「公立高校入試制度の変更について」
今月6日に行われた「北風走大会」は、天候にも恵まれ、無事に終了することができました。保護者の皆様の応援ありがとうございました。3年生は、今後「晴動雨読」が「朝自習」へと切り替わり、受験本番を迎えます。
さて、ここ数年で公立高校の入試制度が大きく様変わりしています。3年生の保護者の皆様には進路説明会等でお伝えしましたが、今回1・2年生の保護者の皆様にもお伝えしたいと思います。
| 【特色化選抜入試】・今年度は推薦入試と同じ2月3・4日に実施。・受検資格は、高校が提示している出願資格(公立評定)を満たしている生徒 ※「公立評定」とは3年生の「前期+後期前半」における成績5段階評価、9教科、最高45・受検内容は、「面接」、一部の学科・コースにあっては「作文」「実技試験」・合格が内定した場合、他校への進学・受検は不可内定しなかった場合、原則同じ高校を一般入試でも受検・「特色化」と「推薦」の掛け持ちはできない。(同一日のため) |
以前の公立入試は、「推薦(今年度は2/3・4実施)」と「一般(今年度は3/10実施)」とがありました。そこに、令和元年度より「特色化選抜」という新たな入試制度が加わりました。福岡県教育委員会は「特色化選抜」の趣旨を、「学校の特色にふさわしい生徒の入学をより一層促進する観点から、生徒の多様な個性を積極的に評価する『特色化選抜』を導入し、県立高等学校の特色化及び活性化を図る」としています。「特色化選抜」の概要は次の通りです。
要は、「推薦」と「特色化」との違いです。「推薦」は、学力や部活動、生徒会活動等に秀でた生徒を校内推薦委員会にかけて、高校の推薦基準を満たしているか、学校代表として推薦する人物として相応しいかを選考します。一方、「特色化」は、高校側から示された出願資格(公立評定の基準)を満たしてさえいれば出願できます。
なぜ、このような制度が急に導入されたのか?それは、私立高校への進学が増えているためで、公立高校への志願者を増やすための苦肉の策だと思います。そのため、①「特色化選抜」の実施時期や合格発表が「私立前期入試(今年度は2/12実施)」よりも早く設定されています。②定員割れをしていた高校から順に「特色化選抜」を導入していきました。今年度、近隣の高校では筑紫丘・福岡中央を除いた全ての高校で導入されています。③また、令和5年度からは「第2志望校制度」も導入され、今年度は28校の学科やコースで実施されます。(近隣では柏陵高校環境科学コースで実施されます。)これらの高校の学科やコースだけは、居住地が学区外であっても、第2志望校として選択することができます。
特色化選抜入試が実施された当初は、多くの中学校から①公立評定の基準が各学校で違うため、公平性を欠くのではないか、②入試制度の複雑化により入試日程も密になり、ミスが起こりやすくなるのではないか、③早く合格が決まった生徒は、3月まで学校生活や学習意欲を維持できるか、といった心配の声も挙がりました。実際、中学校によっては、公立高校特色化選抜入試や推薦入試、そして私立高校専願入試の合格者がクラスの半数以上となり、公立高校一般入試を控えた生徒との学習意欲の差に苦慮したという報告もされています。
よりよい入試改革の議論は現在も進められており、今後入試制度のあり方が見直され、「特色化選抜」が各高校に応じた真に特色ある入試制度となるように改善されていくかもしれません。とりあえず、受検制度の善し悪しを言っても受検は待ってくれないので、生徒及びその保護者の皆様には、受検制度のメリット・デメリットを考えて、お子さんに合った受検方法を選択してほしいと思います。例えば、「推薦」「特色化選抜」では「面接」が行われます。人前で表現することが得意なのかどうか。また、受検すれば必ず合格するというわけではありません。不合格の場合も考えて、「作文」「面接」「実技試験」の対策と同時に、受検勉強にも力をいれることができるかどうか。さらに、「推薦」「特色化選抜」に合格したら、学校生活や学習がおろそかにならないように気をつける必要があります。早く目標を切り替えて、高校で学ぶ内容を先取りするなどの高校入学への準備ができるかどうか、等々。
いよいよ1月からは受験本番です。3年生の保護者の皆様には、手続き等で漏れがないようにお願いします。特に今年度から多くの私立高校だけでなく、公立高校の入学試験手続きも「WEB出願システム」を通じて行うことになりました。公立高校受検者(推薦・特色化含む)は、「WEB出願システム」を通して、志願情報の登録(出願)と入学選考料の納付を行うこととなっています。(合格発表も志望先高等学校と「WEB出願システム」で行われます。)私立高校、公立高校とも、出願期間を守ってミスのないよう手続きをよろしくお願いいたします。
3年生の皆さんは、ここからは「一日の中でどれだけ勉強時間をかけることができるか」が勝負です。ビジネスの世界に「ランチェスター時間の法則」と言われるものがあります。『人生=才能×時間の二乗+過去の蓄積』というのがランチェスター時間の法則の考え方です。時間だけ二乗で過去の蓄積は足し算であることに注目です。つまり才能が人並みで過去の蓄積がゼロでも、時間の使い方次第で逆転可能ということです。時間の使い方というと難しそうですが、その点ランチェスターの法則は簡単です。使い方というより、時間の投入量のことを言っています。仕事で言えば人の5倍働けば、才能や実力が人よりも劣っていても絶対に負けない、人の4倍働けば圧勝できる、人の3倍働くとだいたい勝てる、と定義されています。人の4倍と言っても二乗がかかっていますので、実際には4にルートをすると2ですから、2倍働けば良いと言うことになります。仮に普通の人が1日7時間働くとしたら2倍のルートは約1.414ですから、7×1.1414=約10時間となります。同じように計算していくと、3倍で12時間、4倍で14時間、5倍で15時間。毎日15時間働けば、絶対に負けないということになります。もちろん、これをそのまま勉強に置き換えることはできませんが(15時間も一日勉強するのはさすがに大変)、最後はどれだけ時間をかけて受験勉強ができたかが、第一志望校の合格につながるということだと思います。
「人事を尽くして天命を待つ」とはよく言ったもので、まだ見ぬ結果を恐れ不安に思うのではなく、日々やるべき事をしっかりやってあとは運命に任せるくらいの気持ちで受験に臨むことが必要です。頑張ってください。
「体力の向上」をめざした12月!
12月は、本校の重点目標のひとつである「体力の向上」に関連する教育活動を数多く展開しました。
●「食育講演会」と「自作弁当の日」
まず、1日(月)には1年生を対象に、精華女子短期大学生活科学科食物栄養専攻准教授の阪田直美先生を講師にお招きして「食育講演会」を開催しました(上の写真左)。これは、食の大切さについて「自作弁当の日」を前に、食の大切さや自ら弁当を作ることの意義について学ぶことを目的に毎年開催しているものです。管理栄養士でもある阪田先生からは、中学生にとっての適切な食事について、栄養面からアドバイスをいただいたほか、「朝食をしっかりと摂ることが中学生の時期にとても大切である」ことについてお話がありました。
このお話をもとにして6日(土)、生徒は各家庭で自ら弁当を作って持参する「自作弁当の日」に臨みました。この日は全校生徒が自分で作った色とりどりの弁当(上の写真右)を持参し、友達と見せ合いながら楽しく食事をする姿がみられました。日々何気なく摂っている食事について見つめ直すとともに、あらためて家族に感謝する気持ちを持つ機会となりました。


●「北風走」~校内マラソン・駅伝競走大会~
本校にとって冬の風物詩ともなっている恒例行事「北風走」(校内マラソン・駅伝競走大会)を6日(土)に開催しました。
マラソンの部は、校内に設定された全長1500mの特設コースで各学年男女別に実施しました。1年生にとっては初めての「北風走」でしたが、一人ひとりが自己ベスト記録を少しでも更新できるようチャレンジできました。また、3年生にとっては今回が最後の「北風走」になりました。3年間継続してきた「晴動雨読」(朝のランニングや補強運動)で積み上げた体力をしっかりと発揮し、大きな達成感を味わったことと思います。
また、駅伝競走の部では、各学級で選抜された選手が6区間にわたり、1本のたすきをつないでその順位を競いました(右の写真)。区間によって順位が度々入れ替わるなど白熱したレースとなり、同じ学級の選手に大きな声援を送る生徒の姿が数多く見られました。
この日は、朝から爽やかな陽気にも恵まれ、マラソン・駅伝コースの沿道では、ゴールを目指して必死に走る生徒に向けて多くの保護者の方々や地域の方々から温かな声援をいただくとともに、成長した生徒の姿を見守っていただきました。
今後も本校の生徒たちが体力の向上によって様々な面で成長を遂げることができるよう、引き続き「体力の向上」を目指した教育活動を推進してまいります。



卒業生・藤井菜々子選手に市民栄誉賞授賞!
今年の世界陸上・東京大会で女子20㎞競歩で史上初の銅メダルを獲得した卒業生・藤井菜々子選手への市民栄誉賞授賞式が2日(火)に本校で開催され、生徒、教職員全員が参加しました。当日は、生徒代表からの様々な質問に藤井選手から直接答えていただく時間もありました。「自分の記録をより伸ばすためには自分の課題を自ら明確にする」「試合前日にはメダルを獲る自分の姿を想像する」など、藤井選手自身の言葉が多くの生徒の心に残る1日でした。

