英語科における『話す力』の向上

 11月22日(土)に、今年度もALTを大勢招いて、イングリッシュ・イベントを開催しました。(詳細は裏面をご覧ください。)イベントのねらいは、外国の方とのコミュニケーションを通して、生徒の英語に関する興味や関心を高め、グローバル人材の育成につなげることです。本校は、このほかにも「英語科授業の工夫」や「朝読書の英語多読」、「英検取得の推進」等、特に英語教育には力を入れています。

 英語科授業の工夫について、まず「5ラウンド」という授業方法の考え方を取り入れている点です。これは、年間を通して教科書を5回通り繰り返す学習法です。1回目は「リスニング」、2回目は「聞いた音から単語や文を並べ替える」、3回目は「音読」、4回目は「穴あき音読」、5回目は「リテリング(教科書の内容を自分の言葉で伝える)」という具合に学習内容を1つに焦点化し、「話す」「聞く」の活動を中心に授業を進めていくのが特徴です。そのため、基本的に「文法」説明には極力時間を割きません。従来の英語学習では、文法説明に時間をかけ、その分「話す」「聞く」の活動がおろそかになりがちでした。また、文法を重視すればするほど、生徒は「話す」ことをためらうようになってしまいます。こうした従来の文法中心の英語学習が、生徒の英語嫌いの要因となっていると考えます。本校では、この「5ラウンド」の原則を踏まえつつ、生徒の実態に合わせたアレンジを加えて授業を進めています。

 また、今年度は福岡県教育委員会が進める「AIを活用した英語授業モデルの構築事業」に参加し、2年生英語科でAIアプリ(テラトーク)を使って、英語の基礎的内容を自分のペースで学習したり、AIアプリを使って英会話を行ったりするなど、AIアプリを使った個別最適な学習の取組も行っています。2年生では海外のALTとオンラインでつなぎ、ネイティブの方々と英会話を行っており、その際AIアプリを併用しながら、自分が話したいことを英語でスピーチする取り組みも行っています。

 一昔前まで、高校・大学の英語科入試では主に「読む力」「書く力」のみが問われ、のちに「聞く力」も付け加えられました。今では、国も地方も「話す力」の習得に力を入れ始めています。文部科学省が6月23日に公表した2024年度「英語教育実施状況調査」で、国の目標水準以上(中学生については外国語習得の国際的な指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のA1レベル(英検3級相当以上)の英語力を身に付けている中学生の割合は前年度より増えて5割超となり、調査開始以来、最も高くなっているそうです。調査では、生徒の英語力を高める要素についても分析が行われ、生徒の英語を使った言語活動や、教師の英語力が高いこと、ICTの活用などが一定の影響を与えていることが示されています。示された要素は、本校の「5ラウンド」や「AIアプリを活用した英語授業」が英語力向上につながることを示しています。

 では、本校生徒の英語の実力はどうでしょう? 

 7月に行われた英検テストの簡略化版である「IBAテスト(3年生のみ実施)」では、「英検3級レベル」「英検3級レベル以上」とされる生徒の割合が43%という結果でした。しかし、これらのテストには「話す力」に関する評価は含まれていません。本校の生徒の実態においても、課題はやはり「話す力」だと感じています。

 今後はさらに、ALTと連携した取組の機会を増やして、英語教育の充実を図り、生徒の「話す力」の向上に努めたいと思います。イングリッシュ・イベントを参観していただいた保護者や会の委員、市教委の皆さん、ありがとうございました。

11月までの学力診断テストの結果

 11月に行われた、学力診断テストの結果をお知らせします。

 1年生(グラフ中◆)は、今回のテストでは「51」、2年生(グラフ中▲)は「54」でした。3年生(グラフ■)は、10月から1ポイント伸ばし「54」でした。

 3年生は10月と11月の学力診断テストの結果を受けて、三者面談にて、受験校を決定していくことになります。「大切なことはどこの高校に行くかではなく、進学した高校で何をやるのかである」と言われます。次のステージで何を頑張りたいのかしっかりと自分を見つめ、受験校を決定していってください。目標は「3年生全員の第一志望校の合格」です!

地域に貢献し、感謝する1日に

地域清掃活動

 8日(土)午前、生徒が日々暮らしお世話になっている部伍に出向き、清掃活動を中心に感謝と恩返しの活動を行いました。また、学校では、この日の午後に開催する「そよかぜフェスタ」の会場準備のお手伝いに約40名が参加しました。

 夏の地域貢献活動では、「自分から挨拶ができた」「相手の話をしっかりと聞くことができた」の2項目で自己評価値が低かった生徒も、今回の清掃活動では、各部伍長の積極的に呼びかけもあり、評価値をそれぞれ0.3ポイント上昇させることができました。今後も引き続き、主体的に地域に貢献できる力を高める教育活動を展開してまいります。

そよかぜフェスタ

 地域清掃活動後、学校に登校した生徒は、この日の午後から開催された「そよかぜフェスタ」に参加しました。

 開催に向け、部活動等の保護者の方々を中心に、飲食物や手作りの物品の販売準備に多くの時間をかけていただきました。当日は飲食ブースのほか、大人から子どもまで楽しめるアトラクションのブースも設けていただき、生徒は飲食にアトラクションにと笑顔いっぱいのひとときを過ごすことができました。長期間にわたり、準備と運営に関わっていただいた多くの保護者や地域の方々に感謝の気持ちでいっぱいです!本当にありがとうございました。

外国語を活用したコミュニケーションに挑戦!

 毎年開催している「イングリッシュ・イベント」を22日(土)午前、学年ごとに時間を分けて体育館で実施しました。

 「イングリッシュ・イベント」とは、普段の授業で学んだ外国語(英語)表現を、実際の生活に近い様々なブースで初めて出会うALTと会話することを通して、学びの価値を実感し、これからの日常生活で外国語を主体的に用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を育成することを目的に開催しているものです。当日は本校生徒のほか、校区内の小学校から希望する5・6年生も参加しました。

 当日は、本校に約40名のALTをお招きし、会場に設けられた「飲食店」や「不動産店」などの仮想ブースに分かれてもらい、ワークショップ形式で生徒と場面に応じた会話を交わしていただきました。生徒はグループ毎に様々なブースを訪れ、商品を注文したり自分の希望を相手に英語で伝えようとしたりして、日頃の学習で身に付けたコミュニケーション能力を発揮することができ、会場内にはたくさんの笑顔と英会話の声があふれていました。
 今後も様々な機会を設け、本校生徒の外国語表現力やコミュニケーション能力を高める教育活動を推進していきたいと考えています。

前の記事

給食だより(12月号)New!!