「脳科学にもとづく効果的な学習方法」

校長 古澤 裕二

先日行った北風走大会は、全校生徒が一生懸命に走ったり、互いに応援し合ったりする姿が見られ、大変有意義な大会でした。得手不得手に関係なく、何事にも全力を尽くして頑張る姿勢こそが大切です。保護者の皆様、寒い中応援ありがとうございました。

さて、年が開ければ、3年生はいよいよ入試が始まります。また、1・2年生も2月に重要な学力診断テストが実施されます。冬休みは、生徒の皆さんにとって、既習内容を総復習する大切な期間となります。そこで、総復習を行うにあたって、効果的な学習方法についてお話ししたいと思います。学習方法で重要なことは、いかに記憶の「保存力」「検索力」を向上させるかということです。以下、脳科学にもとづく効果的な学習方法について3つ紹介します。

1つ目は、学習方法の王道である、記憶の中から答えをアウトプット(出力)する「想起学習」です具体的には、テスト形式の問題を解いたり、フラッシュカードで英単語を覚えたり、必ず問いがあってそれに対する答えを想起する方法です。想起するだけでなく、答えを書いたり口に出したり、他人に勉強を教えることもアウトプットすることになります。一方、教科書を「読む」「マーカーで線を引く」「書き写す」などの方法は、問いも答えもないため学習内容をそのままインプット(入力)する方法です。この場合、理解したつもりになるだけであまり効果がないことがわかっています。なぜなら、人間の脳は、インプット(入力)するよりアウトプット(出力)する方が、記憶が強化されるという特性をもっているからです。もし教科書を使うなら、重要語句を色つきシートなどで隠して、答えを想起しながら読むなどの工夫が必要です。また、想起学習は習得できていない内容が明確になり、苦手な部分を焦点化して学習できるといったところも利点です。

2つ目は、学習間隔を開けて復習する「分散学習」です。具体的には、学習内容を忘れかけた頃を見計らって復習する方法のことです。一方、テスト前になると、深夜まで学習するなど短期集中型の方法もあります。短期集中型は、長期的な視野に立てば全く効果がありません。脳は学習内容を一旦「海馬」という短期記憶を司る場所に記憶しますが、そのままだとすぐに忘れてしまいます。短期集中型を食事に例えると、大食いしてはすぐにはき出すという非効率な学習方法なのです。学習内容を忘れかけた頃にくり返し復習すれば、脳は「これは大切なことだ」と判断し、「海馬」から「側頭葉」という長期記憶を司る場所に移して長い間記憶に止めてくれます。なぜなら、人間の脳は、短期集中で学習するよりも、忘れかけた頃にくり返し復習する方が、記憶が強化されるという特性をもっているからです。「エビングハウスの忘却曲線」という有名なグラフがあり、これによると学習した内容は翌日にはその70%が忘れられ、その後緩やかな曲線をたどりながら忘れ去られていきます。そのため、まずは学習したらその日のうちに振り返る必要があります。サクセスノートには、その日学習した内容をその日のうちに復習する「振り返りシート」の項目を設けてあります。その後は1週間後、その後は2週間後、その後は1ヶ月後など、忘れかけた頃を見計らって、計画的に学習していくと長期に記憶を保存することが可能になるのです。

3つ目は、レベルや解法が違う問題を解く「ランダム学習」です。具体的には、実際の入試問題や入試対策問題を解くことがこれにあたります。一方、同じレベルや同じ解法の問題をまとめた問題集やワークを中心に学習する方法もあります。しかし、この場合はなかなか成績が上がりません。「小テスト」や「単元テスト」、「定期考査」ではよい成績なのに、「学力診断テスト」ではそれほどでもないという場合は、ここに原因があります。入試問題などは、いくつかの解法からよりよいものを選択する力や解法を組み合わせる力なども必要で、こういった問題に慣れる必要があります。また、何より同じレベルや同じ解法の問題だと、脳は刺激を感じなくなります。なぜなら、人間の脳は、より難しい状況に置かれた方が活性化し、能力アップするという特性をもっているからです。これはスポーツ競技で、基本練習だけでは本番で通用しないのと同じ理屈です。はじめは基本練習が中心でも、しだいに試合形式の細かい状況判断が必要な練習へとシフトする必要があります。

最後に、本校生徒の学習状況について触れたいと思います。昨年度と今年度の「全国学習状況調査(3年生対象)」の結果を比較すると(グラフ参照)、学習時間は「2時間以上」が45.7%増加、計画的な学習は「とても」「だいたい」が21.1%増加しています。随分学習状況が改善されていることがわかります。しかし一方で、生徒の皆さんのサクセスノートを見せてもらうと、教科書を写すだけ、簡単な英単語や漢字を必要以上に書くなど、ノルマを果たすための単純作業としか思えない学習も見受けられます。全ての学習はその場しのぎではなく、高校入試や学力診断テストを見据えた効果的な学習でなければなりません。先述した脳科学にもとづく効果的な学習方法は、各学年の「学びナビ」で説明していますが、冬休みを前に再度お子さんと学習方法について話してみてください。

ウェルカム民生委員・児童委員の会

12月17日(木)に、北中校区の民生委員さん、主任児童委さんをお招きして、ウェルカム民生委員・保護司会を行いました。まず、民生委員さんたちに生徒が授業を受ける様子や校舎内を見学してもらいました。授業の様子や廊下にある生徒のサクセスノート、掲示物、そしてテストの順位表などをじっくり見て、感心されていました。その後、校長先生から学校経営についてプレゼンしていただき、生徒の実態などを踏まえて詳細をお伝えしました。出席者の方々からは、那珂川北中学校の教育に対して前向きな意見をいただきました。

  • 晴動雨読の補強運動で、1位の生徒を放送するのは、生徒の自尊感情を高めるので良い取り組みだと思う。
  • 生徒も落ち着いていて、とても良いと思いました。
  • 孫が1年生で本校に登校している。晴動雨読の取組が始まって、子どもが目標を持って頑張るようになった。家で『今回のテストは悪かったから、次は頑張る。』というような前向きな発言をするようになった。
  • マルキョウ横の歩道を通っていると、那北中の生徒から挨拶されて驚いたが、とても嬉しい気持ちになった。

激走!北風走!

12月12日(土)、北風走大会(駅伝・持久走大会)を開催しました。これまで朝の晴動雨読の時間に、早朝ランニングや補強運動に全校生徒で取り組んできた成果を発揮する場として設けた大会です。この大会が、今年度全校生徒で行う唯一の学校行事となりました。私(平野教頭)は3年男子マラソンの部で本気で上位を目指していましたが、最後の200mでかなりの生徒に追い抜かれ20位あたりと惨敗しました。私は普通の中学生には負けない実力はあると思うので、那北の3年生の実力はなかなかなもの。これまで地道に走ってきた成果だと思います。運動が苦手な生徒も一生懸命に走っている姿や、お互いに応援し合う姿が見受けられ、大変よい大会となりました。大きなケガや事故もなく、無事大会を終了することができました。なによりも、行事が盛り上がったことで生徒の良い思い出となったことが良かったと思います。応援に来ていただいた保護者の皆様、ありがとうございました。

【駅伝の部】※1位のみ

  • 1年3組 35分41秒(メンバー:①甲斐心寧②貴島壮太郎③大嶋菜々美④熊原太郎⑤太田桜子⑥養父優大)
  • 2年1組 34分17秒(メンバー:①川村瑠奈②土屋魁斗③淺田美月④矢野虎汰朗⑤樫元琥珀⑥牧瀬尊)
  • 3年4組35分06秒(メンバー:①桂田美晴②竹山櫂③眞野いづみ④仁田原真皓⑤坪根栞那⑥中田右多)

【マラソンの部】※1位のみ

  • <1年>男子:小宮理稔5分35秒、女子:小林千優・川村琳梨杏6分27秒 ※同着
  • <2年>男子:清原 壮5分12秒、女子:安藤里緒奈6分03秒
  • <3年>男子:三森己桜5分26秒、女子:宇都宮小春6分25秒

【コース最高記録】

  • <男子>5分8秒(1年)齊藤琉稀空、(2年)多良木優斗 ※同タイム
  • <女子>5分23秒(2年)川村瑠奈

弁当を自分で作りました!

北風走の日は、生徒が自分でお弁当をつくってくる「自作弁当の日」でした。本校では生徒一人一人が自分に合った目標をもって取り組めるように、「自分で作る」内容を自分で選べるようにしました。

  1. すべて自分ひとりでつくるコース
  2. おかず2品は自分でつくるコース
  3. おかず1品は自分でつくるコース
  4. 手伝ってもらって家族と一緒につくるコース
  5. 作ってもらったものを弁当箱に自分で詰めるコース

生徒たちは、普段あまり経験したことのない弁当づくりを通して、食のありがたみや食事の用意の大変さを実感できたと思います。そのような経験をとおして、朝早起きしてお弁当をつくったり夜に次の日の食事の弁当づくりの準備をしたりしてくださっている家族の思いにも気づくことができたと思います。当日は下のような写真の力作弁当が多く見られました。

本紹介の熱き戦い!ビブリオバトル!

校内ビブリオバトル大会」が行われました。お気に入りの本を紹介するビブリオバトルは、全学年の国語の授業で取り組んできました。その取組の中で選ばれたクラス代表が校内放送を通じて発表し、学年優勝者を決めます。それぞれのクラスでのビブリオバトルを勝ち抜いた生徒の発表が学年ごとにありました。楽しい本はその楽しさが伝わるように発表したり、怖い本はその怖さが伝わるようにしたりして、それぞれのおすすめの本を熱く発表していました。どの発表もその本を読んでみたいと思わせるようなすばらしい発表でした。

1月・2月の主な行事

※HPトップでご確認ください。

 学校からのお知らせ

【冬季休業期間中の新型コロナウィルス感染症に関する対応について】

全国的に新型コロナウィルス感染症の感染拡大が見られる中、福岡県においても感染者の増加が見られます。明日(24日)より冬季休業に入ります。休業期間中に児童生徒本人及び同居のご家族が、コロナウィルス感染を確認するために「PCR検査」を受けられる場合には、事前に学校(担任)まで必ずご連絡をくださるようにお願いします。また、検査結果についても、直ちにご連絡をお願いいたします。なお、休日、または夜間の場合は、那珂川市役所(代表092-953-2211)に「新型コロナウィルス感染症について連絡しています。教育委員会へ連絡をお願いします。」とお伝えください。市役所のものが、電話番号をお聞きし、市教育委員会の担当者が折り返しお電話いたしますのでよろしくお願いします。