不登校について」

校長 古澤 裕二

2年生は、修学旅行お疲れ様でした。座禅体験を行った天龍寺のお坊さん(かなり厳しい方でした)からは、「ここに来なくてもいい学校ですね」と、生徒の態度やマナーについてお褒めの言葉をいただきました。2月末となり、3年生は公立一般入試を残すのみとなりました。また、1年生の「職業講話」や2年生の「立志式及び著名人による出前授業」など、2月はキャリア教育に力を入れてきたところです。

さて、今回は「不登校」について、お話ししたいと思います。不登校児童生徒とは、「年間30日以上欠席した者(病気や経済的な理由は除く)」を指します。欠席日数の累計なので、年度末が近づくに従って不登校生徒が増えていくことになります。全国における令和3年度の不登校児童生徒は約24万5千人です。9年連続の増加で、10年前と比較すると小学校3.6倍、中学校1.7倍に増加しています。また、前年度と比較すると約25%増(約4万8千人増)と急増しています。不登校の主な理由(中学生の場合)は、①「本人の無気力・不安」49.7%、②「いじめ以外の友人関係の問題」11.5%、③「生活リズムの乱れ・遊び・非行」11.0%、等です。

これらの不登校の理由とも関連して、不登校の増加には人間関係を築く機会が奪われたり、生活リズムが崩れたりするような社会的な背景が大きく影響しています。その社会的な背景とは、ここ数年はご存じの通り「コロナ」です。では、コロナ以前に不登校が増加していった社会的な背景とは何だったのでしょうか? それは、「家庭用ゲーム機(本格的普及は1983年頃)」や「携帯・スマホ」等の普及です。これらの普及によって、集団遊びの機会が急激に減って一人遊びが増えるとともに、ゲームや携帯・スマホへの依存傾向が強くなり基本的な生活習慣が乱れ始めました。

一昔前は、集団遊びが人間関係を築く機会であり、小学校中学年頃までに自然と「対人関係能力」や「社会性」、「耐性」といった自立に向けた力を身につけることができました。そのため、脳科学者の沢口俊之先生は、不登校を減らすために、9歳頃までに複雑な人間関係の中でもまれることが必要であると指摘しています。集団遊びの機会が減ってしまった今日では、不登校は誰にでも起こりえることなのです。

また、ゲームや携帯・スマホによる「生活リズムの崩れ」という点では、全校生徒を対象にした調査結果があります。昨年12月の生活実態調査によると、「1日平均何時間、ゲームやSNS等で携帯・スマホを使っていますか?」という質問に対して、「5時間以上」と答えた生徒が1年生3.6%(5名)、2年生3.6%(5名)、3年生0%(さすが受験生)でした。ほとんどの生徒は「2時間未満」ですが、なかには「5時間以上」をはじめとして長時間使用している生徒がいて、睡眠時間や勉強時間が削られているのではないかと懸念されます。

本校の不登校生徒数は、現在1年生で13名、2年生で17名、3年生で18名です。その具体的な対策として、「いじめ不登校対策委員会」や「子育て相談会」等を実施しています。「いじめ不登校対策員会」は、毎月不登校や不登校傾向の生徒について情報交換を行い、生徒の実態に応じて専門家や専門機関につなげるための協議会です。参加者は、本校職員のほかに、SSW・SC・子ども応援課・学校教育課・スクールサポーター(警察)・生徒指導支援員・不登校等専任(サポートルーム担当)です。また、昨年度から実施している「子育て相談会」は、不登校をはじめ子育てに関する悩みをもつ保護者の方を対象に、SCによるグループカウンセリングを行っているものです

不登校は、思春期の時期になってその傾向が顕著に表れるため、中学校でその数がグッと増えます。そのため、中学生活や直近の出来事に不登校の要因を求めがちですが、不登校につながる社会的な背景からの影響をすでに受けているわけです。そのため、解決の特効薬はなかなか見つからないのが現状です。しかし、以前に比べると不登校生徒に対する理解も進み、進路先についても随分多様な選択肢が増えています。お子さんが不登校生徒になっても、復帰までの道のりを長いスパンで考え、少しずつ自立に向けた力や習慣を身につけさせていただけたらと思います。また、お子さんが不登校気味であるなど子育てに悩まれている保護者の方がいらっしゃいましたら、担任もしくは学年主任までご相談ください。専門家や専門機関とおつなぎします。

※参考文献:沢口俊之著「幸せになる成功知能HQ」講談社

九州アンサンブルコンテスト 金賞!

2月11日(土)に「那覇文化芸術劇場なはーと」で行われた九州アンサンブルコンテスト。九州各県代表の中学校35校のうち、全国大会に進めるのはたったの2校だけというかなり厳しいコンテストでした。また、さすがに九州大会に出場する学校はどの学校もかなりのハイレベルでした。

この大舞台で、かなり緊張のステージでしたが、2年生の飯田颯志君、田中陽己君、1年生の元吉流歌さん、宮田杏奈さん、泊実優さんは、観客を引き込むすばらしい演奏をしてくれました。

結果は「金賞!」

しかし残念ながら全国大会出場とはなりませんでした(ほんのわずかな差でした)。悔しい気持ちが大きいと思いますが、それはこれまで必死に頑張ったからこその気持ちです。九州大会で「金賞」を獲得できたことは本当に素晴らしいことです。

大会が沖縄だったということもあり、これまで沢山の方々に支えられました。職員のサポートはもちろん、指導してくださった方々、練習会場を提供してくださった豊見城市民体育館の方々、旅行行程を組んでくださった日本旅行の方々、福岡から沖縄を往復して楽器を運んでくださったトラック会社の方々、那珂川市教育委員会、そして何より、生徒の近くで支えてくださった保護者の皆様に心から感謝申し上げます。

1・2年生「学力診断テスト」の結果

2月3日(金)に行われた、今年度の学力向上の取り組みの集大成である今年度最後の1、2年生「学力診断テスト」の結果をお知らせします。

1年生は(グラフ中◆)、偏差値「57」となりました。4月実力テストは「51」でしたので、この1年間で偏差値を6ポイントも伸ばしました。特に英語の偏差値は「60」の大台に乗りました。2年生は(グラフ中▲)、偏差値「56」です。入学時から比較すると、こちらも5ポイントも伸ばしました。1・2年生ともに、筑紫地区内で上位の成績をキープしています。

1年生は、中学校入学時の学力について随分心配していましたが、学力の向上には目を見張るものがあります。1年生の皆さんは、中学校に入って学習面で大変な思いもしたと思いますが、努力がしっかりと数字で表れてきています。2年生になってからも、自分の力を伸ばすために、継続して学習に取り組んでください。2年生はいよいよ4月から受験生になります。来年の今頃に希望する進路に進めるように、3月中に既習内容の総復習を行ってください。次回は4月14日(金)の「学力診断テスト」です。

【学力診断テスト 本校平均点・偏差値】※点数は100点満点、( )内は偏差値

2年生「著名人による出前授業」

「著名人による出張授業」は、これまでも計画していたものの、コロナ禍で過去2年間実施できなかった取組です。今回は精神科医の和田秀樹さんと写真家の安珠さんに来ていただきました。ありがとうございました。

和田さんは、精神科医であると同時に映画監督、受験アドバイザーなど仕事が多岐にわたっており、たくさんの本も出版されています。和田さんには、夢をもつことの大切さやその夢に近づくためにどうしたらよいかを考え実行することの大切さについて話していただきました。「夢には必ず実現する方法がある」という言葉が印象的でした。

また、安珠さんは、中学生の時にスカウトされ、パリコレ等で活躍したモデルさんでしたが、21~22歳のころに写真家へと転身された方です。小学生の時に病気で死にかけたことをきっかけに、生きることについていろいろと考えたそうです。その経験がのちの「一瞬を映像として永遠に残す」写真家としての道につながったのかもしれません。東北大震災の時に撮った写真をスライドで見せていただき、たくましく生きることや夢をもつこと、人と人のつながりの大切さ等について話をしていただきました。大変気さくな方で、東京のお土産までいただきました。

令和4年度 筑紫地区教育論文表彰式

2月22日(水)、筑紫野市文化会館にて筑紫地区教育論文の表彰式がありました。

筑紫地区小中学校で応募論文数127点の中で、井上敦貴先生が「優秀賞」を受賞しました(上位5点に入る)。また、北島廣野先生が「佳作」を受賞されました。さらに応募論文において素晴らしい成果を上げた学校に与えられる特別賞「学校賞」を本校が受賞しました。

一昨年度は高瀬先生、昨年度は中島先生が受賞し、本校職員が3年連続の受賞という快挙です。生徒も頑張る那珂川北中学校。先生たちも頑張っています。また来年度も4年連続受賞を目指し研鑽していきます。

3・4月の主な行事

※今後のスケジュールについては、HPトップでご確認ください。

学校からの連絡

【令和5年度入学式について】

  1. 参加者の数を最小限とし規模を縮小、時間短縮で実施。
  2. 来賓は那珂川市教育委員会、学校運営協議会、PTAから1名ずつ。
  3. 保護者の参加は原則として2名まで。
  4. マスクについて
  • 教職員及び生徒はマスクを着用せずに出席することが可能です。マスクを外すことに不安を感じる場合は、着用しても差し支えはありません。
  • 保護者のマスク着用は、そのときの状況により、自身で判断をお願いします。

※今後の感染状況等により変更がある場合はお知らせいたします。