「地域を担う人材づくり」
校長 古澤 裕二
2年生は、新型コロナウイルスの件で大変ご心配をおかけしましたが、先日修学旅行を無事終えることができました。生徒の聞く態度や並んでいる様子などについて、旅行会社や観光案内の方からお褒めの言葉もいただきました。また、3年生は、公立推薦入試を17名が受験して全員合格することができました。残すは公立一般入試となります。
さて、本校は、コミュニティ・スクールとして地域との連携強化を目指しています。コミュニティ・スクールは、平成17年度から全国で17校が指定を受けてスタートしました。昨年の調査では、全国のコミュニティ・スクールは7601校に増え、全国の公立小中学校・義務教育学校における導入率は23.7%です。今後、文科省はさらにコミュニティ・スクールを全国に広げようと考えています。
コミュニティ・スクールの定義によると、学校運営協議会を設置している学校はすべて該当することになります。学校運営協議会は、地域・保護者・行政・学校の代表者や学識経験者で構成され、校長の学校経営方針への意見や承認を行います。文科省が、コミュニティ・スクールを全国に広げようとしている背景には、現在のところ最も学校と地域の連携強化ができるシステムだからという理由があげられます。では、なぜ学校と地域が連携を強化しなければならないのでしょうか? それは、子どもの「社会性」の育成のためなのです。
十数年前、文科省の研究グループは、子どもの一番の問題点を、社会性の基礎となる「人と関わりたい」という意欲そのものが低下している点にあると結論づけました。その要因は、昔に比べて子どもが一人で過ごす時間が増え、地域における多様な人間関係の中で揉まれることがなくなったからです。そのことが人間関係の希薄化を生んだり、他人を平気で傷つけたり、ルールを守らなかったり、といった多くの問題を生み出しているというわけです。実際に、不登校の大きな要因の一つにもなっています。この課題を解決するために、地域における「異年齢との交流活動」の機会を意図的に増やし、「自己有用感」を感じさせようと考えたわけです。「自己有用感」とは、他人の役に立った、他人に喜んでもらえた等、他者からの評価によって育っていくものです。新学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」という言葉で、学校と地域が連携した授業を各学校のカリキュラムの中に位置づけるように示されています。
教育評論家の藤原和博さんは、教師と生徒との関係や親子の関係は「タテの関係」、同世代の友だち同士の関係は「ヨコの関係」。地域に住んでいるおじちゃん、おばちゃんとの世代を超えた関係を「ナナメの関係」と呼んでいます。人は多くのつながりの中で成長していく、と「ナナメの関係」を豊かにすることの大切さについて述べています。
そこで、本校と地域との連携に関する実態はどうかと言うと、今年度4月に3年生を対象とした調査において、「今住んでいる地域の行事に参加していますか」という設問に対して、「とても」「だいたい」と回答した本校生徒は33.5%、全国平均は50.6%でした。まだまだ少ない参加状況ですが、今後増やしていきたいと考えています。すでに、今年度は、地域ごとの生徒組織である「部伍会」を立ち上げ、その中の代表生徒を「部伍長」として位置づけました。この部伍長は、
地域行事について話し合う「那北中コミュニティ推進委員会」に生徒代表として参加し、保護者・地域の代表や担当教師と協議します。後日、部伍長は、地域ごとに部伍会を開催し、協議した内容を部伍会メンバーに伝え、地域行事への参加者を募ります。実際に地域行事に参加し、地域貢献活動を行った生徒の延べ人数は349名です。また、地域行事に参加しにくい生徒のために、校内ボランティアへの参加を呼びかけ実施しましたが、参加した生徒の延べ人数は399名です。合計で748名の生徒が地域貢献や校内ボランティアに参加してくれました。地域行事に参加した本校生徒の感想を見ても、地域のお年寄りの方から「ありがとう」という感謝の言葉をかけられ、役に立った喜びや達成感を感じたという感想が多く見受けられます。
来年度は、さらに地域貢献活動に参加する生徒数を増やすとともに、地域の方も学校の教育活動に参加してもらえるようなカリキュラムを工夫し、生徒の「社会性の育成」から「地域を担う人材づくり」へとレベルアップを図っていきたいと考えます。
授業参観
2月5日(水)に1年生の授業参観を行いました。
今年度、最後の参観とあって、たくさんの保護者の方に来ていただきました。2年生は、進路学習会を体育館で行いました。
第1・2学年学力診断テスト結果
1月31日(金)は福岡地区私立高校の前期入試でした。この日に例年、第1・2学年の学力診断テストを実施しています。今年度の結果が出ましたので、お知らせいたします。
1年生の結果が徐々に伸びています。特に社会と英語は県偏差値(Fスコア)の50を大きく超え、58と59という結果が出ています。
各教科のFスコア
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1年生 11月 2月 |
54 54 |
57 58 |
49 50 |
51 53 |
53 59 |
53 55 |
2年生 11月 2月 |
53 54 |
51 52 |
55 54 |
54 52 |
54 55 |
54 54 |
今後の課題は、どの教科も1年生の社会や英語のように、成績をさらに向上させていくことです。そのために、授業やエブリデイ学習の充実、自学ノートや家庭学習の徹底に取り組んでいこうと考えています。ご家庭のご協力をよろしくお願いいたします。
2年 修学旅行
2月19日(水)から21日(金)に行われた2泊3日の修学旅行は、「共創」のテーマのもと嵐山散策、班別自主活動、学級別コース活動、奈良公園見学・講話など学校ではできない数多くの貴重な体験をすることができました。
出発前からコロナウイルス等で心配されましたが、天候に恵まれ、充実した3日間を過ごすことができました。
修学旅行で一番楽しかった活動
- 2日目の班別自主活動です。初めての京都だったので、自分でもずっとわくわくしていたし、班の人と協力しながら、と言うのが新鮮で楽しかったです。
- 班別自主活動です。友だちとたくさん話をしたり、寺に行ったり、お土産を買ったりして楽しかった。自分のまだ知らないことなどたくさんあって知ることができた。
- 2日目と3日目です。理由は1日目は先生に言われて動いていて、怒られ、自分たちで指示できませんでした。2日目以降は、自分たちで呼びかけができたからです。
修学旅行で「学んだこと」・「成長したこと」
- 一人の失敗で全体に迷惑がかかるということを改めて学ぶことができた。絶対に失敗するなというわけではないが、失敗しないように意識して行動できるようになったことが大きな成長かなと思います。
- 周りに気を配れるようになったと思う。まだ、これからも続けないと成長じゃないので続けます。
修学旅行の経験をこれからの生活にどのように生かしますか。
- 時間を守ることは前からできていたので、できたことは続けていき、新しくできるようになった周りを優先させることを学校生活の場で活用していきたい。
- 修学旅行では、「けじめ」「気配り」「ルールを守る」ということの大切さを知ったのでこれからも行っていきたいです。
- ルールを守ることや、先生や実行委員の人たちに言われなくても行動することを生かしていきたいです。
- 修学旅行が成功できたのはあくまでも「実行委員」のみんながいてくれたから成功できたとと思うので、これからは実行委員がいなくても一人一人高め合いたい。
クリーン作戦
2月6日(木)に区長さん、地区委員さん、本校2年生と小学校5年生とで各地域の清掃活動を行いました。今年度からの部伍長を中心に、中学生がリーダーシップをとることができました。
区長さんからの感想
- リーダーの中学生は、小学生の面倒をよく見てくれて、仲良く清掃活動をしてくれました。また、道で会った人には大きな声であいさつをしていました。
- 集合も早く、時間よりも早く始められた。例年よりバックの整理や話を聴く態度は小中学生ともに良かった。公民館清掃も熱心に取り組んでいたように思われる。
2・3月の主な行事
未定
29(土) | Nスぺ講座(1・2年生) |
3月2(月) | 臨時休校 |
10(火) | 公立高校入試? |
11(水) | 個性重視入試? |
12(木) | |
13(金) | 第16回卒業証書授与式? |
14(土) | |
17(火) | |
18(水) | |
21(土) | |
24(火) | |
28(土) |