本年度の卒業生による講演会には、昨年度全国中学校剣道大会において団体準優勝のメンバーである重松穂乃花さんに来校いただき、講話していただきました。

重松穂乃花さんのお話された内容です。

「私が剣道を始めたのは6歳からで、きっかけは剣道に興味があり、道場が近くにあったので見学に行ったことが剣道をはじめることにつながりました。

そこから剣道を続け、去年、この那珂川北中学校で全国大会準優勝を果たすことができました。

最初に、全国大会に行くまでの思い出について少し話したいと思います。

まずは、強いチームが集まる福岡県で優勝することが最大の壁でした。その中で県大会を優勝することができたときはとても嬉しく思いました。勝ち上がるにつれてチームとしてまとまりが出てきました。みんなは一人のために、一人はみんなのためにということを考えて同じ目標に向かったことが勝因だと思います。

九州大会はリーグを2位で上がり、決勝トーナメントでは1発目から今まで公式戦で勝ったことがないチームと当たりましたが、2対1という試合で勝ち上がることができました。全国大会では、決勝で敗れましたが、迫力のある試合で見ている人を感動させることができたと思いました。

全国という舞台までは長い道のりでした。ちなみに、31試合して27勝4敗という成績でした。それまでの、努力・チームワーク・生活面の徹底など、やってきたことを証明することができました。

なぜ、このような結果を得られたかというと、常に小さいことでも一生懸命に頑張った結果です。厳しかった練習の思い出として、朝練のトレーニング、放課後の稽古、全部が厳しかったです。でも、日本一になるためには手を抜いてはいけない。時には自分に負けそうになったこともありましたが、「試合で勝ちたい」というのが頭にあったので、絶対に自分に負けないと思いながら日々稽古していました。顧問の小林先生も厳しく、常に「日常生活をしっかりすること」「勉強も剣道も一生懸命に!」「きつい稽古でも絶対に手を抜かない」「小さいことの積み重ね」とおっしゃっていました。その教えをしっかりと守れたことが結果に結びついたと思います。

だから、みなさんも今努力していることを信じて毎日努力しつづければ必ずその成果は得られると思います。今頑張っていることがある人はそれをぜひ続けてください。

では、次に受験シーズンのときに私が努力したことをお話したいと思います。

今、3年生は11月のテストも終えて、その結果を受けて三者面談があったのではないでしょうか。私も三者面談で現在通っている福翔高校に進学したいということを担任の先生に伝えました。

私は推薦入試だったので、受験の日程が周りのみんなよりも早かったです。しかもちょうどこの時期に、今も那珂川北中学校にいらっしゃる古澤校長先生に面接をしていただいたのを覚えています。面接の練習をしていたのに、いざ本番になると緊張しすぎて全然上手くいかなかったのを覚えています。本当にこのまま推薦入試で受かるのだろうかとずっと不安でした。

福翔の運動部の推薦入試は実技試験があります。しかも、合格して終わりではなく、入学までに能力を落とすことはできないので、部活動にも毎日参加させていただきました。また、合格したあとも福翔高校の勉強についていくために毎日勉強もがんばりました。

また、早くに合格が決まったからこそ、受験日が近づくにつれての周囲のぴりぴりした雰囲気が良く伝わってきました。みんなの受験を応援できるように、授業中はできる限り静かに勉強しました。推薦入試は面接があるので、面接の練習は特に熱心に取り組みました。私はいろいろな先生方に10回は面接の練習をしていただいたと思います。これから、推薦入試や私立専願入試を受けるみなさん。ぜひ、真剣に面接練習に取り組んでください。

私が面接のときに気をつけていたことは、3つあります。一つ目は、あいさつをきちんとすること!二つ目は、一つ一つの動作、言葉を丁寧にすること!三つ目は、自信をもって笑顔で大きな声でハキハキ話すこと!です。

なぜ、この3つに気をつけたら良いかというと、相手が受ける印象が変わるからです。「ぜひこの子をとりたい!」と思ってもらわなければなりません。この3つをしっかりと頭に入れていたら面接はすらすら行うことができるので、ぜひ参考にしてください。

そして、高校に入学したらどのようなことが待っているのかを話したいと思います。私の高校生活はとても充実しています。でも、大変なことももちろんたくさんあります。今のうちに何を頑張っていれば良いのかを少しでも伝えられるようにします。

まず、私のだいたいの1日のスケジュールを言います。

朝は6時に起床します。そして、準備をして学校に行き、朝練のトレーニングを行います。朝練が終わると授業が始まり、夕方になると部活が始まります。そして7時まで学校の部活動に行き、7時半から道場に通います。9時まで道場で稽古したあと帰宅し、勉強して12時には寝ます。

次は、勉強についてです。今私は毎日2時間ほど勉強をしています。驚いたことは、毎日小テストがあるので、部活が終わり、家に帰ったら宿題と小テストに向けての勉強をしないといけません。また、科目数が増えて、授業の進みが速いため宿題も多いです。朝補習や7限目があることもあります。

高校での学習は中学校で学習した内容の積み重ねだなと感じることが多いです。私は数学の教科が苦手でしたが、苦手を克服するために遅くまで学校で勉強したり、一つ一つの授業で先生の話をしっかりと聞き、自分なりにまとめていくことを工夫したり、一生懸命勉強しています。

でも、中学と高校で違うのは学年の中の個人の順位が成績として出されることです。だから、自分がどれだけできていなかったのかを感じるときもあります。反対に、どれだけ頑張れたのかもわかるようになっています。

また、赤点というのもあります。福翔高校では40点で赤点になり、補習などが実施されます。赤点をたくさんとってしまうと進級できなくなることもあります。留年という言葉を聞いたことがありますか?友達が上級生になることが嫌でそのまま退学していく人もいるそうです。今のうちにたくさん勉強をして余裕をもった高校生活が送れるように苦手教科をなくしておいてください。

次に部活動です。私は部活動の推薦で進学したので、当然求められるものは結果です。最近の高校の大会の成績でいうと、団体の選手として出場した中部ブロック・県大会で3位の成績を残し、九州選抜大会に出場できることになりました。プレッシャーを感じる場面も多いです。しかし、先輩方や今までの中学校での厳しい稽古が自信となり今も努力し続けることができています。また、大きな舞台を経験できたことも今の自信に結びついていると思っています。皆さんもぜひ、できるだけ上の大会に出場してほしいです。そして、今までに見たことのない景色を見て欲しいです。みなさんのことを那珂川北中学校の卒業生として心から応援しています。

あと、友達についても気になるところだと思います。中学校のように近くの学校から集まるわけではなく、同じ学校から同じ高校に行く人も多くありません。今まで話したことがない同じ学校の人とも仲良くなったり、聞いたことがない中学校の人とも友達になったりするので、行動範囲がものすごく広くなります。いろいろな人と知り合い、様々な経験をすることでちょっぴり大人になった気がします。

ただ、高校生活では、お金が中学校のときよりもかかるのは間違いありません。昔は気にしなかったことですが、今は親にとても感謝できるようになりました。みなさんも今はもしかしたら親の愛情に気づかず、素直になれていない人も多いのではないでしょうか。私も親に反抗するような態度をとっていました。でも、そういった部分も受け入れてくれて高校にまで行かせてくれている親にとても感謝しています。

これが、私の高校生活が始まってから感じたことです。

最後に、どんなことでも目標をもつことが大事だと私は考えています。目標がなければ何を頑張ったらいいかもわからないし、ただなんとなく頑張るだけでは成長しないと思うからです。

私の高校3年間での目標は文武両道です。なぜ、この目標にしたかというと剣道の面では、中学のときに果たせなかった日本一になるため、そして、勉強面ではより高いレベルの学力をつけたいと思ったからです。この目標を果たすために中学で学んだことを生かしていこうと思います。

本日は私の話を聞いてくださりありがとうございました。以上で話を終わりたいと思います。」

この講演会を受けて、生徒たちも高校のイメージや今の自分の努力などを見つめ直すきっかけとなったようです。