二日目

二日目は錦ケ丘中学校PTA会長の案内の元、被災地の現状を目に焼き付けるべく、益城、三船を視察して回りました。
震災から半年近くたった今でも手つかずのものもあり、那珂川北中一行が受けた印象は大きなものでした。
写真の中に橋を横から撮影したものがあります。少々わかりにくいですが、平坦だった橋が震災後、折れ曲がり、橋の横に通してあるパイプが直線でないのが分かります。橋の折れ曲がりの状況はその上を走る車の角度にも表れています。復興には本当に時間がかかるというのを肌で感じるような光景でした。
なお車中から撮影したものもあるため、多少ピントがずれているものもあります。ご了承願います。

PTA本部役員Gさんの話

錦ケ丘中学校のPTA会長の案内で被害の大きかった地域を車でまわらせて頂きました。そこには相応しい言葉が見つからない位の光景が広がっていました。
益城町では「何が真っ直ぐに建っているのか」分からなくなり、信号で止まったはずの自分の車がじわじわ動いているように見え、ブレーキを踏みなおすほどでした。
仮設住宅もあちこちにありましたし、道路はボコボコで車はスピードをあげて走る事が不可能。
炊き出しをしている場所もあり、手描きの「今日の炊き出しは○○時から」の看板も目に焼き付いています。
昼食でお邪魔したお店も数ヵ月前に再開したばかりで、斜め前の広場には2種類の仮設住宅(木造とプレハブ)がたくさんあり、錦ケ丘中学校PTA副会長より仮設住宅の詳しい話を聞かせて頂き、私達が知らない現状も知る事が出来ました。
「落ち着いた」と前日に子ども達から聞いていましたが、復興がまだまだ進んでいない景色に唖然としました。

IT推進委員会Hさんの話

道路はうねり、舗装はされているものの、砂利のない悪路と何も変わらない。壊れて使い物にならなければ新品になるでしょうが、中途半端に使えるものだから、つぎはぎだらけの中古。この道が再整備されるのはいつになるのだろうと復興の道のりの長さも改めて感じました。

研修を終えて

本年度のPTA会長が熊本出身であったことから、メディアでは伝えられない現実を見るための研修が企画され、PTA本部役員、IT推進委員会が参加し、多くのものを見て、聞いて、感じてきました。

PTA本部役員Sさんの話

私は、今回の視察交流は日帰りでしたが、メディアからの情報だけでは知る事のできない体験談を聞き貴重な経験をさせてもらいました。そして錦ケ丘中学校の皆さんとお会いでき、『目に見える支援』が漠然としたものから、身近なものなりました。

PTA本部役員Kさんの話

日帰りでしか行けない、申し訳ないと思っていた私に錦ケ丘中の校長先生始め、執行部の皆さんは『日帰りでまで来てくれて嬉しい』と言ってくれました。
日帰りチームの私たちに『今度は福岡行くからー』と見送ってくれた笑顔、私たちを歓迎してくれた笑顔、本当にまた会いたいです。

PTA本部役員Gさんの話

この2日間で私達の方がたくさんの事を持って帰ってくる事が出来ました。この「見て」「聞いて」「体験」した事をこれからにどのような形にしていくか、またそれを実現していくことが、私達が出来る復興支援の一つだと思います。

IT推進委員会Hさんの話

行政などではできない、また人の繋がりでしかできない「心の復興支援」を作っていくことの重要性を感じました。そしてそれを長期的に行っていかなくてはいけないということです。今、IT推進委員会として、何ができるのかを模索中です。

PTA会長の話

私は、熊本出身で、錦ケ丘中学校出身です。私の実家、妻の実家、ともに熊本県内でそれぞれ災害に遭いましたので、間接的には被災者側です。
福岡では那珂川北中学校PTAとして支援側です。
両方同時に携わり、何か不思議な立ち位置を感じています。
視察交流へ行く前までは、私が熊本出身者だったために、PTA本部役員にPTA活動以外に支援活動まで負担をかけてしまう事に凄く申し訳なさを感じていました。しかし皆さんの声を聞き、逆だったのだと気づきました。
「地震がなかったら…」「体験できなかった…」「絆も生まれなかった…」そう思うと、意義深い事を今回体験したということで不思議な気持ちを感じています。
5年程前から、錦ケ丘中学校の卒業生との同窓会が毎年開催され始めた事、そして今回のことで現PTA会長とも繋がることができました。
なんか不思議なめぐり合わせが幾つも連続して起きた、偶然とは思えない感じです。「今年、私がPTA会長になったのは、もしかするとこのためだったのか?」とも感じたりしています。
PTA本部役員に「こんな体験出来るなんて…」と思ってもらえて安心しました。皆が熱い助け合いの気持ちをしっかり持っていると改めて感じました。この皆の気持ちを錦ケ丘中学校のPTA執行部も凄く感じたようです。
また「次は私達が福岡へ必ず行きます!」とおっしゃっていただき、本物の交流がスタートしたことを実感しました。
二日目、益城方面の視察へ行った際、何か言葉にならない気持ちが込み上げてきました。
地震当日から何度となく熊本へ行っていますが今回も心にグッとくる何かを感じました。
震災直後に通った時は、当然まだ道路補修されてなく、がれきや倒れた家が道路を塞ぎ、いつ車が止まるか不安でした。路頭に迷うかのように人々がさまよい、呆然と空を仰ぐ人があちらこちらに…。一瞬にして戦後の様な状況になるのか…、と息ができませんでした。避難所のグランドには大勢の被災者。その時の光景は一生脳裏から離れないであろう体験でした。
私達が住む那珂川でも、いつ同じような災害が起こってもおかしくない状況です。その事も考えさせられました。
地域と繋がりの大切さ、重要さ、いざ!と言うときにどれだけ助け合い動けるか。コミュニティ(地域との関わり)とは何か、災害に遭った時に、必ず必要な事なのだと改めて感じました。
錦ケ丘中学校PTA会長の地元に根付いたコミュニティ(地域との関わり)もしっかり見る事が出来ました。お互いのPTAが良い所を吸収して、それぞれのPTCA(PTAにコミュニティのCが加わるという意味)構築が出来れば幸いです。

この研修を契機に、学校間、生徒間、地域間の交流が進むことを願ってやみません。
そもそも、多くの人とのリアルな繋がりは、個々人の社会性を育てることになります。特に多感な中学生に対する影響は多大なものかと思います。
互いの、未来を担う中学生の更なる成長に、この研修が役に立つことができるよう、PTA本部役員、IT推進委員会はこれからも努力し続けます。