「学校行事のすごさ」 校長 平野 善浩
先日行われた文化発表会では、数々の生徒作品の展示や、生徒たちのこれまでの活動の集大成であるステージ発表、さらには合唱コンクールを実施することができました。合唱コンクールでは、「一唱懸命」に生徒たちが力を合わせて合唱する姿が見られました。一つの合唱を創り上げるには、かなりの時間を練習に費やします。紆余曲折を経ながらも、各クラスはレベルを上げていき、当日はどのクラスも最高の合唱を披露できたのではないかと思います。
さて、今回は体育会や文化発表会などの「学校行事」について書きたいと思います。学校で当たり前に行われている学校行事について、考えを改めさせられることがありました。私は平成19年から21年の3年間、台湾の中部に位置する「台中日本人学校」で働いていました。小学校1年生から中学校3年生まで、約130人の生徒が在籍する学校です。日本人学校は基本的には、海外に住む日本国籍を持った児童生徒に、日本と同様の教育を行うために設置されています。
台中日本人学校の1年目、私は小学校4年生の担任をすることになりました。これまで中学生しか教えたことがなかった私は戸惑いましたが、かわいい小学生11名に助けられ、楽しい日々を送ることができました。その中に、C君という、お父さんもお母さんも台湾人の子がいました。彼は小学校1年生から日本人学校に通っているので、日本語はペラペラです。(結局彼は日本の高校、そして日本の医科大学に進学しました。)
ある日、C君の両親と面談をしました。そこで私は、「どうして息子さんを台湾の学校ではなくて、日本人学校に通わせているのですか?」と尋ねました。(両親ともに日本に留学経験があり、日本語はかなり上手です。)すると、お母さんは「運動会や学習発表会などの学校行事があるからです。確かに台湾の方が勉強は進んでいると思います。でも、日本の学校のような学校行事はありません。私の子どもには、運動会や文化祭とかの学校行事で、皆で協力して何かを創り上げる経験をさせたいのです。台湾人と比べて、日本人が優れているところは、みんなで協力して何かを創り上げることができるところだと思っています」とおっしゃいました。その時、私は「へー、学校行事って台湾の学校にはないんだなあ、日本特有なんだなあ」と思ったくらいでした。
そして、実際に台湾の中学校を体験できる時が来ました。台湾での2年目は中学校2年生の担任(生徒数はたったの10名)で、中2の生徒は11月に地元の私立中学校に2週間体験入学することになっていました。(中国語が分からない生徒には、たまらない2週間です。)私も担任なので、一緒に台湾の中学校に行くことになりました。台湾の中学校は、日本の学校とは大きな違いがありました。台湾の中学校を見て私が気づいたことを以下に示します。
学習内容がかなり高度:日本で言うところの高校生くらいの難しい内容です。
特に英語のレベルが高い:英語で話しかけると、かなり流暢な英語で返ってきます。地元の生徒の話を聞いていると、台湾は小さな島なので、将来海外に行こうと考えている生徒が多いようです。
クラスの人数が多い:1クラスは50人ほどいました。これは学校によって異なると思いますが、この中学校は特に多かったです。忘れ物をした生徒は教室の後ろに立たされていました。(規律はかなり厳しいです。)
1日8時間授業:授業がすべて終わるのが18時頃です。午前中4時間授業、午後4時間授業(一コマは50分)。ひたすら勉強しています。もちろん部活動はなく、スポーツや文化活動をしたい人は学校外に行く必要があります。
お昼寝タイムがある:給食(とはいえ、ご飯に何かをかけるシンプルなもの)の後に昼寝タイム(約20分)があります。ここでは机につっぷして寝なければなりません。ちゃんと注意する係の生徒が前に出てきて、寝ていない生徒を注意します。午後からも4時間授業があるので、ここで寝ておかないともたないのだと思います。
体育の授業:私が行った学校では体育の時間は、休憩時間のようなまったりとした雰囲気でした。先生はいるものの、生徒は寝転んだり、自由にバスケットをしていました。体育の時間は気合を入れたい私にとっては、少し受け入れがたい光景でした。
運動場は全天候型(ゴムで土がない):台湾では服が土で汚れるのを嫌がる保護者が多いようです。学校にプールはありません(水泳の授業がないため、泳げない子が多いということ)。
これらのことは、この学校特有のものもあれば、台湾全体に共通していることもあると思います。私が思ったのは、「一人一人の学力に関しては日本の生徒は台湾の子に絶対にかなわないだろうな・・」ということです。勉強に関しては、確実に台湾の中学校の方がハードです。しかも、全て難しい漢字ですから……。確かに体育会や文化発表会、合唱コンクールのように、皆で何かを創り上げる学習活動はないようでした。「確かに日本の生徒は学校行事で大切なことを学んでいる」と感じた台湾の中学校で過ごした2週間でした。また、C君の両親が言われたことがなんとなく実感できました。
学校行事には、「協力とチームワークの向上」「達成感と自信の向上」「リーダーシップと責任感の育成」「多様な人との交流によるコミュニケーション能力向上」「努力と忍耐の経験」「思い出と絆の形成」など、さまざまな効果があります。日本に住んでいると当たり前のようにある「学校行事」は、人が成長する良い機会となっているのです。
さて、次の学校行事は12月7日(土)に行われる「北風走大会」です。「北風走大会」を通して、一人一人、そして集団としてもさらなる成長を期待しています。
第2回 CS推進委員会を開催しました
29日(火)に第2回CS推進委員会が開かれました。CS推進委員会は各区長様においでいただき、部伍長・副部伍長の生徒達と地域ボランティア活動について案内していただいたり、ボランティア活動の打ち合わせをさせていただいたりしました。今回は11月9日(土)に予定されている「地域清掃活動」や秋祭りなど後期の各地区のボランティア活動の打ち合わせでした。お忙しい中にもかかわらず、おいでいただいた区長の皆様ありがとうございました。11月9日は生徒が地域に出かけ、清掃活動などのボランティア活動をいたします。地域の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
第21回 文化発表会(10月18日~19日)
10月18日、19日に第21回文化発表会が行われました。今年度のスローガンは「一唱懸命~仲間とつくる軌跡~」です。「一唱懸命」には仲間と共に一生懸命練習し、つくりあげてきた合唱を響かせ、保護者の方々や地域の方々など沢山の人に感動を与えたいという願いを、実行委員の生徒達が込めてつくりました。
このスローガンのもと、一日目は、英語のスピーチ発表や「なきた塾」の成果の発表が行われました。英語のスピーチ発表では、那珂川市かわせみ杯スピーチコンテストに出場した生徒の皆さんが、全校生徒を前にしてすばらしい英語のスピーチを行ってくれました。また、2,3年生が6月から取り組んできた大人参加型授業「なきた塾」の成果を、詩吟コースやタップダンスコースの皆さんが発表してくれました。二日目には、合唱コンクールが行われ、今までの練習の成果を発表してくれました。9月から本格的なクラスの合唱練習を行ってきましたが、日に日に練習に臨む姿勢がよくなったり、気持ちがそろってきたりしました。そして、合唱コンクール直前には美しいハーモニーが放課後の学校に響くようになりました。当日のコンクールでは、それぞれの学年やクラスのカラーを出しながら、それぞれが作り上げてきた合唱を披露してくれました。
今年度の文化発表会も、生徒による実行委員会が組織され、実行委員長の江田さんのリーダーシップのもと、合唱リーダー、展示発表実行委員、ステージ発表実行委員に分かれ、それぞれの準備や運営を生徒自身の手で行ってきました。また、放送ボランティアは二日間の進行をつとめてくれました。生徒による学校行事の運営を、体育会に引き続き行うことができ、那珂川北中の伝統になっています。
男子バスケットボール部 筑紫地区新人戦大会優勝!
9月末から本格的に始まった、筑紫地区新人戦大会において、男子バスケットボール部がみごとに優勝を果たしました!準々決勝において、優勝候補の筑山中学校を45-41の接戦で破り、そのままの勢いで決勝へと進出しました。決勝戦では、平野中学校を60-53で破り優勝を果たしました。男子バスケットチームは、夏の中総体に続いての優勝となりました。他にも、女子ソフトテニス部が筑紫区3位、女子バレーボール部が筑紫区5位で筑前大会進出を果たしています。
筑前大会に進出した部活動の皆さんは、次の県大会進出へ向けて頑張ってください!また、惜しくも惜敗した部活動生の皆さんも、来年の夏へ向けて頑張って行きましょう!