート」を活用させています。活用方法は何度も指導をしているのですが、残念なことに単なるノルマとして捉えている生徒もいるようで、殴り書きでページを埋めている生徒もいます。よいノートの模範例は、教室や廊下等に貼り出しています。自分自身にとって意味あるものや受験につながるものにしてほしいと思います。また、家庭学習のやり方についても、脳科学に基づいた効率の良い家庭学習法というものが存在します。学校再開時に「学びナビ(家庭学習のナビゲーションの略)」と称して、各学年集会で説明しています。
⑤ 学習意欲を向上させる工夫
よく言われるのは、生徒の「内発的な動機付け」の重要性です。これは「学習内容の面白さを味わわせること」を意味していますが、中学校の学習内容は小学校と比べ随分難しくなるとともに、教科による好き嫌いがはっきりしてくるので、全ての教科で「学習の面白さ」を生徒に味わわせることはほとんど不可能です。実は、「内発的な動機付け」はもう一つの意味があります。それは、「達成感を味わわせること」です。達成感を味わわせることでやる気が出て、次の学習への動機付けとなるのです。したがって、中学校では、「面白そうだ」より「わかった・できた」を感じさせることのほうが大変重要です。これは、以前本校の教育方針でも述べたことですが、目標をもたせ、その達成に向けてくり返し努力させ、達成感を味わわせるというサイクルをつくり出すこと(本校では「鍛える教育」と呼ぶ)が大切です。また、自分の努力過程を振り返らせることも大切です。これを「努力の見える化」と呼んでいます。たとえ目標を達成できなかったとしても、「これだけ努力したんだ」という振り返りができるように、サクセスノートの中に毎日の家庭学習時間等を記録させています。さらに言えば、外発的な動機付けも重要です。これは、キャリア教育を充実させることによって、生徒に自分自身の将来を展望させることです。将来のことを考えさせるによって、将来の自己実現のために今何をやるべきかが見えてくると思います。
以上のように、学力向上は、様々な取組を通して初めて実現できるものです。今後も様々な取組を通して、生徒の学力向上を図っていき、その成果をお伝えしていきます。

学力分析検査(6/26実施)の結果

毎年4月に実施されていた学力分析検査がコロナウィルス感染症による休校のために、6月に行われました。その結果をお知らせします。各学年とも結果は下の表のようになっています。【(Tスコア)県平均値は50・(  )内は前回の実力テスト結果】2,3年生ともに1ポイント成績を伸ばしています。1年生はこの成績がスタートです。全学年さらに成績が伸びるよう、教員、生徒一丸となって、学力向上の取り組み進めていきます。

 

合計
1年 56 53 53 52 54
2年 54
(54)
50
(51)
58
(58)
52
(53)
60
(59)
56
(55)
3年 55
(53)
53
(54)
54
(52)
54
(52)
56
(55)
55
(54)

※( )内は前回の結果

部活動・3年生の最後の大会

3年生部活動生の最後の大会やコンクールが終わりました。臨時休校や中体連大会の中止などの様々な困難がありましたが、それを乗り越えてそれぞれの三年生が最後の大会へ向けて努力してきました。最後の大会は、7月最後の4連休を中心に実施されました。これで3年生は部活動から引退となります。
これまで部活動で経験してきたことを、次の進路実現へ向けてつなげていってほしいと思います。

野球部

優勝(那北6-0那珂川,那北5-1那南)

ソフトボール

2位(那北4-5春日西・南,那北0-9春日東,那北4-2春日,那北3-1那珂川)

サッカー

2位(那北6-1那珂川,那北1-4那南)

男子テニス

(個人戦)準優勝 Aパート仲宗根・武田 B津田・松浦
(団体戦)優勝

女子テニス

(個人戦)準優勝:境田優香・中口鈴菜
3位:足立実桜・林菜摘
3位:川口愛里・伊藤羽菜
(団体戦) 準優勝(那北1-2那南,那北2-1那珂川)

陸上

毛利日陽 砲丸投 1位
眞野いづみ 100MH 2位
坪根栞那 走幅跳 5位
吉田ゆい奈 800M 8位
田中飛毅 走高跳 3位
養父大河 110MH 7位

ハンドボール

予選リーグ惜敗

男子バスケ

2位

女子バスケ

優勝

男子バレー

25日:予選リーグ惜敗
26日:準決勝進出

女子バレー

予選2位

男子卓球

(個人戦)個人優勝:井手 彩翔

女子卓球

(団体戦) 団体戦 那北A準優勝

剣道

錬成会のため、順位決めなし

水泳

記録会のため、順位なし

吹奏楽部

合同演奏会

最後の大会を終えて~各部長からの言葉~

【剣道】部長 中島 陽斗
小林先生のきつい練習を倒れそうになりながらも、2年間やりきって良かったです。試合後の達成感はすごかったです。
【水泳】部長 田中碧生

自己ベストを達成することができました。最後の大会で知らない人と仲良くなれたので良かったです。

【野球】部長 松元瑛大

練習でやっていたことができました。今までたくさん怒られてきたけど、優勝できて本当にうれしいです。

【女子バスケット】部長 桂田 美晴

最後まであきらめずに一人一人が自分でできることを一生懸命頑張りました。

【女子テニス】部長 林 菜摘

優勝できるように全員がペアと協力して頑張りました。部活を通して、仲間と協力する学べて良かったです。

【女子バレーボール】部長 山下 有紀

みんなの集中力が今まで見たことがないくらいで、声もすごく出ていてつなぐプレーができました。今まで勝てなかった相手にも勝てたので後悔はありません。最後まで笑って終われたので良かったです。

【男子ソフトテニス】部長 豊村 翼

みんな大きな声で応援して、一人一人が全力でプレーできました。2年の時にもっとしっかり部活をしておけば良かったです。

【ソフトボール】部長 田中 沙季

最後は悔いなく終われたので良かったです。部活をとおして、いろいろなことを学ぶことができたので、最後まで頑張って良かったと思いました。

【吹奏楽】部長 有馬 光希

落ち着いて、最後まで楽しんで演奏ができました。部活が終わって、やり遂げたという達成感を味わえました。

【女子卓球】部長 立神 愛彩

一人の力では得られ得なかった結果だからこそ、仲間と最後までやり遂げた達成感は大きかったと思います。仲間の存在の大きさを感じました。

【ハンドボール】部長 山田 浩平

2試合目のように、ハンドボールを「楽しむ」ことで自然と仲間と笑顔になれました。負けて悔しいという気持ちもあるけれど、ハンドボールをやって良かったと思いました。

【男子バレーボール】部長 石合 一樹

悔いの残らない試合ができたので良かったです。3年間あっという間に感じました。来年は今年より良い成績が残せるようにがんばってほしい。

【陸上部】部長 坪根 栞那

3年間の努力したことを出し切り、多くの人がベスト8に入賞することができ、悔いの残らない大会になりました。

【男子卓球】部長 井手 彩翔

大会では一人一人があきらめずに最後まで全力プレーできました。前の大会の時と比べて、たくさん勝てていたから良かったです。最高の試合ができたと思います。

【男子バスケット】部長 判田 理空

1年生の時から今のメンバーで頑張ってきて良かったです。きついことを続けてきたからこそ、部活が終わってこの達成感があると思います。

【サッカー】部長 平山 俊輔

3年生のメンバーが誰一欠けることなく参加できたのが良かったです。結果は準優勝だったけれど、この大会をとおして選手一人一人が得たものは大きいと思います。

8月・9月の主な行事

8月
3日(月) 1・2年生教育相談(~5日)
3年生 進路相談(~5日)
4日(火) 英検IBAテスト
6日(木) 平和学習
7日(金) 全校集会・前期前半終了
8日(土)~16日(日) 夏季休業
17日(月) 前期後半開始
26日(水) 1年生心臓検診
28日(金) 夏休み課題テスト
9月
3日(木) 前期期末考査
4日(金)
12日(土) イングリッシュイベント
18日(金) 専門委員会
24日(木) 生徒会立会演説

那珂川北中学校 学校だより