「令和6年度のスタートにあたって」 校長 平野 善浩
本校の校長2年目になりました、平野 善浩です。本年度も、コミュニティ・スクール那珂川北中学校を、地域、家庭と協力していきながら、さらに発展させていきたいと考えていますので今年度もよろしくお願いいたします。4月10日に入学式を迎え、165名の新入生が入学してきました。全校生徒512名全員が揃い、新年度が本格的にスタートしました。今年度の教育目標も引き続き「人間力を身に付けた、地域を担う生徒の育成」として教育活動を進めていきます。人間力とは、「学力」「体力」「自己実現力」「社会貢献力」といった人間としての総合的な力です。
その人間力を作り出すために、生徒に「やる気サイクル」をつくりだすことが本校の教育の大きな特徴です。これは脳科学に基づいたものです。人間は目標を設定し、目標達成に向けてくり返し努力し、最終的に目標を達成すると「達成感」を味わいます。すると、ドーパミンという脳内物質がでてやる気が湧き、さらに高い目標を達成しようと努力します。このように「目標→努力→達成→さらに高い目標→努力→達成・・・」といったサイクルができあがります。努力して何か成し遂げたときに「やったー」と思った経験があると思います(最近私も小郡ハーフマラソンに出て、目標タイムをクリアーして「やったー」とおもいました。)このサイクルを身に付けることにより学習面、体力面だけなく、社会に出ても様々な面で能力を高めることができます。
このようにドーパミンによる作用をうまく活用して、「やる気サイクル」をつくることこそ、人間が能力アップする上で最も大切なことだと考えます。この原理を本校では「鍛える教育」と呼び、これによって重点目標の達成を目指します。
さらに、重点目標に対する具体的な取組は、次のとおりです。
【学力の向上について】
◆課題達成学習の実施
各教科の授業時間を45分とし、授業の中で何ができるようになればよいかを明確にし、「できた」という達成感を味わわせる課題達成学習を行います。
◆エブリデイ学習の実施
45分授業でできた余剰時間の30分間を学力定着のためのエブリデイ学習の時間として活用し、復習問題や週テスト、習熟度別学習を行います。
◆那北中サクセスノートの活用
生活ノートと自学ノートの両方の機能をもち、学習・運動時間等日々の努力を記入していく(努力の見える化)、本校独自のサクセスノートを活用していきます。
◆放課後学習等の充実
担当教員を決めて、宿題を忘れた生徒や特別な支援が必要な生徒、主体的な学習をしたい生徒の放課後学習等のサポートを充実させます。
【体力の向上について】
◆晴動雨読の取組
通常朝自習を行う時間に、「晴れたら運動」「雨だったら読書」を行います。運動については、朝の適度な運動が「やる気」「集中力」「記憶力」を高め、「うつ傾向」「ストレス」等を軽減することがわかっています。また、朝読書の時間には「英語の多読」を取り入れます。他にも保健体育の時間において、HIIT(高強度インターバルトレーニング)を取り入れていきます。またスポーツインストラクターから直接指導してもらう「エクササイズ教室」を年2回予定しています。
【自己実現力の向上について】
◆啓発的な体験活動
体験活動の実施を1年生で「職場体験」、2年生で「高校体験」を実施します。また、著名人による出前授業や立志式等
も行います。様々な体験活動から、自分の将来の目標を考える良い機会になると考えています。
◆系統的な進路学習
学活の時間を活用して、年に10時間程度の系統的な「進路学習」を行い、そのデータを「キャリアパスポート」という名称で蓄積していきます。
【社会貢献力の向上について】
◆地域貢献活動の充実
地域ごとの生徒組織「部伍会」を中心に、地域貢献活動をさらに活発化します。また、実働に関する話し合いを行うために、部伍長・副伍長・地域代表・担当教員からなる「那北中コミュニティ推進委員会」を定期開催します。
昨年度は地域や学校内のボランティア活動に1378名(延べ人数)参加しました。今年は1500名以上の参加が目標です。
ここ数年、生徒、先生方の努力もあり、学力、体力共に筑紫地区上位を維持しています。特に、昨年度は全国体力づくりコンテストにおいて2年連続の入賞を果たしました。(令和4年度は全国2位、令和5年度は全国3位)今年度はコンテストで日本一になれるように頑張っていきたいと思います。様々な教育活動を通じて、さらにレベルアップする1年間にしていきます。どうぞよろしくお願いします。
第21回 入学式
4月10日(水)、本校の第21回入学式を行いました。前日までに2,3年生が会場準備や教室飾り付けを行い、素敵な環境と快晴の天気のもと、165名の新入生を迎え入れました。入学式では、那珂川市長をはじめ多くの来賓にも見守られながら、呼名で一人一人が元気に返事をしました。式辞では、本校校長より船の復原力の話をされながら、『人生でもこれから様々な波が来るかもしれないけど、備えている復元力を高め、困難などの波を乗り越えられる人物に成長していこう』というメッセージが送られました。新入生はお話をされる方の呼びかけなどに『はい!』と返事をするなど、素直に式や学活に取り組んでいました。
1年生 キャリアアップ週間の取組
本校では、毎年4月に『1年生キャリアアップ週間』を行っています。内容は「学びナビ」や「小学校の復習」、「キャリア教育講演会(高校先生による講話)」等で、家庭学習の方法を学んだり小学校の既習内容を復習したり、将来の生き方や進路に関するモチベーションを高めたりすることを目的とした取組です。
【学びナビ】
効果的な学習の仕方を学ぶ学年集会を「学びナビ」と呼びます。1年生は、4月17日に「学びナビ」を行いました。(2・3年生も別日に実施)。学習担当の先生から、学習方法についての話がありました。具体的な内容は、脳科学に基づく学習方法やサクセスノートの有効な使い方についてです。
【小学校の復習】
4月15~19日の5日間、小学校での国語・算数・英語の既習内容をドリル形式で復習しました。その際、3年生の先輩方が1年生の教室にスモールティーチャーとして教えに行きました。1年生は、わからないところを3年生に教えてもらい、大変喜んでいました。3年生にとっても、「人に教える」ことが最も学習したことが定着することであるため、基礎基本の復習になったようでした。