4月8日(金)第19回入学式を行いました。コロナ禍で簡略化した入学式でしたが、今年度から新しくなった制服(ブレザー)を着た173名(男子73名、女子100名)の新入生を迎えることができました。校長先生からは、入学式にあたり、人が能力アップする方法についてお話がありました。また、新入生代表誓いの言葉では、中学に入学する不安と期待について述べられ、多くの人からの支えをもらいながら頑張っていきますという力強い言葉がありました。これで今年度の全校生徒が揃い、いよいよ本格的に新年度がスタートします。

【学校長式辞】

本日は、「第十九回入学式」に際しまして、ご多用の中、ご来賓の皆様のご臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。陽春のさわやかな風が吹く中、いよいよ新年度のスタートにふさわしい陽気となってきました。

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
約一ヶ月前には、皆さんの先輩方が、それぞれの進路を決定し、卒業していきました。皆さんも、本校での3年間を通して、人として成長し、希望する進路へ進むことができるように頑張ってほしいと思います。

さて、皆さんの入学にあたり、「能力をアップする方法」についてお話ししたいと思います。

皆さんは、毎年お正月に行われています、「箱根駅伝」という、大学生の駅伝大会を知っていますか? 東京と神奈川県「箱根」を結ぶ、往復約200キロを、各大学の選手10名がタスキをつなぎ、走り抜きます。この箱根駅伝で、今年総合優勝を果たしたのが、「青山学院大学」です。この青山学院大学の陸上部は、10数年前まで「箱根駅伝」に出場することもできない弱小チームでした。この陸上部が強くなるきっかけは、「原晋」さんという方が監督になったことです。この原監督の指導によって、選手たちは次々と記録を伸ばし、箱根駅伝に出場するようになると、その度に順位を上げていきました。最近十年間で、6回の「総合優勝」を果たしています。

弱小チームがなぜこれほどまでに強くなったのか? 原監督の指導方法には、陸上選手だけでなく、すべての人に通じる「能力アップ」の秘密があります。その秘密は、「目標管理シート」と呼ばれるたった一枚の「A4サイズの用紙」に隠されています。選手は、この用紙に毎月目標を記入し、日々努力してその目標を確実に達成していきます。記入するときの注意点は、次の3つだそうです。

一つ目は、1ヶ月間で達成したい「達成目標」と、そのために日々努力する「努力目標」を分けて記入すること。二つ目は、達成目標は欲張らず、今の自分に合った目標を具体的な「数値」で記入すること。三つ目は、1ヶ月後に、目標達成をできたかどうかを振り返り、その成果と課題を明らかにすること。

皆さんは、「なんだそんなことか」と思うかも知れませんが、このやり方はとても有効な方法なのです。というのは、人間は、目標を決めて、その達成に向けてくり返し努力し、実際に目標達成できたときには、大きな「達成感」を味わいます。このとき、脳の中で「ドーパミン」という物質が分泌されるそうです。この「ドーパミン」が脳の中で分泌されると、人間は「やる気スイッチ」がオンになるようにできているのです。そのため、さらに高い目標を設定し、チャレンジしたくなります。そして繰り返し努力し、また達成感を味わいます。この「ドーパミン」の働きによる「やる気」をうまく利用して、「目標設定」→「繰り返し努力」→「達成感」というサイクルをつくり出すことができるわけです。この「やる気サイクル」をつくり出すことが、効率よく、人間が能力アップしていく唯一の方法なのです。

原監督は、「人間は、小さな目標を達成する、「成功体験」を積み重ねることで、ゆくゆくは大きな成功につながる。」と述べています。

新入生の皆さん、入学後は学習面や運動面などで、小さな目標を自分自身で設定し、その達成に向けて日々繰り返し努力してください。そして、次々に目標を達成していって「やる気サイクル」を身につけてください。そのことがきっと将来の大きな成功につながると思います。是非頑張ってください。

結びに、保護者の皆様に対しまして、お子様の「ご入学」を心よりお祝い申し上げます。今日、子どもたちを取り巻く環境が複雑化し、学校だけで教育を全うすることが難しい時代となりました。そのような中、家庭・地域・学校の三者が連携するとともに、それぞれの役割をきちんと果たしていくことが大切だと考えます。そのための本校の「コミュニティ・スクールの取組」や「教育活動」等に対しまして、ご理解・ご協力をいただきますようにお願い申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。

令和4年 4月 8日

                                                  校長 古澤 裕二

【新入生誓いの言葉】

今日から私たちは中学生です。こうして無事入学式を迎えられたことを嬉しく思います。私は小学校で字を丁寧に書いたり、相手の気持ちを考えて行動したりすることに気をつけていたので、中学校でもこれらを活かして頑張っていきたいです。

中学生になることに対して、勉強についていけるか、また、先生方や先輩方と関係をつくっていけるか、という不安はありますが、部活動という初めての活動ができることなど、楽しみにしていることもたくさんあります。
これから先生方に、勉強をたくさん教えていただき、部活動では、先輩方にもアドバイスをもらいながら、成長していきたいと思います。

これから皆さんに支えてもらいながら、那珂川北中学校の一員として頑張っていきます。どうぞよろしくお願いします。

令和4年4月8日

新入生代表 國廣 愛音