「運動部活動の地域移行」

校長 古澤 裕二

前期中間考査、県・全国学力テスト等のテスト関係が全て終了し、いよいよ中体連大会の時期となりました。6月11日(土)の陸上競技を皮切りに、すでに各競技がスタートしています。

さて、部活動については、最近公立中学校の運動部活動を地域に移行する改革(部活地域移行)について盛んに報道されています。6月6日には、スポーツ庁が「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言」を公表しました。この中で公立中学校の運動部活動における改革の方向性が次のように示されています。

  1. 休日の運動部活動から段階的に地域移行していく。
  2. 目標時期として令和5年度の開始から3年後の令和7年末を目処とする。
  3. 平日の地域移行も視野に入れ、平日はできるところから取り組む。

なぜこのような改革が打ち出されたのか? その理由の一つ目は、教員の負担軽減です。本校職員であれば、勤務時間は8時15分~16時45分です。それ以外の平日の時間帯(朝練・夕練)、土日祭日は勤務時間ではありません。そのため、校長であっても、勤務時間外に部活動の実施を職員に命じることはできません。にもかかわらず、これまで長年に渡って部活動を滞りなく行うことができたのは、ひとえに部活動顧問のボランティア精神によるものです。しかも、職員の構成上、競技種目の経験や専門性の有無とは関係なく、顧問を依頼する場合も少なくありません。加えて各先生方の家庭の事情もあるため、顧問の負担は決して軽いものではありません。ただし、部活動を負担と感じている顧問ばかりではなく、部活動を生きがいに思っている顧問や部活動をやるために教員になったという顧問の先生方も当然おられます。理由の二つ目は、少子化です。全国における中学生の数は1962年が最多で約733万人でしたが、2019年には約322万人まで落ち込んでいます。そのため、チーム競技の場合、1つの学校では必要な人数を確保できず、合同チームを編成する学校も増えてきました(本校ソフトボール部も那中との合同チームです)。各学校を単位とした部活動という考え方を改めなければならない時期に来ています。

以上のような理由から、「運動部活動の地域移行」が進められることになったわけですが、すぐに中学校での運動部活動がなくなったり、中学生の運動機会が奪われたりするようなことはありません。今後、「地域移行」する場合、次の3つのパターンが考えられます。

  1. 地域スポーツクラブ等に移行するケース
  2. 外部指導者が部活動を指導するケース(現在すでに38.7%の中学校で導入しています)
  3. 教員が「兼職兼業」として報酬を得て指導するケース

国は、この「地域移行」を段階的に進めていくつもりですが、ここにも様々な課題があります。例えば、全競技種目で地域の受け入れ先や指導者がいるか、保護者の金銭的な負担はどうなるのか、平日は顧問による指導、休日は地域による指導となった場合の連携をどうするのか、競技中のケガや事故等に対して誰が責任をとるのか、「兼職兼業」の教員への報酬は誰が負担するのか、等々・・・。今後、自治体毎に、このような課題を検討し、よりよい運動部活動のあり方を模索していくことになると思います。

これまで我が国のスポーツを下支えしてきた運動部活動のあり方が大きな変革期を迎えることになりましたが、運動部活動の本来の意義を見失わないようにしなければなりません。それは、運動部活動が、生徒のリーダー性や協調性、耐性、社会性等の向上といった、中学生の人間形成に大いに役立つものであるという点です。特に、ある大学教授の言葉が印象に残っています。それは、「運動部活動は挫折回復能力を養う教育活動だ」という言葉です。試合で負ける度に「挫折」を味わい、そこから立ち上がる経験を何度も繰り返す。そのことで、将来どのような困難にも負けない力を養って行く。このような貴重な経験は、運動部活動を通じてしか味わえないというわけです。

本校では、「裏を鍛えれば表が輝く」という部活動のスローガンを掲げ、部活動の活性化に努めています。今後、運動部活動の地域移行が進められる中においても、専門的な技術や体力とともに、本来の部活動の意義を踏まえて生徒の人間形成を図っていきたいと思います。部活動生徒の保護者の皆様には、今後も本校部活動の活性化へのご協力をお願いします。

尚、中体連大会や各種コンクール等が終了した3年生の部活動生で(文化部生徒も)、部活動による高校進学を考えている生徒及び保護者の方は顧問までご相談下さい。

中体連の結果(6/26日現在)
  • 【陸上】
  • 奥才起(110MH第3位 400M第3位)
  • 能登美有(3年女子800M第6位)
  • 岸本華夢(2年女子800M第7位) ※他5名筑前大会出場

【野球】

  • トーナメント 1回戦 那北9-1平野(5回コールド)、2回戦 那北0-2那南
  • 敗者復活戦  1回戦 那北3-2大野東(8回タイブレーク)、2回戦 那北2-0大利中、3回戦 那北2-5(11回タイブレーク) ※敗退

【ソフトボール】※那珂川中と合同チーム

  • トーナメント 1回戦 那中・那北合同5-18春日東
  • 敗者復活戦 那中・那北合同15-10太宰府・学業院合同、那中・那北合同 8-7 春日西・南合同、  那中・那北合同 3-11平野中 ※筑紫区6位 筑前大会出場

【サッカー】

  • リーグ戦 那北0-1 那北1-8筑陽学園 ※敗退

【男子テニス】

  • <団体>リーグ戦 那北0-3筑山 那北3-0筑紫野、トーナメント 那北1-2太宰府 ※団体戦敗退
  • <個人>・全ペア敗退

【女子テニス】

  • <団体>リーグ戦 那北2-1春日東、那北3-0筑山、トーナメント 那北2-0春日野、那北1-2那珂川、那北3-0春日、那北1-2春日南 ※筑紫区6位、筑前大会出場
  • <個人>全ペア敗退

【男子卓球】

  • <個人>3回戦までで敗退

【女子卓球】

  • <個人>3回戦までで敗退

【男子バスケット】

  • 予選リーグ 那北29-75学業院、那北35-47平野  ※敗退

【女子バスケット】

  • 予選リーグ 那北69-25学業院、那北80-35平野、トーナメント 那北88-39春日野 ※継続中

【水泳】

  • 男子400Mリレー第5位
  • 橋口もも(200M個人メドレー第9位)
  • 福住心菜(200M個人メドレー第6位) ※以上、筑前大会出場

【男子バレー】

  • リーグ戦 那北1-2平野、那北0-2春日西、那北2-0
  • トーナメント 1回戦 那北0-2春日東 ※敗退

【女子バレー】

  • リーグ戦 那北2-0春日野 那北2-0太宰府
  • トーナメント 1回戦 那北0-2大利 ※敗退

【バドミントン】

  • <個人>2回戦までで敗退

【空手】

  • <個人>1回戦で敗退

中体連を終えて (部長の感想)

【男子バスケットボール部 部長 馬渡 亮 君】

これまでの日々の部活動で良かったところは、最初はチームとして周りの人のことはあまり考えていなかったけど、次第にお互いのことを考え、日々の部活動や試合をすることができるようになったと言うことです。中体連大会では、やはり日頃やっていることとか、日頃できていないことがはっきりとでるということを学びました。3年生はこれで引退となるけど、1,2年生には、日々の部活をおろそかにしないで、練習も試合も全力で取り組んでほしいです。今回は勝ち進むことができませんでした。新チームでは、新人戦、そして次の中体連で勝ち進んでほしいです。

【女子バレーボール部 部長 吉岡 愛莉 さん】

私はこの大会を通して、苦しい時でも前を向き続け、仲間として声を掛け合うことが大事だと感じました。相手の良い流れに飲み込まれそうになったときや、自分たちの攻撃が決まらなかったときに、互いに声を掛け合いはげましあうことで、「もっと頑張ろう」「まだあきらめない」と思うことができました。また、これまでの部活動を通して、たくさん怒られたり、きつい練習などがいやで、逃げ出したくなったときもあったけど、辞めずにチームメイトと頑張ったからこそ、試合後の達成感を味わうことができました。約2年ちょっとの部活動は本当にあっという間に終わってしまうので、後輩には、後悔がないように、毎日の練習を大切にしてほしいと思います。そして自分たちのチームの目標を達成してほしいと思います。頑張ってください!

【野球部 部長 桂田 拓海 君】

これまでの部活動生活を振り返ると、たくさん怒られたし、厳しいことを言われました。逃げ出したくもなったけど、それを乗り越えた分、これからの人生に向けた大きな糧になっていくと思うので、部活動をしていて良かったです。また改めて、チームで協力することの大切さ、何かに本気で取り組むことの大切さを学ぶことができました。1,2年生は、まだ時間があります。野球部ではきつくて、つらくて、逃げ出したくなることがあるかもしれません。それでもチームのみんなと協力し、最後まで全力で頑張ってください。そして大きな達成感を味わってください。後輩のみんな、応援しています!

授業参観・学級懇談

6月28日(火)から授業参観が始まりました。新型コロナウィルス感染症対策のため、学級ごとの開催です。1,2年生は授業参観後に学級懇談を行っています。暑い中たくさんの保護者に参観していただいています。その感想を紹介します。

  • 中学校の参観に初めて参加しましたが、小学校とは違うきりっとした感じにすごいなと思いました。(3年家庭科)
  • 緊張の中にもわかりやすく、生徒のやる気が出る工夫された授業でした(1年英語)
  • 教室がきれいに整理されていました。身近なことと金属の話しがつながり、とてもわかりやすく楽しい授業でした。(1年理科)

7~9月の主な行事 学校からのお知らせ

※「7~9月の主な行事」はHPトップページでご確認下さい。

※学校からのお知らせ

  • 授業参観の日程につきましては配付したプリントもしくは本校ホームページでご確認ください。
  • 車で来られる場合は、校門を入られて右側の駐車場をご利用ください。
  • 生徒用昇降口からお入りください。(昇降口で検温・消毒をお願いします)。
  • スリッパをご持参ください。
  • マスク等の感染予防対策をお願いします。