「ネット依存の危険性!!」

校長 古澤 裕二

先日1年生対象に「情報モラル」講話を実施しました。本校のICT教育推進委員長の日髙光昭さんを講師としてお招きし、スマホ等によるSNSやオンラインゲームに潜む危険性についてお話していただきました。

さて、以前から保護者の皆さんにも「スマホ等に関する注意喚起」を行い、その問題点として①使用時間が長いほど学業成績が悪いこと、②使用時間が長いと家庭学習の時間をきちんと確保しても成績が下がること、③その原因は脳の働きが抑制されるためであること、④年齢が低いほど悪影響を受けること、等を訴えてきました。

今年7月に行ったスマホ等に関する生活実態アンケートの結果を、昨年12月の結果と比べてみました(グラフ参照)。

学年が上がることでスマホ等の所持率は増えているものの、一日平均利用時間は「30分または1時間未満」という生徒が増加しています。生徒自身の自制心や保護者の皆さんのご協力のお陰だと思います。現在は、生徒会の取組で、テスト前の「ノーメディアDAY」や「那北スマホ5箇条」の呼びかけで学校全体としてはよい方向に進んでいると思われます。

一方、残念なことに、相変わらずスマホ等の長時間利用の生徒もいます。全校生徒のうち、1日平均利用時間が「3時間以上4時間未満が18名」「4時間以上5時間未満が5名」「5時間以上が23名」という結果です。まだまだスマホ等の長時間利用は、本校の大きな課題です。毎日これだけ長時間利用を続けていると、「ネット依存」も心配されます。「ネット依存」は、SNS依存とゲーム依存に大別され、インターネットに接続されたスマホ・携帯、ゲーム機、パソコンなどのIT機器の過剰な使用によって生じる病的な症状を言います。

この問題の最先端は韓国です。韓国では、IT産業に力を注いだことによりネットゲーム産業が活気づき、ゲームにはまる若者が急増しました。2004年頃には、死亡事例が年間数十件も発生する異常事態となり、社会問題になりました。特に24歳の若者がオンラインゲームを86時間ぶっとおしで行い、心不全で亡くなった事件は衝撃的に報じられました。そのため、韓国では、2011年に「青少年保護法」を改正し、16歳未満による0時~6時までのゲーム利用を禁止し、強制的にネットを遮断する「強制的シャットダウン制度」が施行され、翌年から18歳未満のオンラインゲームの参加時間については親が管理する「ゲーム時間選択制」も導入されました。

日本では社会的な対応が遅れており、日本におけるネット依存が疑われる中高生は、この5年間で倍増して93万人と推計されています(2018年厚生労働省)。インターネット利用に使う機器は「スマホ」が圧倒的に多く、利用するサービスは「LINE等(Skype、チャット、メッセンジャーを含む)」「動画サイト」「オンラインゲーム」が多いという状況です。依存者は、寝ない・食べない・動かないが原因で、健康が阻害され、10代であっても体力は中年世代並み。心も損なわれ、キレやすい、意欲低下、イライラ、無感情・無感動、自己中心的、コミュニケーション能力の低下等の特徴が現れます。脳波測定器を使って調べると、思考や創造性を司る「脳の前頭前野(おでこの裏側)」の活動が極めて低下しているそうで、日本大学の森昭雄先生はこのような脳を「ゲーム脳」と名付けて話題になったことがありました。親が機器を取り上げると暴れるといった事例は、身近な中学生にも起こっている現実の話です。

親が子供をネット依存から守るしかありませんが、先述のの生活実態アンケートによると、「スマホ・携帯について家庭のルールがない」と答えた生徒は全校生徒のうち114名にものぼります。2011年にいち早く「ネット依存外来」を新設した久里浜医療センターによると、親子で次のようなルールづくりを行って、「ネット依存」防止に努めてほしいと訴えています。

  1. IT機器は親の名義で購入し、子供に貸し出す形にする。
  2. ルールは、親子で一緒に決める。守れなかったときにはどうするかも決める(1週間使用禁止とか)。
  3. 使用場所・使用時間帯・使用金額について決める。
  4. ルールは書面に残し、目につきやすい所に貼る。
  5. 家族も、使用場所や使用時間帯等のルールを守る

逆に、「本人に任せる」「飽きるまでやらせる」といった親の態度は最も危険な行為であり、このような父性的な厳しさがない家庭が、依存者の家庭の特徴であると指摘しています。また、依存者本人の特徴としては、一様に精神的な未熟さが目立ち、「何も不自由がないのでこのままでいい」といった態度だそうです。

今後ますますIT機器が高度化し使用頻度も増える中、ネットに囲まれて育った子供たちの将来が、一体どうなってしまうのか大変気になるところです。まずは、周りの大人がこの問題を真摯に受け止め、子供たちを健全な方向へと導くことが大切だと思います。

1年生 情報モラル教育

11月17日(火)の6時間目、1年生を対象に那珂川北中ブロックICT教育推進委員長の日髙 光昭さんを講師としてお招きし、情報モラル教育を行いました。

インターネットに潜む「ドキドキ」をテーマに、SNSやオンラインゲームなどにおける注意点を解説していただきました。日髙さんからは、オンライン上で顔も知らない相手と関わり、トラブルや犯罪に巻き込まれた話をしていただきました。また、SNSの使い方については、すぐに文章や写真、動画でSNS上に発信してしまい、個人名や住所、家庭環境の特定につながる個人情報の漏洩につながる危険性も教えていただきました。スマホは確かに便利なものですが、利用するには、しっかりと「情報モラル」を守ることが大切であり、それができなければ、自分や家族、そして周りの人にも多大なる被害を及ぼす危険な道具であると言うことに気がつかせてくれました。

放送ボランティア、がんばってます !

後期から、校内放送の充実を図るために、「放送ボランティア」の生徒によって運営されるようになりました。英語教育を推進する本校では、英語のアナウンスもあります。担当の英語科の中山先生やALTの先生の指導で、より流ちょうな英語アナウンスができるようになって来ています。全校生徒が聞きやすいようなスムーズな放送、そして生徒が楽しめるように様々な企画も考えていきます。これからの活動に期待してください。

筑紫地区新人体育大会の結果(10月以降)

【筑前地区大会結果】

  • ソフトボール 10月24日(土)なまずの郷公園  対福間東中(7-6)負け
  • 男子ソフトテニス 10月31日(土)糟屋東中学校 対新宮東中(1-2)負け
  • 男子バレーボール 11月8日(日)新宮東中  対糟屋東中(0-2)負け
  • ハンドボール 11月21日(土) 糟屋中学校  準優勝 対大利中(19-15)勝ち 対糟屋中(18-22)負け

【福岡県大会結果】

  • 陸上部(県大会)10月24日(土)博多の森陸上競技場 川村瑠奈 共通女子1500m26人中16位、西野柚華 1年女子100m予選落ち、森永真仁 共通男子110mH予選落ち、矢野虎汰朗 男子砲丸投げ予選落ち
  • ハンドボール 11月28日(土)福岡市総合体育館  対花畑中(14-15)負け ※延長戦

iPad(タブレット)を活用した授業研究

11月は授業研究月間。教職員が授業力量を高めるために年間2回の授業研究を行い、授業改善に努めています。2回目のテーマは「iPadを活用した授業」です。教職員は試行錯誤を重ねながら、iPadを活用した授業を実践しています。生徒もかなりiPadを使うことができるようになりました。上の写真はiPadを活用した授業の様子です。那珂川市では来年4月から生徒一人一台のタブレットが配付される予定です。(現在は160台のタブレットを全学年で共有しています)

第2回コミュニティスクール協議会

第2回那珂川北中CS協議会(学校運営協議会)が開かれました。生徒の様子を見て頂き、その後協議会に入りました。まず、前回の学校関係者評価について報告し、その後現在の重点目標達成のための取組を説明しました。説明後の質疑でもたくさんの質問やご意見、取組への評価を頂きました。特に、「学力も向上しているので、さらに那珂川北中にきたい、那珂川北中の校区に住みたいと思わせる取組を今後も期待したい」という言葉も頂きました。最後にまとめとして福岡女学院大学教授の伊藤文一先生から、目指す生徒に対する明確な目標と具体的な取組が成果を上げていると評価して頂きました。

12月・1月の主な行事 学校からのお知らせ

※HPトップページをご覧下さい。

お知らせ

○「自作弁当の日」について

今年度の食育推進の試みとしまして、12月12日の土曜授業(北風走)の日に、生徒が自分で弁当を作り、持参する「自作弁当の日」を計画しております。自分で弁当をつくることを通して、食に関心をもち、家族を大切にする心情や自立した生活態度を育てることが目的です

自作弁当の日の事前学習として、12月7日(月)に精華女子短期大学の阪田直美先生を講師として招き、次の3点を中心に講演をしていただきます。①中学生期の適切な食について、②自分で弁当を作ることの意義、③弁当作りに関して、適量・つめ方・工夫等

生徒が自分で弁当をつくる貴重な機会となります。保護者におかれましては、できるだけお子様一人の力で弁をつくられるよう、配慮をお願いいたします。

○北風走大会について

当日保護者による応援は、生徒の待機場所やウォーミングアップ場所となるグランド以外であれば可能です。車の駐車スペースはありませんのでご了承ください。※当日のタイムスケジュールについては、後日保護者の皆様に配付します。